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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇3月5日

2023年03月05日 16時42分11秒 | 短歌

高野公彦選

子育てが一周回って再開とむつき姿の母を愛そう    牛久市 久保田和佳子

 自分が育ててもらってから、今度は親の介護。私の世代は、その親の介護でかなりつらい思いをしている人が大勢います。そう考えると、30代前半で母を、後半で父を亡くした私は、よかったのかもしれません。特に認知症の介護は想像を絶する様です。お母様を愛せるといいと思います。どうか、無理なさらないように。

永田和宏選

ばかやろうこんちくしょうの人でなし遺影の夫に呟いてみる 春日部市 横手智恵

 そうですよね、老後いっしょにと思っていて、先立たれちゃうと、話が違うよって言いたくなりますよ。私は夫と結婚したのは、老後が楽しそうだったから。その彼に老後がなかったなんて、そりゃ悲しいですよ。散々好きにお金使ってあの世に逝ってしまいました。きっと今頃は樹木葬に蝋梅が咲いていることでしょう。

馬場あき子選

ゼレンスキーTシャツ売れている国と戦争に命奪われる国  一宮市 園部洋子

 ゼレンスキーのTシャツが売れているんですね、知らなかった。でも、ウクライナを応援しているという意思表示なら、それもいいと思います。戦争はもちろん早く終わってほしい。でも、戦争を終わらせるのはどれだけ大変か、日本はその経験をしているはずなのに。全く外交努力をしていないような気がします。

佐佐木幸綱選

ミサイルのえぐりし集合住宅に冷蔵庫開きてキャベツの見ゆる  奈良県 吉井邦子

 そこまで気がついたのですね。キャベツはきっとボルシチのためのものだったのでしょう。日常がこんなに無残に壊される戦争、もう1年以上経っています。最近はあまり報道もしていない。それはよくないと思います。どんどん、戦争の現実をテレビで流して私たちが忘れないようにしないといけません。

 

 


朝日歌壇2月26日

2023年02月27日 11時22分56秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

四十年前の景色に縛られて異界に迷う渋谷界隈         東京都 豊万里

猫のケンカみたいな声を出している古い冷蔵庫どうかがんばって 東京都 上田結香

 一首目、私もそのころの学生時代の渋谷のイメージだから、とてもじゃないけれど、今の変貌をとげている渋谷は、迷子になります。まだまだ進化するようです。二首目、猫のケンカとは、すごい音がしますよね。あまり古いと電気食うから、節電タイプの冷蔵庫に早く買い替えたほうがいいと思います。

高野公彦選

闖入し攻めあぐむ国は一年後囚人兵が前線に立つ        福島市 青木崇郎

「異次元の少子化対策」財源も示さず論ずる総理の異次元    観音寺市 篠原俊則

 一首目、本当に恐ろしいことです。ロシアはこの戦争を正当化していますが、絶対にやってはいけないことをしてしまいました。さらに戦争を続けるなんて、もう信じられません。二首目、何を異次元というのか、アンタ本人が異次元でしょう、という気持ち、同感です。

永田和宏選

戦中に生まれ戦後を長く生き今日戦前を生きる辻褄      長野県 千葉俊彦

手立てなくきょとんと子牛買われゆくラーメンよりも安い値段で 仙台市 平山礼子

 一首目、最近タモリさんが「新しい戦前」といったとか。戦争がおこるということなのでしょうか、とても怖いです。二首目、酪農や養鶏がとても厳しくなっています。ラーメンよりも安い価格なんて、ひどすぎますよね。あまりにかわいそうです。

馬場あき子選

眠られぬ夜は羊をさがせども戦車が一台戦車が二台      大和市 澤田睦子

 ウクライナ戦争は、いつまで続くのか、本当に悲しいです。戦車が何台もなんて、それはつらいことです。その戦車が、下手したら兵士だけじゃなく、民間人も殺しているのですから。どうか、早く戦争が終わってほしいです。


朝日歌壇2月19日

2023年02月20日 21時19分55秒 | 短歌

馬場あき子選

夫の手の皺の深さに気がつきぬ湯のみを受け取る人のいる幸  佐世保市 近藤福代

望まない死の多き世にねんごろに水葬に帰すマッコウクジラ  浜松市 松井惠

 一首目、高齢者になると、手の皺はとても気になるものです。私の手も、血管が浮き出ていて皺も増えてちょっと悲しくなります。それでも、一人ではない近藤さんが、なんともうらやましいなあ。手の皺は人生ですから、気にしない気にしない。二首目、先日の亡くなってしまったクジラの水葬、彼だって死を望んで日本に来たわけではないと思いますが、救えなかったのはとても残念。

佐佐木幸綱選

廃校に一人残され本を読むさびしからずや庭の金次郎     船橋市 清水渡

スマホなど無かった時代の情報源「週刊朝日」が休刊するとふ 川越市 西村健児

 読んでいて、一体誰だと思ったら二宮金次郎の銅像、なかなか面白いです。それに、「さびしからずや」とくれば、与謝野晶子のみだれ髪の中の「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」を思い浮かべます。これは本歌取りにはいるのでしょうか?朝ドラでけっこう短歌の話が出てくるんですよね、楽しみです。二首目、このご時世だからでしょうか、老舗の週刊誌がどんどん消えてしまいます。寂しい限りです。紙媒体は、なかなか利益が取れないのでしょう。それでも、なんとかふんばってほしかった(買ってないのに!)。

高野公彦選

鹿狩りのドローンが飛んでふと思う戦争の事ウクライナの事  新潟県 涌井武徳

横浜に米軍部隊が配備さるもはや新しい戦前なのか      横浜市 松村千津子

 一首目、ドローンは武器にもなるなんて、想像していませんでした。武器の奪い合いで、永遠に戦争が続くのかと思うと、とても悲しい。どれだけ人を傷つければ気が済むのか、くたばれプーチン!二首目、「新しい戦前」という言葉はタモリが言ったそうです。それでも、戦争はあってはならないので、なんとか食い止めてほしいです。議員の半分近くが女性だったらと思います。いい加減、自民党の重鎮というの?くそじじいは引退してもらいたいものです。旧統一教会とつるんだのも、古い家制度に固執しているからでしょう。もう、女性を家庭に閉じ込める時代ではないのです。ああいうじじいたちが、今の社会を作ったんじゃない、責任取ってもらいたいものです。もう専業主婦なんて存在してはいけないのです。共に働き、ともに家事育児をする、そんなの諸外国は当然ですよ。日本はG7とかのサミットを主催する資格はありません。LGBTもジェンダーギャップも何もかも、先進国とはかけ離れているんだから。

永田和宏選

「未練あるうちに別れましょう」夫の卒業アルバムからはらりと 東京都 村上ちえ子

原発は死者が一人も出てないと言われて怒るこの浜通り     南相馬市 佐藤隆貴

 一首目、こんな別れのセリフがあるんですねえ、びっくりしました。どんなつきあいをしていた恋人だったのか、とっても気になりますが、それはそれです。聞かないでおきましょう。二首目、原発事故で死ななくても、関連死はどれだけあったか、わかっているのでしょうか?地震列島日本では、原発はあまりにリスクが大きすぎます。絶対に稼働してはいけません。あまりに無神経な国の方針に、ついていけませんよね。自分たちの土地と昔の賑わいを、昔の生活を、返してほしいとだれもが願っているはずです。来月であれから12年。絶対に忘れてはいけない災害です、そして事故です。


朝日歌壇2月12日

2023年02月13日 11時49分47秒 | 短歌

永田和宏選

手土産が軍備拡大わが国の首相訪米歓待受ける    大和郡山市 宮本陶生

式典に酒飲み暴れいる二十歳(はたち)戦場に銃構える二十歳 観音寺市 篠原俊則

 一首目、アメリカの喜ぶことばかりしている日本の総理って、どうよと思いますね。防衛費を増税してまで増やして、少子化対策はお金使うけれど的外ればかり。国民のための政治をしていませんね。二首目、毎度おなじみ、成人式でのバカな若者の暴走。ニュースを見るのも嫌になります。ウクライナでは同じ年頃の若者が兵士となって戦っているのに。それがいいとはいいませんよ、でもね・・・。この歌は高野公彦氏も選んでいます。

馬場あき子選

耳遠い母にひたすらペン走らせ十七年のブランク埋まる  西東京市 濱田朝子

 どういう事情でしょうか、17年のブランクとは。実家を離れて結婚したか就職したか・・。お母様が入院か自宅療養かで看病に行った時に、筆談で会話して、昔の話などしたのかしら。それとも、今も遠い場所にいて、電話では通じないので、手紙をたくさん書き始めているとか。生きているうちに親孝行をしましょう。私は30代で母を亡くしたので、もっともっとたくさん話したかった。

佐佐木幸綱選

人影にいっせいに飛ぶ雀たち良き噂していたと思えず    鳥取市 山本憲二郎

拍手しか聞こえなかった館内に戻り始めた人間の声     八尾市 水野一也

 一首目、よくありますよね、噂話していて、当の本人が来たら、蜘蛛の子散らすようにいなくなるってこと。雀もそうなのかと思ってしまう、面白い歌です。二首目、館って、具体的にはどこなのかしら。図書館、美術館、博物館、そして公民館。来月には、マスク着用も個人の判断に任せるとか。新型コロナ感染症が2類から5類に移ったら、今までのような対策も必要なくなるのでしょうけれど、そう簡単にこの3年間の習慣をやめることなんか、できない気がします。私も65歳になったばかり、新人高齢者ですから。

高野公彦選

去年(こぞ)の夏りんご園にて見し狐今も生きをり雪の足跡 五所川原市 戸沢大二郎

 たしか、先週も雪の上の狐の足跡の歌があったような・・。今回は、夏の狐がまだ冬にも来たという、すっかりなじみになった狐の足跡。そうなると、愛着がわきますよね。りんご園で被害を受けるのは困るけれど、うまく共存してほしいです。昔話にも、キツネやタヌキって、けっこうでできますから人間とはうまく住み分けしていたのではないでしょうか。地球は人類だけのものではないのですから。

 


朝日歌壇2月5日

2023年02月05日 16時44分30秒 | 短歌

高野公彦選

聴こえます底の底ひに固まりて呻くデブリの重たき声が   福島市 美原凍子

 ちょうど干支が一巡りしました。今度の3.11で12年目。まだまだ原発事故が終息していないのに、どんどん問題が増えているような気がするのですが、ここでエネルギー不足で原発再稼働の方針。デブリという恐ろしいものをどうするのでしょうか?日本という国の良識は、どこにいったのでしょうか。怖ろしいです。みんな、忘れてはいけませんよ。この歌は馬場あき子氏も選んでいます。

永田和宏選

明日という日があらぬ日を誰も持つ告げられるのは死刑囚だけ  大和郡山市 四方護

 人はいつか死ぬ、それは誰もが分からないけれど、死刑囚だけは予告される。死刑があるというのは、先進国では少ないはずですし、死刑執行の担当者の苦しみも相当なものだと思います。ましてやそれが冤罪だったらどうなのでしょう?

馬場あき子選

人生にタイパを求められている子どもは子どものままでいいのに  東京都 窪田貴子

 タイパとはタイムパフォーマンスのことだそうです。いまどきの子どもは大変です。私たちが子どものころには、スマホも当然なかったし、インターネットもなかった。情報だらけの日常で、そりゃ不登校になったりするでしょう。人生は長いから、いくらでもやり直しができます。自分をしっかり持って(というより、自分が成長する時期ですもんね)がんばれー。

佐佐木幸綱選

文字のない絵本に物語(ストーリー)つづるごと新雪に吾とキツネの足跡 恵庭市 五十嵐容子

 真っ白な雪の上にキツネの足跡、きれいでしょうね。ただ、今年の雪は災害規模で、どこも大変だったと思います。

 やったー、ロコソラーレが優勝しました。ドキドキしながら見ていました!(カーリング)

 


朝日歌壇1月29日

2023年01月30日 18時38分20秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

原発は可能の限り低減と言ひしが今は増設を言ふ     前橋市 荻原葉月

 東日本大震災の復興だって完全ではないのに、ロシアによるウクライナ戦争で世界中にエネルギー危機が起きたからと、原発再稼働をごり押ししてさらに新しく作るというこの国は、頭いかれてるのかと思います。

高野公彦選 

耳遠き老いの二人の新年は禅問答のごとく始まる      西之表市 島田紘一

鶏の声が耳から離れぬと処分を終えし男が泣けり      観音寺市 篠原俊則

 ともに「耳」が入っている短歌です。一首目のなんともほのぼのした感じがいいですね。二首目、今年度はものすごく鳥インフルエンザがあちこちで起きていました。養鶏の関係者は本当につらい思いをしました。卵の値段もどんどん上がってきましたよね。なんでも渡り鳥が感染源だとか。大事にしている生き物が殺されるというのだけでも辛いのに、経済的な大打撃です。地球環境の悪化(地球温暖化ということでしょうか)とエネルギー問題で、養鶏も酪農も事業継続が大変になってしまいました。私は牛乳もチーズも好きなんだけどなあ。

永田和宏選

双葉町の帰還かなはぬ屋内に残る暦は前の卯の年      埼玉県 酒井忠正

薄着して説く勝ち組と着ぶくれて聞く負け組や節電の冬   中津市 瀬口美子

ひとりづつ処刑さるるを見る心地PK戦て何と酷なる    名古屋市 三好ゆふ

 一首目、まだまだ帰れない人たちがいるのに、空き家には害獣が荒らしまわってそのままなのに・・・。今年2023年は、あれからちょうど12年、一回りしたんですね。こんな状態でまだ国は原発を増やすという、この横暴をどうして止められないのか。二首目、裕福な人がテレビで節電をPRしているのか、それとも高い電気料金を払えるから薄着なのか・・?私は壊れて電気がつかないこたつに湯たんぽを入れていますが、この湯たんぽもお湯を沸かすのに夜間かティファールのポットだから、ガスや電気を使うんです。いったいどうしたらいいのでしょうか。三首目、処刑かあ、たしかにつらい戦いです。こんなんで決着付けるなんて、本当に気の毒でしかないです。

馬場あき子選

だんだんに小さくなりゆくバゲットを抱きて帰るパリは雪空 フランス 佐久間尚子

ドローンを無人攻撃機に仕立て殺戮するを進歩と呼べり   浜松市 松井恵

 一首目、本来はバゲットって、長さやクープ(切れ目)の数までしっかり決まっているものなのに、値上げしないかわりに大きさを変えるなんて、ちょっとひどい話です。二首目、ドローンを殺人兵器にするというのを許していいのでしょうか。ロボットに殺されるのも嫌だけど、ドローンに追いかけられて殺されるなんてぞっとします。これが科学の進歩の結果だというのなら、何のための科学なのかしら。


朝日歌壇1月22日

2023年01月22日 12時36分19秒 | 短歌

馬場あき子選

荒れ果てし壁バンクシーの少年も雪を被りてウクライナは冬  五所川原市 戸沢大二郎

クリスマス兵士の肩に銃に降る雪の悲しさ雪の重たさ     福島市 美原凍子

 一首目、あのバンクシーがウクライナで絵を描きました。反戦の絵です。そしてウクライナに厳しい冬が来たのです。戦争は今も続いています。電力も足りない中、本当にみんな極寒の中で不自由な暮しをしていると思うと、胸がつぶれそうになります。ロシアはわざとライフラインを攻撃するのです。この21世紀でどうしてこんな蛮行が許されるのか、信じられません。二首目も同じ戦争の歌です。本当に早く戦争が終わってほしいです。

佐佐木幸綱選

板書よりパワポ画面を望まれて令和の授業は十人一色(ひといろ) ふじみ野市 片野里名子

感動は<する>もの勇気は<もつ>もので<もらう>ものではない筈なのに 札幌市 田巻成男

 一首目の歌は高野公彦氏も選んでいます。確かに板書は見にくいし、パワポなら、そのデータを共有できます。昨日も、地元の公民館での男女共同参画の講演で、講師の先生はパワポを使いこなしてお話ししてくれました。今ではパワポは必需品ですね。二首目、何のためらいもなく、勇気をもらうという言葉を受け入れていました。考えてみたら、そうですよね。

高野公彦選

漆黒のウクライナの上煌々とモスクワの灯あり衛星写真に   諫早市 藤山増昭

手のひらの「ネットの魔海」に日々溺れ情報津波に心は孤立  八幡浜市 木村瞳

二歳には二歳サイズの悲しみがあって火が点いたように泣いている 東京都 白竜千恵子

 一首目、ロシアはウクライナのライフラインを攻撃しつくしているので、ウクライナは電気がともらないのですが、モスクワでは煌々となんて、本当に腹が立ちますよね!!くたばれ、プーチン!二首目、なるほどという視点です。スマホに支配されている人が多いのかもしれません。さらにそれで犯罪を犯すなんて、もう恐ろしいとしかいいようがないです。そんなスマホが現実世界だなんて、いっそのこと手放したら如何でしょうか。三首目、子どもの気持ちに添っていて、この方はやさしいのでしょうね。なるほどと思いました。

永田和宏選

人間は一度は死ぬが戦場で犬死だけはさせないと母      西海市 前田一揆

いま払うあとで払うの違いなり増税国債五十歩百歩      東京都 河野行博

 一首目、以前からこういった歌が詠まれていましたね。兵士の母よ、立ち上がれ!そしてプーチンにNO!を言おう!二首目、防衛費を増やす前に、もっとやることがあるはず。このままでは、少子化どころか日本が滅びますけど。性教育や人権教育の充実と、教育の無償化、クオータ制の導入で企業のトップも地方議員、国会議員も女性をもっともっと増やし、育児休暇は絶対に取らせる、男性の家事育児の研修の義務化、そして家族中心ではなく、個人中心で政策を充実させ、婚外子の権利を、そうすれば日本のジェンダーギャップ指数は改善するはずだと思う。防衛費に使うなんて、ばかだよね。日本がどんどん縮小すれば守る必要もなくなりますね。本当に、絶滅危惧種ですから、日本人は。


朝日歌壇1月15日

2023年01月15日 20時10分35秒 | 短歌

永田和宏選

最後まで諦めるなよ君たちも共通テスト「三苫の一ミリ」 出雲市 塩田直也

 昨日と今日が共通テストでした。私はちょうど、共通一次テストが導入されるころ、受験生でした。受験はとても厳しい現実ですが、絶対に諦めないでください。そして、人生の中で一時ものすごく勉強する時期があったということは、後々にとてもいい経験になりますよ。絶対に無駄じゃないので、最後の1分1秒まで粘ってください。

馬場あき子選

敵の基地攻撃するを思ふ時戦争はすでに始まつてゐる   長野県 千葉俊彦

 その通り!こんなことが、戦争放棄の日本で許されるのか、とても信じられません。政府が勝手に決めてしまい、民意なんてどうでもいいみたいで、本当に恐ろしいです。

佐佐木幸綱選

三年ぶりの町内会の落ち葉掃きみんな待ってたこんな日常 つくば市 山瀬佳代子

 コロナ禍で、町内会のイベントがなくなり、外に出る機会も少なくなったのは、悲しいことです。人と会って話すことが、健康の秘訣なのに・・・。また最近は感染者が増えているので、とても怖いです。早くこのパンデミックが終息してほしいです。この歌は高野公彦氏も選んでいます。

高野公彦選

40年を根拠なく70年に ならば議事堂前に原発を     京都市 森谷弘志

 いきなりの原発再稼働の計画、あの東日本大震災の復興もまだ終わっていないのに、なんていうことでしょうか。国の方針って、どんどん勝手に簡単に変えられていくのが本当に恐ろしいです。


朝日歌壇1月8日

2023年01月09日 20時39分40秒 | 短歌

高野公彦選

ぎりぎりのゴールラインで蹴り返す三苫薫の<ブラボー>な足  安中市 鬼形輝雄

ふと時が入れ子細工になっていく教え子の子を教える教室    可児市 前川泰信

 一首目、あの1mmの三苫のアシスト、素晴らしかったですよね。VRになったからこそ、認められたものです。時代が変わった瞬間だったのでは?短歌で残すことはとても大切です。二首目、時間という不思議を感じ、めまいがしそうになりました。とても面白い描写です。

永田和宏選

サンタさんは鍵屋じゃないと入れない姉の疑問にうなずく弟   福岡市 藤掛博子

 サンタさんをそういうふうにとらえた子どもの発想、ユニークですね。

馬場あき子選

「人は死ぬ」と病死事故死もあるけれど戦死はあんたのせいだプーチン 茨城県 樫村好則

 とんでもないことです。若い人が戦争で死ぬのは本当に耐えられない。ウクライナ戦争、早く終わってほしいです。これだけの被害を平気で与えて、よくもまあ嘘だらけの事ばかり言っているプーチンに、どうして国民が従うのか不思議でなりません。くたばれ、プーチン!

佐佐木幸綱選

廃線と決まり賑わう留萌駅諦めの中汽車が無くなる        留萌市 江畠幸枝

またひとつ高層ビルが立ち上がり街はますます無口になりぬ    川崎市 新井美千代

 一首目、北海道の鉄道が廃線になるのは、悲しいです。炭鉱の時代が終わり、社会の変化がそうさせたのでしょうか。地元の人たちは、寂しいでしょう。二首目、タワマンだらけの街には、なんとも人情が薄いような気がします。街は人が語り合っての場所のはずですからね。

 

 


朝日歌壇12月25日

2022年12月26日 23時00分07秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

ボケて名を思いだせないだけなのに旧友あわててマスクを下げる  大阪市 木村彰子

 名前って、なかなか思い出せないものですよね。わかっているけれど、名前がでてこない、このもどかしさは最近よく感じています。

高野公彦選

聞く力聞いてる振りをする力聞くだけ聞いて忘れる力      市川市 末長正義

大臣も国会議員も仕事中居眠ることができる生業(なりわい)  観音寺市 篠原俊則

 一首目、聞くというだけでこんなに種類があるものですね。二首目も、似たような感じでしょうか。議員ときたら、居眠りばかりしてお金貰って、こんなんでいいのかって思います。

永田和宏選

来世でも一緒になろうと約束の夫よトイレの電気は消して    酒田市 富田光子

 そういう人と、来世でもいっしょになれるとしたら、富田さんはとても心が広いお方。来世は来世の風が吹く、ですからね。

馬場あき子選

思い出の放課後はいつも茜色からんと落ちる高跳びのバー    松阪市 こやまはつみ

 夕方の茜色、教室の窓・・・、ああ、谷山浩子の歌を歌ってしまいそう。懐かしい思い出は茜色、ですね。