蔵のまち、喜多方から、
爽やかな秋風が吹いています。 私事ですが・・・
母が、百歳の生涯を終え、静かに旅立ちました。
「長い間ご苦労さま・・・どうかゆっくりやすんでください」
十年前まで毎日のように農作業に励み、一人でも温泉に出掛けていたほどの元気な母・・・
新鮮な野菜に果物など、自慢の畑で収穫した旬の味覚をよく送ってくれました。
その小包からは、時間も距離も越えて、故郷の懐かしさや私たちへの愛情を
しみじみ感じさせてくれたものです。
戦中戦後の物資のない時代、七人の子供を育てるため懸命に歩んできた道のりには、
私たちには分からない苦労も多くあったでしょう。
しかし辛いことはぐっと胸におさめ、いつの時も変わらず明るい笑顔で、
家族を支えてきてくれた歳月を偲べば、今も感謝の思いが込み上げてなりません。
孫やひ孫を見つめる在りし日の優しい表情が瞼に浮かび、別れのさびしさはひとしおですが、
遥か空では父も待っていてくれますので、私たちは涙をこれえて見送りたいと思います。
涼風が秋の便りを運ぶ平成二十四年十月八日
母は、百年の生涯を終え、静かに旅立ちました。
生前、皆様方との良きご縁があり、
母の人生が豊かなものになりましたこと、
心より感謝申し上げます。
