社会福祉法人さざなみ福祉会

てんかんや精神障害者の人の作業所などを運営しています

放送のご案内

2007-11-27 14:10:38 | Weblog
☆「いま、障害者はどう社会と関わるのか」(仮題) ←生放送!!
  NHK教育TV きらっといきる ETVワイド
  http://www.nhk.or.jp/heart-net/wide/
 >*12月1日(土)夜7時~10時 教育テレビ・全国放送)

高橋洋子さんのお兄さん

2007-11-18 09:44:29 | Weblog
ともかがみ きょうされんTOMO 10 2007より
誤植があれば引用者の変換ミスです


高橋洋子(たかはし・ようこ)歌手 199 1年にソロデビュー、日本レコード大賞新人賞ほか多数の新人を受賞されました。アニメ『 新世紀エヴァンゲリオン』 主題歌などのヒットて有名。第30 回全国大会in とうきょうてもご協力いただいています。


私には愛の手帳を持たない軽い障害を持つ兄がいる。兄は超未熟児で生まれ、体が弱い幼少期を過ごした。重い腎臓病を長く患い、入退院を繰り返し、いまだに薬が手放せない。小学校からは普通校にギリギリ何とか進んだが、四人兄弟だった事もあり、本人も家族も大変だった。
兄は音楽が好きで、中学では)フラスバンド部に入り初めて生き甲斐を見っけ、本人の口から唯一でた「音楽を続けたい」の発言も、父の一言であまりにもあっさりかき消された。その頃から兄と父には見えない線が引かれはじめた。あの頃は子どもであるという、未来に希望を抱ける余裕があったが、今は違う。体も見 た目も話をしても普通に見え、対応もそれなりにこなすので、深く付き合ったり、話をしなければ何の問題もない。両親は昔、兄の進学に悩み、主治医の「頭は正常です」の言葉を信じ、一般的な学生として生活させた。修学旅行や遠足は行った事がない。学校が変わる度にいじめにあった。高校卒業後はパートとして働いた。癲癇で倒れる度に転職をし、「病気のせいだ、どうせまたダメだよ」が口癖になった。兄は今45歳、仕事はほとんどなく、家にいる事も増えた。何処に勤めても理解度の低さと学習能力の低さからクビになるが兄は病気
のせいだと思っている。父は働かない兄を責め、母は「自分のせいだ」と泣くばかり。改善したいと考えた末の答えは、兄に対し年齢相応な言動を求め過ぎたのではないかと言う事。兄より両親が普通と呼ばれる枠の中に入ろうと必死になりすぎて、兄の歩くペースやあるがままを無視し過ぎたのではないかと… 。先月、父と話す機会があり、今までの事やこれからの事を相談してみた。今ゆっくりと家族で「お兄ちゃんの言葉をちゃんと聞こう」と努力している。開いてしまった溝と、大切な学びを、家族でどう向き合えるかがテーマになった。兄は私の活動を誇りに思ってくれている。どんな時も一番に応援してくれた。幼い頃は、兄のまねをしてピアノを始め、兄の後をついてまわり、いつの間にか世渡り上手になった気がする。今度は私が返す番。
12 月21日の東京大会も兄は見に行くと楽しみにしてくれている。音楽は解りやすく差別や国境を超えて行く。兄の存在こそが実は私の背中を押してくれる大きな力だったと今はしみじみ感じている。