[北京 16日 ロイター] - 中国政府は、重工業中心の国有企業からサービス業中心の民間セクターへと経済の軸足を移したい考えで、民間企業の投資促進を期待している。ところが当の民間企業は景気改善を見通せず、投資を抑えているのが実情だ。
中国東海岸の輸出基地である浙江省で衣料品企業を経営するブルーノ・チェン氏は「わが社は事業の拡大ではなく縮小を計画している。景気拡大の実感がまったく得られない」と語る。
上海から400キロメートルの土地にある衛生用品企業のゼネラルマネジャー、Xia Xiaokang氏も「昨年来、固定資産投資をほとんど行っていない。工場ビルが大きすぎるので一部を賃貸に出す計画だ」と言う。
3月の中国経済指標では景気がようやく持ち直したかに見えたが、14日に発表された4月の指標は、固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高の伸びがすべて予想を下回った。
1─4月の民間投資は5.2%の伸びにとどまり、中国国家統計局(NBS)が2012年に集計を始めて以来で最低となった。2013年には25%近く増加していたが、昨年は10%増と、減速ぶりが著しい。
政策当局者が民間投資の減速を憂慮するのは、固定資産投資全体に占める割合が6割超と大きいからだ。
国営メディアによると、民間セクターは中国の雇用の3分の1を担っており、都市部の新規雇用では90%を占める。
NBSは14日の統計発表後、「民間投資総額は比較的大きいため、減速が続けば安定的な成長の足かせとなりかねず、高度の警戒を要する」と指摘した。
エコノミストによると、無数に存在する中国の民間中小企業は投資、イノベーション、生産性伸び率の主な源泉だ。
国有企業に比べて資本効率が良いと見られているため、当局も重視している。
中国国家発展改革委員会(NDRC)の調査官は「民間投資の弱さは根本的な問題だ。経済を安定させるため、中小企業と製造業の活力を解き放つ必要性がある」と述べた。
民間調査によると、製造業は人員削減を行っており、賃金にも低下圧力がかかっている。
繊維業界は世界的な需要不振に直撃され、それを国内の需要増で補うことができていない。
チェン氏の衣料品企業は従業員160人で、主に欧州向けに製品を輸出している。
Xia氏は、ロシアとベネズエラの顧客が自国通貨の下落に苦しんでいる上、中東の一部では紛争によって顧客の態度が慎重化している、と説明した。欧州は横ばい状態で、東南アジアには期待が持てるという。
「金利は低いのに投資は減少している。これは国内外を問わず、市場全体の状況が良くないことの証左だ」とXia氏は語った。
<景気対策も効かず>
政府は昨年来、景気刺激策を実施してきたが、エコノミストによると刺激策は自ずと公共セクターが対象で、民間企業の課題解決には結びついていない。特に、民間企業が最も苦しんでいる製造業の不振には手を打てていないという。
事実、国有セクターの固定資産投資は1─4月に前年同期比23.7%も増えている。
政府はインフラプロジェクトへの民間投資を奨励してきたが、使えない資産を民間に押し付ける口実にすぎないとの指摘もある。
中国国家情報センターの首席エコノミスト、Zhu Baoliang氏は「(民間企業は)収益性の高いプロジェクトが見つからず、将来に自信を持てないでいる」と述べた。
以上、ロイター記事
>ブルーノ・チェン氏は「わが社は事業の拡大ではなく、縮小を計画している。景気拡大の実感がまったく得られない」と語る。
>14日に発表された4月の指標は、固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高の伸びがすべて予想を下回った。
>事実、国有セクターの固定資産投資は1─4月に前年同期比23.7%も増えている。
以上から、実際の景気はダウンしていて、民間投資できる状況にないが、公的には固定資産投資をやっていることは間違いないようだが、無駄に終わりそうです。
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