社会福祉法人さざなみ福祉会

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西日本新聞報道

2014-05-21 07:13:36 | Weblog

「てんかんの偏見助長」医師や患者団体反発 運転厳罰化の新法施行

2014年05月20日(最終更新 2014年05月21日 00時03分)
 

 酒や薬物、病気などの影響で起こした事故を厳罰化した新設の「自動車運転死傷行為処罰法」が、20日施行された。てんかんなど特定の疾患の影響も対象となったことで、九州の患者団体や医療関係者からは「偏見を助長する」と反発の声が上がっている。

 てんかん患者が起こした事故では、栃木県鹿沼市で2011年4月、クレーン車の運転手が発作を起こし小学生の列に突っ込み6人が死亡した。ただ、てんかんの発作は適切に薬を服用すればコントロールできるという。この運転手は持病を申告せずに運転免許を更新し、事故前も発作を抑える薬を飲んでいなかった。

 日本てんかん協会の岡本朗(あきら)理事(56)=福岡市早良区=は「てんかん患者に運転させるのは危ないという風潮がより強まるのでは」と懸念する。実際にてんかんを申告して免許を得ているのに、運転が必要な業務から外され退職を余儀なくされた人もいるという。

 「特定の疾患を処罰の対象にする法律は世界でもまれ。患者の尊厳を深く傷つけるものだ」。久留米大学客員准教授でてんかん専門医の石田重信氏(55)=大分市=は新法を強く批判する。患者が交通事故を起こす確率は一般の人と変わらないとした上で、「偏見が助長され、てんかんの患者が受診をためらう恐れもある」と治療への悪影響も指摘した。

=2014/05/21付 西日本新聞朝刊=