私のHPの今月のお薦めブックを、こちらにも載せます。 今月の一冊は、太田光・中沢新一著「憲法九条を世界遺産に」(集英社新書)です。
最近、安倍晋三内閣が、憲法改正を狙って国民投票法案を成立させようという動きがとても気になります。一体、この今の憲法のどこが悪いというのでしょうか?
以前、アンナ・ポリトコフスカヤさんが暗殺されたときに、チェチェン総合情報というサイトを見つけてから、そこのメルマガを講読しています。そして、そのメルマガで、国民投票法案の事を知りました。
私はこの本を2ヶ月ほど前に買いました。そして、その後、私が買ったにも拘らず、夫が買ってきてしまったのです。つまり、我が家にはこの本が2冊、あるんです。ま、問題意識が同じ夫婦と見ていいのでしょうか(どうだか・・・)。そして中味を読んで、どうしてもこの本を多くの日本人に読んでもらいたいと思ったのです。この奇抜なアイデアには、恐れ入るのですが、そうでもしない限り、憲法が改正(改悪!)されてしまいそうで、納得がいかないのです。
いくら、アメリカの占領下で作られた憲法だからといって、中味が悪いわけではないのです。その逆で、あまりに理想にあふれて、素晴らしすぎるのです。でも、これを私たちは、なんとしても守らなくてはいけない、絶対に。二度と、戦争はしてはいけないんです。このユニークな日本国憲法がある限り、日本は国際的に、ものすごく誇れると思います。それこそ、そこにこそ、愛国心が芽生えるのではないでしょうか?まさに、日本人必携の書、ぜひ、読んでみてください。そして、もう一度、真剣にこの、理想に燃えた「日本国憲法」を読み返してほしいのです。私は中学の社会科で習いました。英語の授業でも、たしか、前文を英語で習ったのではなかったかしら・・・。再び、思春期のころにもどってこの前文と、憲法九条を読んでみましょう。
前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するものであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。
第2章 戦争の放棄
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
なんという、崇高な文章でしょうか。あの敗戦で、日本は目覚めたのです。こんなに素晴らしい憲法が、他にあるというのでしょうか?どうか、このまま、手をつけないで守ってほしいです!国会議員のみなさん、今一度、この原点に戻って、じっくり読んでみてほしいものです。国民に選ばれた代表であることの責任と謙虚さ、本当に持っているのかしら??