ケルベロスの基地

三本脚で立つ~思考の経路

BABYMETAL探究(「天職」考)

2015-06-14 09:23:45 | babymetal
DOWNLOADフェスに、BABY DRAGON METAL FORCE 降臨!
それも、演奏したのが「ギミ・チョコ」で、かつ、MOAのマイク・トラブルまであった、という、らしいおまけつきの、まさに青天の霹靂と言うしかない、濃厚な衝撃だった。

いやあ、みなさん、にんまりしながら週末を過ごしているでしょうね。
多くの方の書き込みにもあるように、つくづく「ファンでよかった!」という
幸せな気持ちを与えてくれる、BABYMETALの至高性を感じた日になった。
昨日も仕事だったのだが、なかなか仕事モードに入れなかった。
だけれど、3姫も頑張ったんだから僕も、と思い、自分なりに真剣に仕事に没入してきた。
で、調子に乗って、連日の書き込みをする。

この降臨をめぐる一連の出来事でとりわけ印象的だったのが、
紹介されて登場し、位置につくまでのSU-METALの笑顔だった。
(ステージ上で、MOAMETALの方がSU-METALよりも深刻な顔を見せている、なんて絵は、はじめて見た気がする。)

通常のフェスや単独公演とは異なる、飛び入り・サプライズだということ、そして、このサプライズに対する観客の反応、それらが楽しみで楽しみでならない、という笑顔だったように見えた。
その笑顔を、こちらも胸をほんわかしながら見ているうちに、ふと頭に浮かんだのが、「天職」という言葉だった。

ああ、中元すず香は、SU-METALという天職を得たのだな。と、つくづく感じたのだ。

天職とは何か?

広辞苑をひくと、「天職」とは、
天から命ぜられた職 であり、
それを細分化した
㋐ 天子が国家を統治する職務
㋑ 神聖な職務
㋒ その人の天性に最も合った職業

の3つの意味があげられている。

これって、まさに、SU-METALの行なっていることじゃないか、と思ったのである。

そういう意味で改めて面白いのが、BABYMETALは、紙芝居やインタビューにおいて、そうした「天職」の構造、つまり、自分たちで望んでそうなったのではなく、メタルを司る神様、キツネ様から選ばれ、そのお告げを実行している、ということを前面に押し出していることだ。

それは、プロデューサーによって造られたギミック、というヘイターが真っ先に非難するだろう「負の側面」を、「設定」というネタとして昇華した開き直りの戦略、なのだろうが、しかし、事ここにいたってみると、こうした「天職」というかたちで、中元すず香、水野由結、菊地最愛、というヘヴィ・メタルにも縁もゆかりもなかったはずの天才少女3人を、ヘヴィメタル界にSU-METAL・YUIMETAL・MOAMETALとして降臨させた、ということは、ギミックとして批判すべきことでは全くなく、むしろ、感謝をもって讃えるべき奇跡的英断だった、と言わざるをえない、そんな事態になってしまっている。

それは、とりもなおさず、「天職」を実行する彼女たちの歌や舞踊が、(ヘヴィメタルとして)とんでもなく素晴らしい実力を持ちそれを発揮すべき場できちんと発揮してきた、ということだ。
そうでなければ、彼女たちのパフォーマンスは、ギミックという批判に潰されたはずだ。
それが試された修羅場は、数多くあった。
それを、彼女たちは、その歌と舞踊の魅力で潜り抜けてきた。疑念を雲散霧消させてきた。

いや、むしろ、
「天職」を実行することによって、3姫の歌や舞踊は、想像の及ばない次元にまで魅力を高めている、というべきだろう。
「天職」の意味のうちの、㋒ その人の天性に最も合った職業とは、おそらく、その前提である「天から命ぜられた職」㋑ 神聖な職務 を実行することにおいて、その実行能力が高められとんでもない結果を出すことができた、そこから事後的に㋒だと認識できるはずのものだろうからだ。

(以前にも「世をしのぶ仮の姿」考で少し考えたことだが)中元すず香のもっているポテンシャルを、最大に発揮できる場、それが、BABYMETALというヘヴィメタル・ユニットでの、ヴォーカル&ダンス、SU-METALという姿、であることは間違いないという確信が僕にはある(もちろん、偏見だが、僕にとっての真実である)。

例えば、「紅月」。
この楽曲を(舞いつつ)歌い続ける数年間において、SU-METALはその実力(歌、振り、表情、世界観を表出する仕方、バンドとの呼吸、等)を高め続けていることは間違いない。
ネットの動画の書き込みには、神バンドを従えてヘヴィメタルの楽曲を熱唱するSU-METALの姿に、かつては「すぅちゃんの喉を潰さないで」というような心配を表わすものが見えたが、今や「化け物」扱いである(笑)。でも、そう思わせる確かな(とんでもない速度での)レベルアップがあったのだ。

結果論?そうかもしれないが、ともかく(結果として)BABYMETALのSU-METALという「天職」を実現し続けることで、中元すず香はとんでもない高みに引きあげられてゆき続けている。

これは、彼女が「天命」を受ける前から望んでいたことではなかったはずだ。
例えば、ふつうの国内アイドル、アニソンの歌い手、シンガーソングライター。
「歌」を志す少女が何となく思い描くであろうそうした「夢」の姿には、
ワールドツアーで世界をかけめぐったり、
ヘヴィメタルのフェスでメタルヘッズたちを煽り・歓喜させたり、
世界中で名の知られたスピード・メタル・バンドのステージに飛び入り出演したり、
といった、いまのSU-METALが実現している姿はあるまい(あるはずがない)。

㋑ 神聖な職務
その鍵は、ヘヴィメタル、という、強い同胞意識をもった集団の、ほどよい狭さなのだろう。
これが、音楽界、となると、何とも曖昧模糊として、取りつく島もない。
メタルを司る神さま、という、ほどよいサイズの神が与えた、ということが、BABYMETALの歌や舞踊を、㋑ 神聖な職務すなわち「天職」たらしめている、のだろう。

㋐ 天子が国家を統治する職務
とは、現状のヘヴィメタル界のBABYMETALの立場(デビューしたばかり)からすれば、僭越な言い方だ。一人のファンの妄想、でしかない。
ただ、SU-METALの、BABY DRAGON METAL FORCEとしての登場時の笑顔には、王女の悪戯っ子の笑み、といった雰囲気を感じさせるものがあった。

英語を話しはじめた(これも「天職」がもたらしたレベルアップの一つだ)最近のSU-METALの姿も、王女としての覚醒、といった気品や風格の兆しを感じさせる。

父兄、などではなく、僕(しもべ)として、姫にお仕えする。
ファンの多くはもはやそんな気になっているのではないか。
それに値する姿を、立て続けにSU-METALは見せてくれている。

さあ、BABY DRAGON METAL FORCE(龍にまたがって天を翔ける、王女、姫たち)の、Road of Resistance をわくわくしながら待とう。









2 コメント

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Unknown (JIJI-METAL)
2015-06-23 17:34:28
コメント連続投下申し訳ない、出張先からの帰りの新幹線の中で読んでいたらついつい・・・
ロブのメタルゴッドは80年BritishSteelのMetal Godsという曲からたまたまNWOBHMと重なったことも有りファンが呼ぶようになった。
SUの世を忍ぶ仮の姿は、さくら卒業後2013年はしばらくSU一人でインタビューやラジオ出演とかもしていて今、BABYMETAL以外には?ってよく聞かれ、世を忍ぶ仮の姿で世直しパトロールをしているといつも答えてた。IDZ発売時に世直しメタルソングと銘打ってタワレコで社長が警察署長に扮した世直しイベントがあったため。
以降デロリアン同様、もう関係ないのに世を忍ぶ仮の姿という呼称がメイトの間で使われているに過ぎない。
天職で思ったんだが、BABYMETALは中元すず香のためにKOBAMETALが可憐Girl'sとメタルをという構想でスタートしたようだが、SUに誰も釣合わなくて、じゃSUの周りを天使が舞い踊るというコンセプトにしようとなったそう。
KOBAの頭の中に新しいメタルをダンスを導入することで生み出そうと考えたかどうかはわからない、ただメタルダンスユニットというネーミングと可憐Girl'sが3人のダンスを主体のグループだから必然的にそうなった。ではこれがメタルの突然変異として新しいジャンルを生み出そうとして企画したのか、それともただアイドルすず香にメタルを歌わせたいために企画したらたまたまダンスが付いて来たのか、どう思われますか。
結構みんなで論じて楽しんでいます。KOBAもMIKIKOもこのことはもう詳しく語らないし。
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観客ぐるみ、の、ビジョン? (ケルベロスの基地)
2015-06-23 20:10:35
ここ数回の(MIKIKOMETALのインタビューが契機)ブログで、「観客をノセる」というイメージが、BABYMETALの根底にあったのだ、ということを、ありありとイメージしています。

SU-METALの歌、舞い踊るYUI・MOA、だけでなく、その周りで拳を振り上げノリまくる黒Tシャツのいかついメタルヘッズの群れ。

ある瞬間に、そこまでの絵(予言的なイメージ)がKOBAMETALの脳裡に浮かんだのでは、と愚考します。「キツネ様のお告げ」の初原型には、ステージだけではなく、会場全体のそんな熱狂の絵図、がビジョンとしてあったのではないでしょうか。

一昨日のライヴに初参戦した今、そんなふうに思っています。ほんとうに、ライヴに行ってよかったです。リアルにBABYMETALを考える入口は潜れたのかな、という気持ちです。

コメント、たいへん有り難く、とても参考になります。
これからも、お付き合い、よろしくお願いします。
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