今朝も、海ほたる?が見れて、ラッキーな一日の始まりであった。
朝食を終えると、某氏からの着信があって、折り返し連絡すると、今から
ウミガメの解剖をするということで、現場へ急行した。
今シーズン最初のストランディング(死亡漂着)ということで、解剖の手順なんかを。
今シーズン初ということで、サービスでカラー画像でどうだ?
***********************************************
ウミガメ解剖手順
1.ウミガメが収まりそうな「穴」を掘っておきます(解剖後、埋葬します)。
2.ウミガメのサイズを測定します。外観の異常等も記録します。
今回は、甲長60cmほどの「亜成体」と言われるクラスでした。
また、尾の長さから「メス」と推定され、タグ(標識)も無しです。
口に「釣り針」と思われる金属が刺さっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/4f/34fc3f7d90c95f3165fd56c4f1ae5fdb.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/cf/dc0afd2fc73ea2ebc99e640d75ee4a56.jpg)
3.よく研いだ「牛刀」で後肢(後ろ足)の付け根あたりを刺します。
このとき、内部のガス(発酵=腐敗により生成)圧で血が吹き出すことがあるので、
避けましょう。避ける間もなく返り血を浴びることもあります=くっさくなります。
4.ガスが抜けたところで、腹甲に沿って、包丁を進めます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/a1/332b7ca88b6d00d7f52e74188af9587b.jpg)
5.ほぼ一周まわしたところで、包丁を止め、腹甲を開きます(一周して腹甲を外してもOK)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/d3/54e06f40d9782595fb1f262405b4b92a.jpg)
6.まず「腸」を引き出します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/c3/bfd16b8d9bd57b3bb25e5f6bed588077.jpg)
7.「腸」と「胃」=消化器官の内容物を調べます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/b5/ca0286f8da2be6b46dfbdef471d2c7a7.jpg)
今回は何も無かったですね。一応産卵期はエサを食べないと言われています。
8.その他、内蔵を確認します。メスであれば「卵」があるか?が気になるところです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/38/62affb9b37a829e14a00437e433b49b3.jpg)
これは「卵巣」だそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/84/bb4e20d94598f649068f05e49a91ba0f.jpg)
こちらは「肝臓」で、肝臓は比較的早く融けてしまうので、これが残っていれば
比較的「新鮮」と判断出来ます(死亡から漂着までの時間が短い)
腐敗の進行は水温とも関係します。
9.腹部の確認の後は「のど」を開き、「食道」の内容物、気管の状態を確認します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/0c/190ac0b1538eada9564a602e099cd81c.jpg)
内容物無し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/48/a73f58a50f587348551f32dd8b5d24f5.jpg)
こちらが気管。ゴムホースみたいな感じです。うっ血等があると窒息と判断されるそうですが、
時間が経っていると、なかなかよくわかりません。
10.普通は、以上で終わりですが、今回は「釣り針」があったので外してみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/a8/5142d5d074ce8bdf03f3af7c96977a81.jpg)
なかなか「がっちり」喰い込んでいるようでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/f6/61c1e4178f0cb51848b0dd97e1c7ade8.jpg)
こんなに大きくて、ぶっといヤツが刺さっていました。はえ縄の針と思われます。
11.最後に「穴」に埋葬します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/1a/2b46b8aa1be13a903adc206a8d606a69.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/8b/109adf35dce2258adea5cbced2c10018.jpg)
焼香も忘れずに
以上が「カメハメハ王国」の解剖手順となります・・・たぶん
このカメは、はえ縄の針に喰いつき、おそらく溺死したと思われます。
はえ縄回収時に、ハリス(釣り糸)を切られ、そのまま廃棄されたのでしょう。
海上を漂い、台風により流され相良に漂着、といったところでしょうか?
このあたりでは「はえ縄」をするとは聞かないので、もっと南の方でしょうか?
***********************************************
今回、初めてはえ縄の針と思われる釣り針にかかって死亡しているカメを見た。
これが、本当に死因なのか?はっきりしない部分は確かにあるが、おそらく死因だろう。
ウミガメは、どの種も絶滅が危惧されている。その主たる原因は「漁業での混獲」である。
サカナに食べられたり、鳥に襲われたり、仔ガメが轍で海に行けなかったり、という事実も
無いわけではないが、「種」を脅かすほどではない。
アメリカでは、漁業の混獲を防止するために漁船に監視員を乗船させたり、
混獲防止できる「漁具」を使用しないと漁業ができないらしい。
その点、日本は「無法地帯」といっていいかもしれない。
また、仔ガメの「放流会」などというものも開催されている地域があるが、
カメの生態に合っていない放流会は、カメを殺すだけである。
このような「間違った保護活動」も絶滅に追いやる原因である。
保護に関する指針というものが、無いわけではないが「拘束力」「強制力」があるわけでもなく、
今年もまた、多くのウミガメが無駄に命を落とすわけである。
合掌・・・ ・・・
五月晴れの朝に・・・あ、6月じゃん!
朝食を終えると、某氏からの着信があって、折り返し連絡すると、今から
ウミガメの解剖をするということで、現場へ急行した。
今シーズン最初のストランディング(死亡漂着)ということで、解剖の手順なんかを。
今シーズン初ということで、サービスでカラー画像でどうだ?
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ウミガメ解剖手順
1.ウミガメが収まりそうな「穴」を掘っておきます(解剖後、埋葬します)。
2.ウミガメのサイズを測定します。外観の異常等も記録します。
今回は、甲長60cmほどの「亜成体」と言われるクラスでした。
また、尾の長さから「メス」と推定され、タグ(標識)も無しです。
口に「釣り針」と思われる金属が刺さっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/4f/34fc3f7d90c95f3165fd56c4f1ae5fdb.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/cf/dc0afd2fc73ea2ebc99e640d75ee4a56.jpg)
3.よく研いだ「牛刀」で後肢(後ろ足)の付け根あたりを刺します。
このとき、内部のガス(発酵=腐敗により生成)圧で血が吹き出すことがあるので、
避けましょう。避ける間もなく返り血を浴びることもあります=くっさくなります。
4.ガスが抜けたところで、腹甲に沿って、包丁を進めます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/a1/332b7ca88b6d00d7f52e74188af9587b.jpg)
5.ほぼ一周まわしたところで、包丁を止め、腹甲を開きます(一周して腹甲を外してもOK)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/d3/54e06f40d9782595fb1f262405b4b92a.jpg)
6.まず「腸」を引き出します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/c3/bfd16b8d9bd57b3bb25e5f6bed588077.jpg)
7.「腸」と「胃」=消化器官の内容物を調べます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/b5/ca0286f8da2be6b46dfbdef471d2c7a7.jpg)
今回は何も無かったですね。一応産卵期はエサを食べないと言われています。
8.その他、内蔵を確認します。メスであれば「卵」があるか?が気になるところです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/38/62affb9b37a829e14a00437e433b49b3.jpg)
これは「卵巣」だそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/84/bb4e20d94598f649068f05e49a91ba0f.jpg)
こちらは「肝臓」で、肝臓は比較的早く融けてしまうので、これが残っていれば
比較的「新鮮」と判断出来ます(死亡から漂着までの時間が短い)
腐敗の進行は水温とも関係します。
9.腹部の確認の後は「のど」を開き、「食道」の内容物、気管の状態を確認します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/0c/190ac0b1538eada9564a602e099cd81c.jpg)
内容物無し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/48/a73f58a50f587348551f32dd8b5d24f5.jpg)
こちらが気管。ゴムホースみたいな感じです。うっ血等があると窒息と判断されるそうですが、
時間が経っていると、なかなかよくわかりません。
10.普通は、以上で終わりですが、今回は「釣り針」があったので外してみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/a8/5142d5d074ce8bdf03f3af7c96977a81.jpg)
なかなか「がっちり」喰い込んでいるようでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/f6/61c1e4178f0cb51848b0dd97e1c7ade8.jpg)
こんなに大きくて、ぶっといヤツが刺さっていました。はえ縄の針と思われます。
11.最後に「穴」に埋葬します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/1a/2b46b8aa1be13a903adc206a8d606a69.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/8b/109adf35dce2258adea5cbced2c10018.jpg)
焼香も忘れずに
以上が「カメハメハ王国」の解剖手順となります・・・たぶん
このカメは、はえ縄の針に喰いつき、おそらく溺死したと思われます。
はえ縄回収時に、ハリス(釣り糸)を切られ、そのまま廃棄されたのでしょう。
海上を漂い、台風により流され相良に漂着、といったところでしょうか?
このあたりでは「はえ縄」をするとは聞かないので、もっと南の方でしょうか?
***********************************************
今回、初めてはえ縄の針と思われる釣り針にかかって死亡しているカメを見た。
これが、本当に死因なのか?はっきりしない部分は確かにあるが、おそらく死因だろう。
ウミガメは、どの種も絶滅が危惧されている。その主たる原因は「漁業での混獲」である。
サカナに食べられたり、鳥に襲われたり、仔ガメが轍で海に行けなかったり、という事実も
無いわけではないが、「種」を脅かすほどではない。
アメリカでは、漁業の混獲を防止するために漁船に監視員を乗船させたり、
混獲防止できる「漁具」を使用しないと漁業ができないらしい。
その点、日本は「無法地帯」といっていいかもしれない。
また、仔ガメの「放流会」などというものも開催されている地域があるが、
カメの生態に合っていない放流会は、カメを殺すだけである。
このような「間違った保護活動」も絶滅に追いやる原因である。
保護に関する指針というものが、無いわけではないが「拘束力」「強制力」があるわけでもなく、
今年もまた、多くのウミガメが無駄に命を落とすわけである。
合掌・・・ ・・・
五月晴れの朝に・・・あ、6月じゃん!
うわぁ~
初めてみました。
貴重な画像を…
子ニャンコにみせたら
かわいそうダ…って
うるうるしてました。
海亀のお母さんは
卵産む時痛いのに
我慢して泣きながら
産むのに…って…
行く末は東海大の水産学部?
スイマセン
親バカです(;^_^A
しかし
想像してみると
ご飯の魚に食い付いて
自分が釣られ…溺死?
嫌だぁ 苦しい(><)
ネコも子ニャンコと合掌
隣接して、博物館、水族館あり。
ウミガメ研究としては、東京海洋大学のウミガメ研究会、三重大学の「カメっぷり」(だったかな?ウミガメとスナメリの愛好会?)なんかがあったような気がする。
ちなみにウミガメは・・・カラダの塩分を出すために涙を流しているので、水中でも泣きっぱなし・・・