でぶぶろぐ

沖縄生まれ、小田原在住。
人生1/2世紀越え、
でぶな私のゆるゆるな日々。

着火点に達する前に

2018-10-08 01:42:37 | 演劇

久しぶりに演劇を観てきました。

このブログでも今までにいくつか演劇の感想を書いていますが、
最初のころは主役に惹かれがちだった私、
最近は存在感のある脇役に惹かれます。

今回のお気に入りは吹越満さん。
パンフの写真が色っぽすぎる!

「海をゆく者」を観たときにも思ったのですが、
バイプレイヤーの皆さんは、写真に写るのがうまい!
なぜに動かない画像が、ここまで饒舌なのか。
パンフを眺めてうっとりしています


さて、頭を冷やして作品に戻りましょう。

「華氏451度」-この温度で書物は燃える-
書物の所持が禁じられた近未来で
発見された本を燃やす「ファイアマン」として働く主人公が、
ある出会いから価値観を揺さぶられていく物語。

本を読むことを禁じられ、液晶パネルやスマホ(のようなもの)から
流れる情報だけを得て生きる登場人物たちは、
深く思索せず、楽しい時間だけを求めながら、
一方では薬なしでは眠ることもできないほどに病んでいる。
そんな暮らしに疑問を覚え、流れに逆らい、追われていく主人公。

レイ・ブラッドベリが原作を発表したのは1953年。
65年も前にこのイメージを描いた想像力に驚きます。

舞台を見ながらずっと
「本を読む」ことと「ネットから情報を得る」ことの違いについて考えていました。
「本を読む」ときは、本が語りかけてくることばを、
自分のスピードで受け止め、自分で消化して、
ときには本を閉じればそれ以上つながらなくてもいい。
「ネットから情報」は、まずとにかく分量が多すぎて、
上書きが早すぎて、ひとまず飲み込むしかない。
シャットダウンすることはちょっと難しい。

こんな風に書くと、ネット社会は悪い、というイメージになってしまうけど、
ネットが間口の広い価値観を創ったのは間違いないし、
数年前には知りえなかった情報が手元のちいさなスマホで手に入る
この時代はやっぱり素晴らしいし、楽しい。

なんというか、ネットでつながる暮らしは、
海の浅瀬で泳いでいるような感じがするのです。
ただ、時々潜っていける自分だけの深い海底を持っていると、
ちょっとだけ安心できるかもしれない。

舞台を観ている間もそのあとも、
さまざまに考えが広がり、つながり、
いま私は、ちょっと深みに潜っているところ。


追いかけてア・ラ・カルト

2016-12-18 01:32:42 | 演劇

あっ、今月はまだブログ書いてなかった。

 

気がつけば12月なかば過ぎ。

年末ですよ。

毎年「うわ、もうこんな時期かっ!」とびっくりしますが

今年はことさらに無自覚だったような。なぜだ。

 

さて、12月といえば

年末でクリスマスで

私にとってはなんといっても

これを見ないと年が越せません。

 

今年も、オープニングからエンディングまで

客席にいて、ずっと笑顔でいられる舞台。

 

ひとつひとつのストーリーは

リピーターたちにとってはおなじみ。

でも、考えてみれば

状況がめまぐるしく変わる中で

「おなじみ」の安定したものを創るって、凄いことだなぁ。

 

そして今回のゲストの近藤良平さんのダンス!

踊りだした瞬間に、近藤さんが違う生き物に見えます。

ひとの身体は、こんなにも「語る」ものなのか!

 

舞台を観ながら、なんとなしに1年を振り返り

毎年、会場を後にするときに

「今年も見れたな」としみじみ。

ああ、年末ですねえ。

 

 

 


わかりあえないことを、わかりあうこと

2016-04-17 01:23:41 | 演劇

久しぶりに KOKAMI@network を観劇。

移住してきた宇宙人と、
それを受け入れられず排除しようとする地球人。
ネット上に乱れ飛ぶ情報に翻弄される人々。

ひとは、なぜ差別せずにはいられないのか。
だれかを自分よりも見下すことでしか、
自分を保ち、守ることはできないのか。

ネットという環境のおかげで、異なる価値観、
異なる生き方を知る機会が増えた。
それはとりもなおさず「わかりあえない」人たちとの
出会いを増やすことになり
新たな差別を生むことになった。

「わかりあえないんだ」ということをわかりあうほうが
わかりあえないことを憎み合うより
はるかにましなんじゃないか、と
鴻上さんの「ごあいさつ」は締めくくられていた。

ところで、上演前に読んだ「ごあいさつ」にあった

「電車で狭い隙間に割り込んでくるときに
周りの人を人間扱いしない人たち」を見て
「この人は、職場や学校で人間扱いされていないんだ」と思うという
フレーズに心が痛みました。

そうだ、自分がされているから、
自分以外の人にしてしまうんだ。

自分が「痛い」と思ったことは、
他の人も「痛い」と思うはず。

でも、何度も何度も傷つけられると
もう心の痛みがかさぶたのように積み重なって
「自分がやられているから、自分もやっていいんだ」
そんな風になってしまうのか。

できるだけ自分は、傷ついても傷ついても
痛いときに「痛い」と思う感覚を失いたくないと
思い続けているけれど、
他の人も「痛い」んだ、というところまで
想像できているんだろうか。

いろんな思いに気づかされる舞台でした。


 

 


春を過ぎても啼く鶯(ネタバレあり)

2016-03-13 10:02:08 | 演劇

久々の劇団☆新感線。
ブログを見てみたら、2年ぶりでした。

新橋演舞場にいたっては5年ぶり!

花道横の席を取れてしまった!ラッキーすぎて怖い!

都合により会場に着いたのが開演2分前という超ギリギリ。
11:10に東京駅について、長蛇のタクシー待ち列を乗り越え
7分で新橋演舞場に到着。綱渡りだ。
ジューダス・プリーストから聞けたよ!

いのうえ歌舞伎《黒》BLACK「乱鶯」(みだれうぐいす)。

古田新太演じる元盗賊が、命の恩人(の息子)への恩返しのため
盗賊の「引き込み」を引き受けるが・・・というのがテーマ。

他の方のレビューにありましたが、
確かに池波正太郎作品のようなストーリーですね。
大東俊介の不器用極まりない、生一本な若さや
橋本じゅんのワルい盗賊も、なにやら鬼平を思わせる。

典型的な新感線作品と違って、
リアルな江戸時代が舞台なので、説明台詞が少なく、
会話がポンポンとリズミカルに進みます。

「阿修羅城」のころのように、
グイグイと引き込むような強さはないけれど、
時間の長さは全然感じさせない。

「殺陣が地味だ」という感想もあるけど、
このストーリーにはちょうどいいような気がします。
華々しいチャンバラシーンがないからこそ、
人々の暮らしのなかで起こることを描いている作品に
仕上がったのかなと。

古田新太が地味に感じたのも、
かつての作品では「花形」的な役割だったのが
今回は「座長」的な役割で、
全体をまとめ上げる立ち位置だからなのでしょう。

さて、観ている私自身のほうも、
最近は主役よりも悪役に惹かれることが多い。
大谷さんがもうカッコいいったら。

ラストシーン、古田新太演じる十三郎のもとに
ひとり向かう大谷さん演じる黒部源四郎。
ふたりが向かい合う中、江戸の花火が咲き乱れ。

いままでの新感線で、一番好きなラストシーンでした。

終わった後にテンションが上がるというよりも
じんわりと「面白かったねえ」という後味。

ストーリーや殺陣、セリフ回しなどなど、
時を経て、新感線は「いま」こんな舞台を創るようになった、
ということなのでしょう。

乱鶯とは、夏になっても啼く、
華の時期を過ぎても歌う鶯。

そのタイトルに、いまの新感線の姿が重なると思うのは
ちょっと考え過ぎかな。


追伸 新橋演舞場の「乱鶯」弁当。美味し。

 

 

 


ア・ラ・カルト in Yokohama!

2015-12-23 01:44:19 | 演劇

まさか、また観ることができるとは!

我が家の定番中の定番舞台「ア・ラ・カルト」。
青山円形劇場の閉館でその幕を下ろしたこの舞台が、
横浜赤レンガの「モーション・ブルー」で
ライブショーになって帰ってきました。

今回はライブレストランということで、

なんと、

客席で舞台と同じお料理とお酒が頂けてしまう!

素晴らしすぎる!

鮮やかなカクテルで気持ち良くなったころ、
今年も、あの舞台が始まりました。

客席にいる私たちはいつものように笑い転げ
音楽に酔いしれ
そしてときにはしんみり。
1年のうち、ほんの3時間。
この時間を過ごせることのなんと幸せなことよ。

今回のゲスト、山田晃士さんの歌声のすごいこと!
「ポップでキッチュなガレージシャンソン歌手」。
この突き抜けたキャラクターが、なぜかしっくりしてしまうのも
ア・ラ・カルトの懐の深さか、
いやいや、そもそもア・ラ・カルトが突き抜けた芝居なんでしょう。

上演の2か月前に
前回までのレギュラーだった本多愛也さんが亡くなられました。

観ていると、どこかからふっと愛也さんが出てくるような。
山田晃士さんの表情がなぜか愛也さんに見えたり。
そんな思いも抱きながらの今年の舞台でした。

外に出ると、夜のヨコハマ。クリスマスですねえ。

来年も、ア・ラ・カルトに会えますように。

どこで演っても、追いかけるよ!




 


「ア・ラ・カルト」をもう一度

2014-12-21 02:01:42 | 演劇

このブログでも最多出場の舞台
「ア・ラ・カルト」。

昨年ファイナルを迎えたのですが、
青山円形劇場が閉鎖になる直前の今年、
もう一度、あの舞台が帰ってきました。

いつものようにギャルソンが軽やかに登場して
テーブルセッティングをして、
小さなストーリーが進んでいく。

今回は「ヴィンテージメニューをお送りします」と
フライヤーに書かれていたように
過去の公演で歌われたナンバーが出てきます。

そしてうれしいことに、陰山泰さんが出演して
懐かしのギャルソン姿を!
Watermelonmanまで!
山本光洋さんのあやつり人形も!


いろんな舞台をみているけど

始まった瞬間から、終わる瞬間まで
自分の表情が無意識にずうっと笑っている

こんな舞台はどこにもありません。

今回は、なんだかto be continuedの雰囲気を残して終わりました。

またこのレストランが開店している姿を
どこかの街角で見つけてみたい。




「海を行く者」をもう一度

2014-12-14 23:09:05 | 演劇

5年前に見た舞台がまた帰ってきました。

愛すべきダメ男たちのクリスマスイヴ。
5枚のカードに託された男たちの運命とは・・・。

というキャッチフレーズのこの舞台。

キャストが小日向文世、吉田綱太郎、浅野和之、大谷亮介、平田満という
年齢が平均60代!の、ひとりひとりが十分主役も脇役もこなせる面々。
パンフに載ったトークで、翻訳劇を演じる難しさについて
台詞を自分の中に落とし込む時、
「少し自分の言葉に近い台詞に変えて落とそうかと思ったこともあった」
「自分のほうに引っ張ってしまうと『負けた』という感じがするというか」
と、ベテランっぽいコメントが出てきます。

アイルランドのとある港町でクリスマス前に起こるストーリー。
2時間の長丁場を、この5人だけで回していく。

パンフレットを見ると、ひとりひとりの表情がすごくすごくカッコいい。
イケメンとは違う、清濁併せのむというか、酸いも甘いもというか、
いろんなことを経験した男にしか出せない、たまらない表情です。
いちばん気に入った1ページだけ載せちゃおう。



前作でも本当にそこに部屋があるような、リアルな舞台装置に魅せられましたが
今回はなんとそれを一番前で見てしまった!
そして前作でもびっくりした、小日向さんがばたっと倒れるシーンを
ほんっとうに目の前で見てしまった!

小日向さんの「誰かさんは、相当あんたに肩入れしているようだ」
というシーンが好きです。

ラストに流れるのはこの音楽。

Sweet Little Mystery - John Martyn

パンフによると
「振られた恋人に未練がある。夜中に泣かずにはいられない。
君の心の中にあるSweet Little Mysteryに惹かれて
何度も何とかならないか、もう一度頑張りたいという気にさせられてしまう」という歌。

これまた、オトコの未練がましさが出ていて、切なくて愛おしい。

キラキラしていないけど、これもまた、クリスマスです。


「蒼の乱」の感想の感想

2014-04-21 23:08:07 | 演劇

昨日このブログに「蒼の乱」の感想を載せたのですが

当然ながら、ほかにもたっくさんの人たちが
同じように感想をブログに書き込んでいます。

昨日から今日にかけて、ほかの人の感想を
いろいろとみておりました。

天海祐希ねえさんのカッコよさは皆さん共通。

「松ケンがバカすぎる」意見も結構多数。
まあバカな役だからねえ。

・・だから、松ケンに蒼真が惹かれて、
国まで背負っちゃうという展開が
イマイチ理解できないという意見も多かったけど
それはまあ、蒼真の宿命なのかなという感じもします。

本人の意思と関係なく、
いろいろなものを背負ってしまう天命をもっていたのが
蒼真なのでしょう。

橋本じゅんさんの演技も絶賛。

「子どもと動物を出せば全部もっていかれる」が
舞台でも通用するとは!

しかも人が演じても通用するとは!

(↑ 詳しいことはほかの人のブログを探してみよう!)

だけど、私と同じように「善さん最高!」という人は
いなかったんだよなー。むむむ。

こういう、悪役とも正義ともつかない役に
心惹かれるようになったというのは
歳をとった証拠でしょうかねぇ。



いのうえ歌舞伎「蒼の乱」(ネタバレあり)

2014-04-20 10:34:52 | 演劇

天海ねーさんの舞台復帰第一作、ということで
あまりにも魅力的すぎるキャスティングに
最初っからチケット取るの半分あきらめてたのですが
群馬の妹がゲットしてくれたので、
一年以上ぶりに新感線の舞台を見ることにできました。
(前回は五右衛門ロックでした)

会場は渋谷のシアターオーブ。
同じフロアにコンビニがあるのがうれしい♪
芝居見るとき、ちょこっと飲み物とかほしいですから。
特に今回は長丁場だし(4時間

さて、舞台です。
「将門の乱」を主軸にしたストーリー。

将門役の松山ケンイチがまっすぐな武士で
民衆の期待と裏切り、その人気を利用する政治の黒幕たちに
翻弄され、妻である蒼真(天海)を守るために敵方につき
最後には故郷と妻を守るために果てていく。

・・まっすぐだねぇ。まっすぐすぎてアホです。
うーん、こういうタイプの男、好きなはずなんだけど
「支えてあげたい」っつー気持ちになれないのはなぜだろう。

蒼真はその夫を支え、その夫の志を守るため
争いの中に身をゆだねていく。

いやー、かっこいいわぁやっぱり!
途中からきっぱり「武将」になっていくところは
「ついていきます!」と思わせる強さ。
夫への愛を盾に、国をひとつ預かるという度量の広さ、
そして戦いの先方に立つ強さ。
「理想の上司」ナンバーワンは伊達じゃないねえ。

早乙女太一の美しすぎる殺陣、
平幹次朗の、当然といえば当然だけど
「その場にいれば場が重厚になる」抜群の存在感。
橋本じゅんさんの「人間離れした」演技力も
もちろん最高でした。

でもワタシが一番心に残ったのは
梶原善さん演じる禅正淑人(ぜんじょうよしと)。

将門と蒼真のまっすぐな心を受け止めながら
私利私欲と陰謀の渦巻く朝廷にも取り入る。

清濁併せ呑む姿はかならずしも「正義」ではないけれど、
時代を動かすというのは、結局こういうことなのでしょう。

禅正淑人が朝廷に対して
政を変えていくと宣言した姿が
この舞台でいちばん好きなシーンです。

あと、いつもいつもいつもいつも思うのだが

新感線の舞台は前半が長すぎる!

なんとかならんのか!


僕たちの好きだった革命。

2007-03-14 15:38:12 | 演劇

テンプレートを変えたら文字がちっちゃくなりました。
文字サイズ「中」のほうが読みやすいようです。

 

先週・先々週とオニのように忙しかったので、
今日は年休を取って、ウチでのんびり・・・・するつもりだったんだけど、
結局たまった洗濯を済ませたり、部屋を片付けたりと、
意外と、ボーっとするのって難しい~

 

さて、先週の土曜日に観てきたお芝居の報告なぞ。

 

今回見てきたのは「僕たちの好きだった革命」。

ダンナの好きな鴻上尚史さん演出の舞台です。

30年前に学生運動中、意識を失った高校生が目覚めて、
ちょっとだけ昔(1999年)に復学するところから始まるお話。

 

「自由な文化祭」をめざして戦う高校生たちが主役ということもあって、
舞台が始まる前から、劇場全体がまるで文化祭を準備している学校のような雰囲気。

 

シアターアプルに入ると、入り口にいきなり機動隊のコスプレをしてる人がいたり、
ロビーでセーラー服姿の片瀬那奈ちゃんと学ラン姿の陰山泰さんと鴻上さんが、
フォークを歌っていたり。
(陰山さん・・学ラン姿がステキー

 

客席に入れば、舞台は幕が開いた状態(まだ始まってないのに)で、
自由に出演者が制服姿でおしゃべりをしたり、呼び込みをしたり。
客席からビデオ撮影してる人がいるなーと思ったら、中村雅俊さんだったり。

 

「まつりの前」の、いちばん楽しい瞬間。

 

そして舞台が始まる。

 

主役の「山崎」が口にする数々のアナクロな発言と、
それにたいする高校生たちのギャップがリズミカルに展開される。
そうかぁ、イマの世代は「シュプレヒコール!」って知らないんだよねぇ。
ガリ版を切ったこともないんだよねぇ。
当然「アジビラ」も知らないんだよねぇ。
って、私も「シュプレヒコール」と「アジビラ」は、
社会人になって労働組合で知ったんだけどね。

 

私は「学生運動」がリアルな世代ではなくて、
かといって90年代の高校生ほどイマの世代でもなくて、
鴻上さんいわく「どちらにもクスッと笑っちゃう」世代。

 

でも、そんなギャップを超えて、仲間たちがひとつになり始める。

 

いつの時代でも、若者が(って書くのもイヤなんだが)
自由を押さえつけようとする圧力と戦おうとする思いは変わらない。
人によってそれは文化祭の出し物であり、
理不尽な校則であり、目的の見えない受験勉強かもしれない。



それは、「いま」感じないと、「いま」見ないと、
「いま」聞かないと、「いま」勝ち取らないと、
全身全霊で受け止められないから。

この感性が、年齢とともに消えてしまうことを、
若者は本能的に知っているからなのだろうか。

 

そのときの行動を悔いて、いまは生徒を抑圧する側に回った教師。
学生運動の中で心がこわれてしまった母親。
一緒に戦い始めた息子に「今度は負けるな」とヘルメットを渡した父親。
そして30年間封印された想いをとげるため、最後まで戦った山崎。

 

戦いの途中で、仲間が理科室の劇薬を使って戦おうとしたときに、
だめだ、俺たちは正しく戦って、正しく負けるんだ」といった台詞に泣けました。
勝てないことはわかっている。でも、戦う。

 

そういう時代が、そういう人たちがいたこと、
それは、確かに残り続けている。

 

その時代に戦ってきた世代の皆さんが客席に多く、
山崎が途中で「私たちの望むものは」(岡林信康)を歌い出すと
一緒に歌い出す方も多かったですね。

 

つい重たい感想を書いてしまいましたが、
ちりばめられたギャグも捨てがたかったのよー。
(他の方もブログにたくさん書いてたので、そちらをご参照くださいませ)
文化祭に「加藤鷹さんを呼ぶぞー!」と戦ってる奴もいましたが、
R18は呼んじゃまずいだろー

 

っていうか、このネタを聞いたとき、
ダンナより先に爆笑した自分はどうよ