2008年2月6日 橋下知事初登庁あいさつは「民間なら倒産会社」から始まった。
まず、自治体の倒産とは?を説明するので、その後に下記のアドレスから
新知事の挨拶を読んでみると、 言葉の含みが 解りやすいと思う。
2003年1月25日の朝日新聞に、地方自治体の8割以上が財政難を訴えていると
との調査結果が発表された。 この全国の疲弊の原因は、バブル時代の過剰な
公共事業費、地方債の乱発、不況による税収の低下が要因とされている。
地方自治体の経常収支のマイナスが20%を越えると、自治体は
「倒産」と見なされ、国の管理下で再建を目指すことになる。
例えば、地方債の発行は総理大臣の許可無しでは出来なくなるし、あらゆる予算が
削られる。 福祉関係の予算も例外なくカットされ、役所のボールペンや
消しゴムさえ、総務省の許可なしでは買うことが出来なくなるのだ。
そして、住民には公共料金や地方税のアップなどが負担増として降りかかるので
役人だけが大変な状態では無い。 ボールペンは許可が無くても買えるけど・・・
でっ 書き出しの部分は端折って・・・ 締めくくりの手前で割愛したのであしからず。
では、橋下知事のあいさつへ ↓
そこで、まず、職員の皆様に4つほどお願いしたいことがあります。
総論ですが、今の大阪は破産状態にあることを皆様方に認識して頂きたく思います。
大変厳しい言い方になるかもしれませんが、皆さん方は破産会社の従業員である。
その点だけは、厳に認識をしてください。
民間会社であれば、僕も弁護士として破産管財の業務、破産の申告の業務を
やりましたが、破産・倒産という状態になれば、職員の半数や3分の2のカットなど
当たり前です。 給料が半分に減るなどいうことも当たり前です。
特定の企業名を出すことはできませんが、ある金融機関に至っては、再建するまでは
ボーナスはゼロ。 そして、その金融機関は見事、再生を果たし、ボーナス等も
最近に至って、支給されるという話も聞いております。
地方公務員法など色々と法律上の制約もあり、その中でも皆さん方には労働三権が
全て保障されていないという、そういうことも法律家として僕も十分認識している
と思いますが、しかし、民間は本当に苦しみながら、血を流しながら何とか
この不景気の現状を乗り切っているのです。
給料の削減、ボーナスの削減、退職金の削減。これは民間では当たり前のことです。
破産会社の従業員であるということは、すぐに人件費に手をつけるということでは
ありませんが、但し、大阪府のおかれている状況というのは、皆様方、ぜひ厳しく
認識して頂きたく思います。
そして、この今の財政が危機状態にある大阪を立て直すには、やはり、今までと同じ
ような行政のやり方、これを継続していては、何も変わらないと僕は思っています。
明治以来、ずっと行われてきた行政慣行、色々と便利なこともありましょうし
これを一気に崩すことはできないでしょう。
しかし、僕は就任前に、何の権限も無いのに府庁の幹部の方々とお話をさせて
いただき、たった4日間ではありますけれども、非常に充実した協議が
できたと思っています。
ただ、その中で、やはり行政慣行、今までのやり方に関して疑問を持った点も多々
あります。 これは変えなくてはいけないと感じた点も多々あります。
この点について、僕はタイミングとか時期も色々と周りから言われていますが、今日
から変えるべき点は変えていきます。
本日をもって、今までの行政慣行で悪い部分、府民のためにならない部分、大阪の
ためにならない部分は、本日をもって変えていきますので、その覚悟だけは
お持ち下さい。
各論ではありますが、第1点目。
この4日間で感じたことで、まず、一番大きなことは大阪府庁の中で、大阪のために
頑張っておられる事業はたくさんありますが、事業の中でお金を使う際に、全てが
悪いという訳ではありませんが、やはり民間としては考えられないような事業計画も
あるのではないかと感じられました。
民間では、10円、20円を使う際にも、きちんとした根拠と裏付け資料が求められます。
10万、100万、1000万円に至っては、その効果の裏づけがきちんと無ければ
お金など一切出ません。
先に予算ありき、先にお金ありきという考えは、私は一切採るつもりはありません。
僕の法律事務所の従業員は僕に対して、あまりいい感情をもっていないでしょう。
僕が出張に行くということを非常に喜んでいるかもしれません。
僕の法律事務所の経営は非常に厳しい経営をやってきたと思っています。
これから皆さんの事業、大阪府民のために、大阪のために、皆さんが一生懸命
考えられている事業たくさんあると思いますが、それについては必ず
その効果の根拠を示してください。
そして、その根拠については、机の上の議論だけで終わることはやめてください。
僕は、選挙演説の中でも訴えてきましたが、現場の声、本当に問題となっている
現場の声に裏打ちされた根拠をきちっと示して頂きたく思います。
きちんとした計画、きちんとした根拠のない事業につきましては、一銭たりとも
お金は支出しないという方針で私は臨んでいきたいと思っています。
2点目ですが、皆さん方の知恵の結集である政策については、今このような危機に
ある大阪、賛否両論の巻き起こるような攻めの政策立案をしてください。
まあ言えば、大阪は、これ以上悪くなることはないと思います。
今、どん底でしょうから、あとは伸びるだけ、上をめざすだけ。
このような状況にあっては、どんどん攻めてください。攻めの政策で行ってください。
もちろん、それによって失敗が生じて、府民に迷惑をかける、これはあっては
ならないことです。 但し、僕だけでなくて、現在の副知事さんをはじめ
幹部の方々と協議し、「これはさすがにマズイのではないか、やりすぎでないか。」
と幹部の皆様方ときちんと議論させて頂きますが、現場の担当者の方は
一切リスクを考えなくて結構です。
全てのリスクは幹部と私が全部引き受けますので、担当者の方は現場で第一線で
活躍されている政策立案者の方々、色んな計画を考える方々、事業を計画される
方々は、賛否両論がわきおこる立案をどんどん出してください。
議論を行うことで、どんどんいい政策になっていきます。
最初から議論にならないような政策など要りません。
必ず賛否両論が沸き起こりそうな事業・政策というものを幹部の方々に
上げて頂くことを期待しております。
また、僕は見てのとおり、38歳。普通の38歳です。
人生経験も38年分しかありません。皆さん方からすれば、未熟です。
また、情報や知識、これも普通の38歳と何ら変わりありません。
特に、教養といわれるものに関しては、通常の38歳より著しく欠けていると思っています。
行政についての経験は全くゼロ。 政治の経験も全くゼロであります。
だから具体的な、個別的な政策立案や、行政の進め方、また組織の動かし方
いい意味での行政慣行、それから一般社会人としての教養については、これは
皆様から私は勉強する点は多々あります。
繰り返しますが、本当に教養等はありませんので、そこは色々と勉強させてください。
ただ、これだけは自信を持っていえることが一つあります。
この府庁、職員の方々、9千人ぐらいおられるのでしょうか。
皆さん全員を相手にしても勝てると自信を持っている点は、ただ一点。
問題が起きたときの、その対応能力に関しては、絶対的な自信があります。
これは弁護士業務として色んな企業の顧問をやってきた経験、またメディアに
出ながら、今まで散々、社会的にもう表に出れないような状況、そういう色んな
問題を起こしてきたことも多々ありましたが、何とか自分なりに考えた対応策で
38年間やってこれました。
自分で言うのもなんですが、おそらく、この点に関しましては、府庁職員の方
いや全国のどのような行政マンを相手にしても、この問題が起きたときの
対応能力には絶対的に自信があります。
この点だけは、府庁職員の皆さん、僕は38歳ということで、まだまだ頼りない、本当
にどうなっているねん、本当に大丈夫かという不安感もお持ちでしょうが、問題が
起きた時の報告だけは、必ず、僕の耳に入るようにだけはしてください。
皆さん方の組織を守るということだけではありません。
府民の、大阪のマイナスや危害、害悪にならないような対応能力だけは自信が
ありますので、現場の方々は、若い職員の方々、上司に言っても中々解決しない
だろう、どうしよう、もう少し上の上司にいっても、中々解決が図れない、という
ことを、もし1、2年目の職員の方々でも、そういう危機感にとらわれた場合には
知事室に直接その点の報告を上げてください。
まずは組織ですから、上司の方とその担当の部署で解決を図っていただき、これでも
危ない、マズイんじゃないというような感覚をもたれた場合には、知事室へ直轄で
直接報告を上げてください。
必ず、その対応につきましては、僕が全責任をもって、また幹部の方々と責任を
もって対処しますので、隠すということだけはやめてください。
隠すことほど最悪なことはありません。 どんな問題であってもまずは公表。
公表の仕方や時期もありますが、隠すことだけは最悪です。
あとの対応方法や公表の仕方やその文言、内容等については、全て僕と幹部の方が
責任を持ちますから、事実だけは、直接知事にでもかまいませんので、必ず仔細な
問題であっても、これはマズイと思ったら報告してください。
4点目でありますが、今までの3点。「効果を意識してください。」「賛否両論がわき起
こるような政策を立ててください。」「問題があったときは、どんな仔細なことでも、
報告を上げてください。」という私からのお願いを皆さん方がきちんと守って
くださるのでありましたら、僕は、皆さんの盾になり、サンドバックになります。
今の大阪の危機的な状況を打開するためには、皆さん方の今までの経験に基づいた
その知恵を総結集して、本当に大阪がよみがえるための政策立案をしていかなければ
なりません。純粋に大阪を立ち直らせる、大阪をよみがえらせる、その純粋な気持ち
だけで府政を行ってください。
もちろん、行政ですから、そこにいろんな力が働くことも認識しているつもりです。
純粋な気持ちだけで行政なんかできるかと思う職員の方々もたくさんおられるでしょう。
しかし、僕が知事となっているこの4年間においては、皆さん方は、大阪をよくする
ため、大阪を立て直すという気持ちだけで働いてください。
外部からの圧力、外部からの力、その他一切合財は、私が全て引き受けます。
そのために、自分の人生、生活を一度全て投げ打って、今回、府庁の方に入りました。
皆さんの経験、情報、知恵があれば、大阪は必ず立ち直ります。 僕は確信しました。
最初は、ホントに大丈夫か。府庁はとんでもない状態ではないかと思っていましたが
4日間の間でありますが、幹部の方々と話をして、皆さんが本当に純粋な気持ちで
元々公務員を志された「大阪のため、大阪府民のため」というその気持ちだけで
仕事をされれば、大阪は変わると、私は確信しました。
しかし、現実は、色んな周りからの声、色んな周りからの力にどうしても曲げられる
ことも現実なんでしょうが、その部分は、繰り返しになりますが、全て私が引き受けます。
最初に、公務員として、この大阪府庁に入られた時の気持ちを
もう一度思い起こしてください。
僕は、今日の初登庁で、正門前、今まで、選挙期間中何度も出入りさせてもらいまし
たが、今日、正式に初登庁という形で、あの大阪府庁の正門に立ったときに、本当に
背筋に一本ビシッとした電気が走りました。
知事室に入り、大阪城が見えるあの知事のイスに座った時にひざの震えが
止まりませんでした。
怖いとか、どうなるとか、そういう不安ではありません、今まで、散々メディアでも
法廷でも色々仕事をしてきましたが、こんなに感動した現場というか、体験は
今までありませんでした。
大阪が、大阪府民が、この自分の、自分達の考え、行動によって変わりうるんだと。
こんなに素晴らしい職業はないと思います。