雨が降ると子どもの頃、よく母親がドーナツを作ってくれた。
子供心に、友達の親はケーキだとかクッキーとか「おしゃれ」なものを作るのになぁ、ウチもそういうものがいいなぁ、なんて思ったこともあった。
先日、試しに作ってみた、小麦粉に卵に牛乳に砂糖、塩少々という簡単なものなのだが、ベーキングパウダーの入れ加減が問題だったのか、生地の硬さに問題があったのか、うまく出来なかった。味はまあまあだが。
生地を錬って、延ばし、ドーナツの型で型を取る。自分の場合、本来のドーナツ型のものより、一口大になる、真ん中の「丸玉」が好きだ。子どもの頃は、この「丸玉」が好きで、よく手伝って型を取ったものだ。
それをサラダ油で揚げて、砂糖にまぶして食べる。
出来立ては温かで中がやわらかく、うまい。冷めると硬くなるので、温かいうちが美味しかった。子どもの頃は、何個も食べたものだ。
これぞ、おふくろの味というものだろうか。
雨の日だけに作っていたわけではないが、たまたま雨の日が多かっただけなのかもしれない。だから、雨が降るとドーナツを思い出す。
小さい頃から、手作りを食べていたので、市販のドーナツはどうも口に合わない。これは今も変わらない。
今度作る時はまた、少し加減を考えて作ってみよう。