◇海外メジャー◇全米プロゴルフ選手権初日(10日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7600yd(パー71)
日本人史上初のメジャー制覇を狙う松山英樹は6バーディ、5ボギーの「70」で回り、1アンダーの15位タイで発進した。後半インで3連続ボギーを喫したものの、3連続バーディを奪う締めくくり。メジャー今季最終戦は首位に3打差で滑り出した。
最終9番で残した14mのバーディパット。「入らなくてもいい。パーで上がれればいい」と無欲で放った一打は、歓声を徐々に大きくしてカップに向かっていった。「自分が読んでいるラインとは逆の方向」と、進藤大典キャディの読みを信じて伝わせたスライスライン。カップに収まったのを見届けた松山は、思わず両手でガッツポーズを作った。
天気予報は外れ、上空は晴天に包まれた。午前7時45分のティオフに備え、早朝トレーニングを経て6時過ぎにはコースに入った。練習場での調子はいまひとつ。浮かない気分でスタートすると、出だし10番で15mのバーディパットが決まって「ちょっと目が覚めた」。続く11番では4mの下りを沈めて2連続バーディとして「完全に目が覚めました。寄せにいったのが入った」と最高のスタートを切った。
15番(パー5)では残り270ydの第2打で、つま先上がりのライから3Wで高弾道のスライスを放ち、ピンそば2mにつける圧巻のショットを披露して3つ目のバーディを決めた。
序盤は優勝の筆頭候補という評価そのままのプレー。勢いの持続を期待させたが、メジャーはやはり甘くない。火曜日までの雨を含んだ芝は乾き、朝露が消えたグリーンはより高速になって、いっそう繊細なタッチを求めてきた。3番から3連続ボギー。「(パットが)あまり調子が良くないので、いつか外すだろうと思っていたのが、途中で来てしまった」。スタート前、エースパターのピン型と悩んだ末に握ったのが、前週「WGCブリヂストン招待」で優勝したマレット型パター。4番、5番はいずれも60cm前後のパーパットを外した。
前半の“貯金”を使い果たすどころか、あっという間の通算2オーバー。しかし怪物は窮地でこそ強い。7番(パー5)、80cmのパットにしては丁寧にアドレスに入り、バーディを決めた。「(5番で)“お先”のパットを外したので慎重になった」と注意を払い、8番では4mのフックラインを読み切り、最終9番の3連続バーディフィニッシュにつなげた。
「前半の感じだったら、もう少し伸ばしたかったですけど、後半の感じなら、よく戻せたなと思う」。パーオンを逃したのはわずか4ホールと、内容は不満とはいえ相変わらずのショット精度の高さを誇った。ロングパットを2度決めても計31パットの数字の上下が、残り3日間の行方を左右しそうではある。
「WGCブリヂストン招待」で今季3勝目を挙げたのが、わずか4日前。珍しく開幕前日は練習ラウンドに出ず、体を休めることを優先させた。その“作戦”がラウンド終盤の踏ん張りにつながったようではあるが、松山の視線はその先に。「どうなんでしょうね。上位に行けば成功、下位に沈めば失敗じゃないですか」。すべての評価を下すのは日曜日だ。(ノースカロライナ州シャーロット/桂川洋一)
以上、GDOニュース
期待の松山は、-1、15位で無難なスタートになりました。
他の日本人選手もイーブンに小平、谷原、+1に池田がいます。