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「ブスに花束を。」「私の少年」を主軸にその時好きな漫画のネタバレ感想。

はいからさんが通る 漫画版感想と考察 第1回「伊集院忍少尉」

2021-05-06 16:51:06 | 連載漫画
子供の頃から好きだった、誰もが知ってる超有名漫画。
この度電子版を入手して読み直したので色々語っていきたいと思います。

「伊集院少尉」
紅緒に次ぐ登場人物ですが、彼女ほどわかりやすくないのでまとめながら考えます。

1、いつから紅緒に恋愛感情を抱き始めたのか。
2巻の出発前日に「もうずっと好きでしたよ」と告白しますが初対面時はあまり印象よくないんですよね。
むしろ「今どき」の女子高生紅緒を揶揄するような部分さえあります。
ですが、今までにいないタイプに強烈な印象を抱いたようです。

少尉が花村家を訪れてひと悶着のあと、自宅で祖母に印象を聞かれ「好みではないですが、まっすぐなお嬢さん」と言っています。
表向きの紅緒を好みなのは蘭丸くらいでしょうからそこは当然として、この段階で紅緒のまっすぐさを評価していて
好感は抱いているようです。

環とのデート?中に紅緒へ花を買ったりしますが、紅緒と観劇後に行ったみるくほうるでは
「結婚後に愛し合えばいい」と言っていますし、紅緒本来への恋感は見られません。
まだ恋には行ってないように見えます。

が、園遊会で環に問われた時にははっきりと「おばあ様のためだけじゃない」と言ってますね。
ここではっきりと恋愛感情を表明しました。

なので
「すごいインパクトの初対面から、すぐに目が離せない気になる存在になり延長で恋愛になった」
超初期では華族のボンボンでしかなかった少尉が、後半になるに従い人間ぽくなるのは紅緒の影響でしょう。
今の少尉ならば「環といる時に他の女に花を贈る」なぞ失礼な事はしないはずです。

2、少尉の罪
「無意識」これに尽きると思います。

後半は少尉の優柔不断さが色々な悲劇を招きました。
彼に悪気なぞ皆無だし、むしろ相手を思っているがゆえ。

少尉は以前から「誰にでも優しい」性格で、それは華族の一員としては間違ってなかったのでしょう。
実際モテまくっていたのは容姿だけが理由ではなかったはずです。

が、それゆえ因縁大佐のような人に憎まれてもいたはず。
人も好過ぎると時に嫌味にもなります。

後半は、紅緒への想いゆえ大分自我を出すようになりました。不器用ですが。
ラリサの件も記憶を取り戻して紅緒への愛も自覚したなら、恩人は恩人として別扱いすべきでした。
やり方次第でいくらでも出来たはずです。恵まれた出自のせいで発想の選択肢が少ないのでしょう。
紅緒を助けに行く時には自我を出すのですが、結局戻っちゃいましたね。

これでは感謝の気持ちだけで、心は他にありながら相手をされるラリサは元より紅緒も可哀想です。
そして結局自分の気持ちを抑えられなくなり行動に出るわけですが、そのタイミングがことごとく最悪。

ラリサ、冬星はある意味少尉の被害者でしょう。

3、対紅緒
とにかく愛が深い。

紅緒のフォローはとことんする。
戦地で部下に紅緒を自慢しまくる。
撃たれ気を失う瞬間まで想ったのは紅緒。
記憶を呼び覚ましたのも紅緒。
紅緒の為なら人殺しも辞さない。
重体時に見た夢も紅緒。
冬星に紅緒を取られ殺したい気持ちを抱く。
紅緒の結婚式当日棘だらけのバラを手づかみ。

とにかく紅緒、紅緒、紅緒です。
紅緒もそうでしょうが少尉にとっても初恋ぽいですよね。

環やラリサは呼び捨てなのに、本編では最後まで「紅緒さん」呼びなのもすごくいいです。
この呼び方には「恋、愛、照れ、尊敬、距離」が表れていると思います。

記憶が戻った後は常に紅緒を気にかけ、そばにいようとし冬星に嫉妬するのもいいですね。
あんなイケメンがですよ!?

少尉の最大の魅力は「ザ・少女漫画の王子様」という事に尽きると思います。

あとはいからさんを読んで思うのが大和先生の凄さです。
連載時は20代後半だったとの事ですが、これだけの物語を7巻で読ませる力量。
絵も美麗ですし、時々盛り込まれるギャグも一服の清涼剤。
すごい作家さんだなあと思います。







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