





さあ、そろそろしっぺ返しである。その前に話は昨年に遡る。昨年は記録的な少雪の年だった。積雪が全くない日が続き、スタッドレスタイヤが激しく摩耗した。この春もまた磨耗するのではないか。そんな不安から今年は早々に夏タイヤに交換した。会津遠征にあたり、山形と福島の県境の山道は夏タイヤでは若干の不安があった。そこで事前に天気予報やライブカメラを調べたところ、問題ないだろうと判断した。実際、往路は全く問題なかった。
ところが翌朝である。宿の部屋のカーテンを開けると・・・。降っている・・・。割とはっきり降っている。地面に落ちるのと同時に雪は溶けている。それでも長時間降るにつれ、停車している車のフロントガラスが白くなってきた(あまりの動揺に写真を撮ることも忘れた)。福島と山形の県境を走る国道121号線、通称「大峠道路」をライブカメラで見ると霙(みぞれ)状の雪が道路に散見する。まずい・・・・。これはまずい・・・。猪苗代経由で福島に出たらどうだろうか。宿のスタッフに相談すると、親切にライブカメラなどを参照してくれた。今のままであれば多分大丈夫だけど、この後は分からない。もう僕は頭っが真っ白。普段あれだけ夏タイヤで雪道を走る首都圏ナンバーのドライバーを揶揄しているのに・・・。この降雪問題が「しっぺ返し」の第一派である。午後は天気が回復しそうなので、そこまで様子を見ることにした。
そんなわけで辿り着いたのが、ここ旧・河東町(会津若松市)である。そそる町並みだった。芦ノ牧温泉を出て北上すると、降雪というより小雪が舞う程度の天候となり、時折陽も差すようになった。安堵したところに二つ目の試練が課される。寒い・・・。寒いのである。気温は氷点下1~2℃だった。それほどの気温でもないが、僕はジーンズに薄手の上着。そしてユニクロのパーカーという薄着だった。通常、車で旅する場合は上着を複数用意する。それが今回に限り、持参し忘れたのである。せめて喫茶店で暖を取ろうと思ったが、そんなものは無かった。結局、早々に撤退するしかない。
そもそも僕は秋田県から来たわけだし、雪にも雪道にも慣れている。気温だって多少の寒さなら耐えれる筈だ。ところがタイヤは夏タイヤ、服装は薄着とくればどうしようもない。春気分で浮かれてんじゃねーよ。会津の春はもう少し先だぜ。そう言われたのかもしれない。写真を撮りたい気持ちより、寒さを避けたい気持ちが勝った。何のオチもないけど、次回は旅の最終回となる。
X-T5 / XF23mm F2R WR