54のパラレルワールド

Photon's parallel world~光子の世界はパラレルだ。

「トーテムのっぽ鯨井先生」

2006年01月30日 | クリエイティブな思考への挑戦
私が中学生の美術の先生は「トーテムのっぽ鯨井先生」だった。ジャスト2mという長身は私のようなチビには大きな脅威を与えていた。

最初の授業のとき、背中を折って教室に入ってきたのが印象的だった。ドアより高い人間がいるなんて!黒板の前の蛍光灯に頭が当たりそうなくらいの長身に、クラスの人気者浜田が「トーテムのっぽだ!」と言ったのがきっかけだった。
一番前の席にいた私はトーテムのっぽ鯨井先生を見上げるのに首が痛かった。そして礼のとき。「起立っ、きょうつけぇ、礼!」でトーテムのっぽ鯨井先生の頭が私の頭の上にガーンってなった。目から陽が出たし、足が若干床にめり込んだみたいだった。トーテムのっぽ鯨井先生を見上げてて礼が遅れたのだ。
それ以来私は誰よりも早く礼をするようになった。「きょうつけぇ」の「ぇ~」が終わるか終わらないかぐらいには頭を下げていた。それで一回、私が礼から頭を上げたときにトーテムのっぽ鯨井先生の振り下ろされた礼に思いっきりぶつかったことがあって、そのときトーテムのっぽ鯨井先生があごを押さえてあえいでいるのを見て、仕返ししてやったぜと思った。でもそれ以来私は誰よりも長く礼をするようになった。

中学校で有名だった、私が誰よりも早くそして誰よりも長く礼をするというのはそれが原因だったのだ。。

「さわやか少年先生」