2012年7月9日号(2582号) 福祉新聞 |
精神病床を3分化 厚労省 報告書 福祉新聞
人員配置基準も改定
厚生労働省の「精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会」(座長= 武藤正樹・国際医療福祉総合研究所長)は6月28日、 精神病床を「3カ月未満」 「3カ月~1年未満」「重度・慢性」に分け、医師や看護師などの配置基準を改めるよう求める報告書まとめた。
精神病床をめぐっては、1年間に入院する約38万人の患者の90%が1年未満(3カ月未満は60%)で退院する一方、-年以上の長 期入院患者が約20万人(入院患者の65%)おり、ほぼ 毎年変わることなく推移している現状にある。また、 一般病床より人員配置基準 が低く(医師は3分の1、看護師は4分の3)設定されている。報告書はこうした現状を改め、早期退院を前提とした身近で利用しやすい精神科医療にするために、患者の状態像や特性に応じて精 神病床を機能分化すること を提案。①3カ月未満精神症状が活発で入院治療が 必要な患者②3カ月~1年 未満=急性期の症状はある 程度改善しているが、リハ ビリテーションや退院後の生活環境調整などに時間を要する患者③重度・慢性 地域で生活することが非常に困難な状態で長期入院治療が必要な患者に分けて支援策を講じることを要請した。 3カ月未満については、 医師・看護職員の配置を一 般病床と同等にし、退院支援にかかわる精神保健福祉 士(PSW)や作業療法士 (OT)などを配置するよう求めた。3カ月~1年未満については、医師は現在の配置のままで、看護職員は3対1の配置を基本としつつ、そのうち一定割合はPSWやOTの配置を可能にするように求めた