四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子・新イカ大きくなってきました。生すじこ粒がまだ小さいですが入ってきました。イクラは生しか扱いません。秋と冬だけです。

8月10日(土)

2024-08-10 16:46:38 | 8/1~8/31


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


神宮球場の花火
以前撮影した仕込み動画をアップしていきます。明日は新イカをネタ皿に並べているところです。
* * * * *
神宮の花火  「おかみノート7」より

六月が始まったばかりなのに八月上旬の予約が入った。
「窓側三つな、まだ席大丈夫だろ?よろしくな」
この店の窓からは神宮球場の花火が見えるはずだと言う。問い合わせ主は主人の友人のお父さんだった。
いつも来てくださるお客様にさっそく言いたくなったが、まだ店をはじめたばかりなので実際にどう見えるのかわからない。
うかつに広めて皆さんのご迷惑になってはいけないと特別なアピールはしないまま当日を迎えた。

これがじつによく見えた。
味を占めた私たちは次の年、花火がいかによく見えるかを宣伝しまくった。すると早い段階でたくさんのご予約をいただくことができ、花火大会の数日前には札留めとなった。
「ちょっと、いいんじゃない、いいんじゃない?たのしみだなぁ~!」
そう言いながらふと窓の外を見ると道路の向こう側に小さいクレーンが見えた。
「なんかさぁ、あのプレハブの横にクレーンみたいなのがあるんだけど、工事か何かかな?」
主人も厨房から出てきて窓の外を覗く。
「さぁ。・・ひょっとしてあの二階建て、壊すんじゃねぇのか?その方がもっと花火見やすくなるぞ、ラッキーじゃん」
翌日のお昼頃「おはようございまーす」と店に入っていくと仕込みをしていた主人がすぐに言った。
「ショックでーす、窓の外、見てくださーい」
「・・・?」
小上がりに荷物を置き、窓の前まで行くと“創業○○年スーパー○○品質第一”という大きな看板がドドーンとプレハブの上に備え付けられているのが見えた。
「あ・・」
「昨日の夜中にやったんだな、あのクレーン」
「方向が・・・もろかぶってるんじゃない」
「あと二日だよ?せめて花火終わってからにしてくれよって、なぁ、そう思わねぇ!?」

「え、看板?」
「はい・・」
窓の外を見るお客様の後ろ姿を見ていた。
「あーあ・・・はいはい、あれね。あの大きさならまず大丈夫でしょう、見えるよ、うん」
「そうですか・・」
「だーいじょうぶ、だいじょうぶ全然問題ないって!」
花火の開始時刻をめがけて続々といらっしゃる皆さんおひとりおひとりにご説明して謝った。

ガラスにずしんと響く数発が揚がった。
「おっ、きたね、きたきた!」
ビールグラスを置き、カウンターから身を乗り出して窓を覗き込む男性のお客様。
おとなりの方もそのおとなりの方も窓に目をやった。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
なおも音が派手に続いている。
どうなのか。洗い物の手を止め乗り出して窓を覗いた。
見えやしなかった。
「あれ、やっぱり看板もろかぶっちゃってんのかな~?いやぁ、まいったなぁ。どうもすいませんっ!!」
主人がおどけたように言いお客様は少し笑ってくださった。
主人も私も申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらでも塞ぎこんでいるような態度でも失礼なので努めて明るく何事もなかったかのように振る舞っていた。
「音だよね、やっぱり花火は。音、音!見えなくても大丈夫!!」
「そう!かえって寿司に集中できていいよ、この穴子、あーうまい!」
「もう花火はいいよ!おしまいっ。賑やかに行きましょーう」
皆さんのお言葉が有難かった。
しばらくしてラストの一斉に打ち揚がる最大の山場が始まった。
「あっ、ほらカメちゃん、大きいのが揚がった時は端っこがちょっとだけ見えるよ!早く早く、ほらっ」
「えっ?あ、はいっ!!」
エプロンで手を拭きながら走っていき窓に張り付いた。
ほんとだ。すこしだけオレンジや緑の部分が見える。
直に花火の音が聞きたい。見るのが無理ならせめて直接音をお聞かせしたいと思った。
「冷房してますけど開けますねー!・・うわっ、音がやっぱり直接だとお腹に響きますねー!」
ベランダに身を乗り出した。風に火薬の匂いが混じっていた。
「わぁっ、火薬の匂い!けっこう遠いのにこんなところまで火薬の匂いがしますよぉー」
はしゃいで言うと
「火薬ぅ?こっちは穴子のいい匂いしかしないよー」
カウンターのお客様が仰った。
店内に目を凝らすと、まな板の上には握られて湯気を出している穴子が二カン、おろし金で擦った柚子を竹の刷毛で振られているところだった。
奥の焼き網には金箸で剥がしきれなかった穴子が自らの脂で揚がったようになり、余熱でちりちりと煙をあげていた。
「ナマ、リャンねー!!」
主人の声が飛ぶ。
「あ、はーい」
私は答える。
もう一度ベランダに乗り出し火薬の匂いを吸った。
窓を閉め
駆け足で穴子の匂いの場所に戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1dayアーカイブ2023年~2001年8月10日のおしながき[2023年][2022年][2021年]

[2020年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 寿司屋の七十二候
[大暑・第三十五候・土潤溽暑つちうるおうてむしあつし ]7/27~8/1
[大暑・第三十六候・ 大雨時行たいうときどきにふる]8/2~8/6
[立秋・第三十七候・涼風至すずかぜいたる ]8/7~8/11

・千葉 大原 女貝 アワビ 今、豊洲
・兵庫 淡路島 赤ウニ 今、店
・北海道紋別 究極の蜆 再入荷 今、店
・新潟佐渡 本アラ 今、店

・熊本 津奈木 新イカ 初入荷 今、豊洲
・北海道羅臼 ます子 初入荷 今、豊洲
[2019年]
[2018年]
[2017年][2016年][2015年]新秋刀魚のお刺身、当店は八月までしか置きません。新子、新いか、少しずつ大きくなってきました。生いくら、出始めました。[2014年]

001
002001[2013年]千葉勝山・活じめアジ、鹿児島出水・新いか、北海道野付・生いくら、北海道根室・棒受け漁新秋刀魚、三重・活じめ目一鯛、江戸前富津・コバシラ、北海道余市・塩水ムラサキうに、石川七尾・むき蝦蛄、北海道しままき・甘えび、新規入荷です。

 

 

 

001_2[2012年]

鰹、昨日は腹でしたが今日は背です。

 

003[2011年]

新いか、スタートしたばかりです。先日のものとほぼ同じ大きさです。

 

 

 

006

 

 

 

 002[2010年] 今日はめずらしく

005

 

生のトリ貝が入りました。

 

003

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の春はトリ貝があまり出回りませんでした。この時期、香川からいいものがポツポツ入るのだそうです。

秋刀魚は棒受け漁の上質なものが入りました。

 

Photo_2

 

 

 

 

 

003

 

 

 

[2009年]

お盆前後くらいからイクラが出始めます。皮が軟らかく食べていて口に残らない写真のようなものは、沖獲りの良質なものです。

 

ピンポン玉のように皮が硬く、噛んでもスルスルと口の中で逃げ回ってしまうようなイクラもあります。それは産卵準備に入ったものです。鮭が川に近づき淡水を含むとその真水がスイッチとなって皮を厚くするのだそうです。

海、それも川から遠い沖の方で獲れるものをお出ししています。

当店では出汁醤油漬けにしています。

002 Photo_2

 

[2008年]静岡・君盃(くんぱい)、長野・豊賀(とよか)、栃木・姿(すがた)と、現在冷酒が定番のほかに三種あります。

 

 

 023_2

 

013

 

026

 

027

 

066