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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇5月28日

2023年05月29日 16時38分09秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

メールにて徴兵をする時代まで開いてしまったこの戦争は  東京都 十亀弘史

 ウクライナ戦争で、プーチンがこのような徴兵を始めてしまったのです。ひどい話ですよね。彼はいつまでこの戦争を続けるのか、もう相当旗色が悪くなってきているのに。侵略戦争を始めたのはプーチンなんですから、彼に正義はありませんよ。この歌は永田和宏氏も選んでいます。

高野公彦選

マイナンバーカードが電子徴兵に使われるかもしれない未来  観音寺市 篠原俊則

特養に空きができたと知るたびに知らぬ誰かの死を漠と知る  横浜市 太田克宏

 一首目、先ほどの歌が日本にも適用されたらと思うと背筋が寒くなります。マイナポイントと騒いでいる割にシステムが問題があるのか、それ以前の入力にミスがあるのか、とんでもないことが起こっていますよね。いくらポイントがつくといっても、信用できないものは信用できませんよ。二首目、考えればそういうことだとわかりますが、それで入れるようになるというのが、なんだか悲しいですよね。とはいえ、ずっと生きているのも苦しい社会ではあります。

永田和宏選

犯人になる前の人物が通り過ぎゆく防犯カメラ        横浜市 山田知明

 なるほど、そういう見方があるのかと新鮮に感じました。

馬場あき子選

まっぷたつにキャベツを切れば断面のアルツハイマーらしき空白 松阪市 こやまはつみ

戦争はこうして静かに忍び寄る学術会議への人事介入      観音寺市 篠原俊則

 一首目、たしかにキャベツの断面は脳みたいに思えます。アルツハイマー脳に見えるかもですね。二首目、政府のやり方は本当に気持ち悪いものがあります。そもそも憲法だって、国民を守るための物なのに、戦争放棄を変えたくて仕方ないわけですよね。徴兵ったって、その財源はどこにあるのか?そもそも、少子化対策を男ばかりで考えていること自体、絶対に間違っていますよ。ジェンダー平等じゃない日本に少子化を止める力があるわけないじゃない。


朝日歌壇5月21日

2023年05月22日 14時24分28秒 | 短歌

馬場あき子選

フクシマを教訓にしてドイツでは脱原発を完了しにけり    京都市 丹羽夜舟

 ドイツができたのに、日本ができないことがありますか?それに、東日本大震災の原発事故がきっかけでドイツが脱原発を完了したのに、日本は再稼働なんて、あまりにばかげていて信じられませんね。

佐佐木幸綱選

沢山の本をかかえて待つ親子やっと図書館出来たわが市に   富津市 川名興

ギーギーと雄雉子(きじ)鳴きつつ藪に入れば雌がキョキョと後を追いゆく 取手市 緑川智

 一首目、本を読む親子、いいですねえ。最近は本屋も少なくなって、リアルな本に触れるのは図書館ぐらいになってしまいました。本屋と図書館は、私にとってはワンダーランドです。やっと図書館ができた喜びの短歌、素敵です。二首目、雉のカップルの様子がなんだかとてもユーモラスで、選びました。

高野公彦選

原発を進めたような過ちを繰り返すのかカジノ誘致し     横浜市 人見江一

風に舞う2つ3つの花びらに身構える君むかし保護犬     横浜市 太田克宏

 一首目、あの映画「ハマのドン」の世界ですね。全く、国って本当に嫌な政策ばかりしてます。こういう議員たちをのさばらして、これでいいのかって怒りばかり感じる日々です。二首目、うちの猫も、あの東日本大震災のときの保護猫です。ワンちゃん、どんな目にあったのか、身構える気持ちをわかってあげたいと思いました。保護犬を引き取ってくれてありがとう。ともに横浜の人の短歌ですね。

永田和宏選

識者評す「知ったかぶりの人物と話す感じ」とチャットGTPを 東京都 岡純

導体と半導体と絶縁体人間関係のことかしら          新潟市 太田千鶴子

 一首目、最近話題のチャットGTP。すべてのデータを使ってAIが作り出すのだから、そのデータにはフェイクも混じっているので、恐ろしいと思います。知ったかぶりで、裏が取れていないわけですよね。知ったかぶりの人物って、あまりいい感じがしません。二首目、面白い表現です。絶縁体という人間関係は、もう修復も何もできない、絶対に和解できない関係のようですね。あまりそういう人間関係を作りたくないけれど、人それぞれですから。誰とも仲良くなんて、そうそうできることではありません。 


朝日歌壇5月7日

2023年05月08日 14時18分54秒 | 短歌

永田和宏選

病床の母に言えないありがとう言えば死ぬこと知らせてしまう    宮城県 田所純一

サザエさんのようだと思えばお財布を忘れてしまったこともうららか 仙台市 小室寿子

 一首目、これはつらい状況です。私の母は末期がんで告知もなく、2年の闘病の末に亡くなりましたが、父は告知するなということだったのです。本当にそれでよかったのか、私は疑問に思っています。昔はそれが当たり前だったのかもしれませんが、今は自分で治療を決める時代です。その父も、悪性黒色腫で最期は「けりをつけてくれ」と言っていました。確か、その時は私もこの短歌のように、ありがとうと言ったと思います。二首目、サザエさんの歌では、「財布を忘れて愉快なサザエさん」となっています。私は昔から、なんで財布を忘れて愉快なのかわかりませんでした。でも、笑い飛ばせばいいんですよ。この歌は高野公彦氏も選んでいます。

馬場あき子選

馬鈴薯の畑に蝶舞ふ三方原家康敗走わが散歩みち         浜松市 松井惠

 武田信玄と、家康信長連合軍が戦った合戦は、家康が負けて必死の敗走をしました。ちょうど大河ドラマでこのあたりをやっているのでは?武田信玄がほかの戦国武将と手を組んで信長包囲網で彼と対抗していましたが、この合戦のあと、信玄が亡くなり、それを秘匿していて信長は窮地を脱したってことです。この合戦ではいろんな逸話がありますが、どうもあとから好き勝手に作られたものが多かったような。そうですよね、勝った方は都合のいいように書きますから。これはどの時代も同じです。私たちは、歴史史料を厳しい目で見なくてはならないのです。この合戦で命からがら逃げ伸びたからこそ、あの平和な江戸時代ができたのですから、信玄が死んだことに感謝?でも、もし信玄が生きていて平和国家が築けたのなら、また違った日本になっていたかもですね。もしもというのは言ってはいけないのが歴史ですけど。

佐佐木幸綱選

椅子もろともリフトに吊られ湯舟に入る揚げ物の具になりたるここち 和泉市 長尾幹也

繋がれしまま被曝して置き去りの牛あはれみしムツゴロウ逝く    前橋市 荻原葉月

 一首目、これはお店の厨房にあるフライヤーみたいに入浴しているということですよね。面白い表現だと思いました。二首目、東日本大震災で置き去りにされた牛舎の牛、本当にかわいそうでした。私は動物が大好きなので、ムツゴロウさんも大好きでしたよ。

高野公彦選

地下鉄の中で会釈を交わしおり名の出ぬことをともに秘めつつ   仙台市 沼沢修

 最近はこういうことが多いです。知人なのに、名前が出てこない。お互い様ですよね。

 

 

 


朝日歌壇4月30日

2023年05月01日 22時59分01秒 | 短歌

高野公彦選

給付金配るニュースにああそうかもうすぐ選挙なのかと気づく 観音寺市 篠原俊則

この国が希望に満ちたところなら放っておいても子供は増える 菊池市 神谷紀美子

 一首目、とても皮肉がきいていますよね。政治家って本当にずるい。二首目も、その通りだと思います。この国の未来はとても厳しいから、結婚すらしたくないと思いますよ。

永田和宏選

赤ちゃんがこの世の終わりのように泣く案外きみが正解かもね 東京都 上田結香

 この世の終わりは、誰にも予言できないけれど、ウクライナ戦争やスーダンの政情不安など、さらに地球温暖化で地球規模の災害が起こっています。本当に、この世の終わりが近いのかもしれません。それに、私たち個人個人の終わりというのは、その個人にとって「この世の終わり」なんですもの。

馬場あき子選

留学の娘とめぐる独逸旅NATO戦車隊と行き交いぬ      東京都 鈴木ひろみ

線量を知らせる記事はとうに消え再稼働のこゑ蠢いてゐる   前橋市 和田明

サバ不漁・ブリは豊漁<大衆魚>の役目を代える温暖化の波  横浜市 毛崖明子

 一首目、私たち日本人は憲法九条があるので戦争放棄が当たり前と思っていますが、ヨーロッパでは事情が違います。同じ敗戦国のドイツは軍隊があるのですから、NATO戦車隊にも遭遇するわけです。日本人は平和ボケと言われてもしかたがないのかもしれませんが、それでも私は九条を守っていきたいと思っています。二首目、東日本大震災の復興もまだ完全に終わっていないのに、エネルギーが足りないからといって、こういう記事が減り、再稼働の動きが起きているのは、納得できませんよね。便利ということが地球の寿命を短くしているということが自明のことなのに・・。先月札幌でG7外相会議に合わせたイベント「環境広場ほっかいどう」で、最後のほうの展示に倉本聰が企画した「文明の墓場」というコーナーがあったそうです。強烈に今の便利さだけを追求した世界に疑問を投げかけた展示のようですが、まだ使えるものをすぐに廃棄してしまう習慣は、肯定できるものではないですよね。テレビにしても、ハイビジョンやら地デジやら4Kやら、そのたびに買い替えなんて、おかしいですよ。便利ということで無駄にしているものはたくさんあるような気がします。不便が悪いのか?「あなたは文明に麻痺していませんか」「あなたは結局何のかのと云いながら他所から奪いとったエネルギーの中で我が世の春を謳歌していませんか」・・・、何のためのG7なのでしょうかね。三首目、温暖化によって地球規模でものすごく変化しています。さば缶はもう手に入らないかもしれません。50年に一度という災害が年に2回、先日はアメリカの大雨が千年に一度の規模だったとかって、もう人類は絶滅の危機に瀕しているのかもしれませんね。できることを一人一人が行動して、少しでも地球を長生きさせないといけないはず。原発再稼働なんて、あってはいけないはずなのに。皆、今生きている人たちは、この世の春を謳歌して、責任を果たさずに未来に負の遺産を押し付けています。こんな世の中でいいのでしょうか?

佐佐木幸綱選

笠智衆みたいに海見る猫がいて尾道御寺甍(いらか)堂々  名古屋市 磯前睦子

町内のロシア正教の司祭さん寺の和尚とバンドの仲間    日田市 石井かおり

 一首目、なんだかわかるような気がします、笠智衆に似た猫。尾道に行ってみたいなあ。猫が多くいる街は高齢者にも優しい街です。でも、坂道が多くて高齢者にはきついかも・・。二首目、音楽は壁を越えますよね。宗教も国籍も越えて一緒に楽しめるのですから。どうか、早く戦争が終わりますように。

 


朝日歌壇4月23日

2023年04月24日 20時48分22秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

立ち上りソロパート吹く女生徒のテナーサックスに光集まる 東京都 村上ちえ子

 私は最近、よく吹奏楽を聴きに行くのですが、先日も地元の中学生の演奏を聴いて、その実力に驚いたものでした。彼らの夢をずっと追い続けてほしいと思いました。音大に行くという目標もいいけれど、アマチュアとしてずっと趣味で続けることもいいですよね。社会人になっても演奏していてほしいと思います。

高野公彦選

日本海ミサイル何発沈みしや木造船の霊眠る海       船橋市 佐々木美彌子

 北朝鮮がやたらミサイルを日本海に落としていますよね。本当に迷惑です。北朝鮮とロシアが地球の寿命を縮めているのは明らかです。いい加減にやめてほしい!

永田和宏選

その首がその身を引っぱるようにして沼面を白鳥飛びたってゆく 館林市 阿部芳夫

恐竜の肉でも食わせるつもりかよ献立表の飛竜頭読めず     横浜市 太田克宏

 一首目、白鳥が飛びたつ姿の表現がとてもいいと思いました。たしかに、首が体を引っ張っているみたいですよね。二首目、恐竜の肉とは、笑っちゃいます。飛竜頭は、がんもどきのことです。でもその勘違いが面白い。

馬場あき子選 

AIが人を探して自爆するそんな世界をアトムは知らず    霧島市 秋野三歩

乳牛を殺し生乳捨てるとふ輸入チーズを買ふに迷ひぬ    横浜市 芝弥生

 一首目、自爆ドローンの兵器のことだと思いますが、本当に鉄腕アトムが考えてもいなかった世界になってしまっています。私はロボットが人間を殺すということが、とても信じられないし、そうであってほしくないと思っています。まるで機械につぶされるように人が殺されてしまうのですから。アトムが描いたロボットの世界はとてもやさしかったのに・・・。二首目、私は旧仮名遣いの歌は本当は好きじゃないけれど、この歌の内容はどうしても選ばざるを得ないものなので。日本の乳牛を殺してまで輸入の生乳を減らさないというのは、おかしいと思いませんか?国内の酪農を保護しなくてはならない状況なのに、いつまでも外面ばかり気にするこの国の愚かさとしか言いようがない。昨日の地元の市議選も、立候補者は女性がたった二人。こんなことで、少子化対策なんかできるわけがない、ましてや国会なんかもっとひどい。政治家が家中心主義に凝り固まったおやじばかりでは、この国も亡びるしかないのですね。サイテーですよ。この先、乳牛だけじゃなく、高齢者も若者も、簡単に捨てられるんです。そして選挙のたびに、うそばかりつく政治家がこの国を牛耳っている。あーあ、なんで牛の耳なんだ??とにかく、二世や軽薄な人間ばかりの議員なんて、選ぶのも嫌だから毎回投票率が低いんですよね、それもわからずに、自分たちが選ばれたと思い込んでいる。これが本来の民主主義なのかな?腐った日本、腐った政治家、人心も腐るよね。せめてチーズは国産を!

 


朝日歌壇4月16日

2023年04月17日 22時37分35秒 | 短歌

馬場あき子選

原発の推進策に思うのは牛舎の壁に書かれし遺言     石川県 瀧上裕幸

ふきのとう十三年ぶりの天ぷらは苦み懐かし春の味する  須賀川市 近内志津子

 一首目、東日本大震災で、東北の酪農家がどれだけひどい目にあったか、自殺した人もいました。それがこの歌です。こんな状況で、いまだに完全に復興していないというのに、エネルギー危機だからと簡単に原発推進策に切り替えるなんて、この国はどうかしています。ドイツはすでに原発停止を果たしたのに。二首目、ふきのとうの天ぷら、いいですねえ。私はつい出来上った天ぷらを買ってしまうけれど・・。春を味わうのは、筍だけじゃないって。この歌は高野公彦氏も選んでいます。

佐佐木幸綱選

鴨帰る空見上げれば遠来の黄砂にかすむ山の輪郭     中津市 瀬口美子

死ぬまでは紙の新聞取りますよ新聞屋さんと約束をする  四日市市 園田信子

 一首目、黄砂は九州でとてもひどかったそうですが、ここ東京でも飛んでいました。なんでも、金属の粉も混じっているそうで、花粉症以外でも金属アレルギーの人も苦しいそうです。私もそれに近いので、その日は化粧して皮膚を保護して出かけました。偏西風が蛇行するために、黄砂がこちらにも来るのでしょうか、地球温暖化は怖いですね。二首目、来月から新聞代が値上げです。それでもやっぱり紙の新聞を撮り続けたいのは私も一緒です。最近はじっくり読む暇がなくて、後で読もうと取っておいた新聞が山になってしまっています。それと新聞にはさまっているチラシも重要な情報源だし、さらに猫トイレには必須の材料です。だから私もやめられません。

高野公彦選

芸術は政府のものにあらざると文化勲章辞退せし人逝く  東京都 上田国博

四百のミサイル買ふという国に三十一文字(みそひともじ)で我らあらがふ 朝霞市 岩部博道

 一首目、これは大江健三郎氏のことですね。今回は大江健三郎氏の追悼の歌が多かったです。私は彼の作品を読んだことはないのですが、その生きざまは尊敬します。二首目、本当にそうですね。反対する意志を表現しなくては。

永田和宏選

そんなものいったいどこで拾ったの捨てて来なさい正義だなんて  長崎市 牧野弘志

「あら貴女もう来ちゃったの」って尼さまに言われているかも杏子先生  福島県 安部みさ子

 一首目、すごく気の利いた皮肉ですよね。今の政治家には正義も何もあったものじゃないですから。二首目は、黒田杏子さんの追悼歌。尼さんは瀬戸内寂聴さん。本当にその光景が目に浮かびます。

 


朝日歌壇4月9日

2023年04月09日 15時04分40秒 | 短歌

永田和宏選

円周率みたいに呼びたくはない「あの日」は三月十一日   四街道市 山田麻衣

「卒業の前に好きっていうつもり」決死のメモがまわる3組 長野県 丸山志保

 一首目、サンテンイチイチは、確かに円周率みたいです。そんな風に呼ばれたくないという気持ち、わかります。二首目、これは大事件ですね。でもクラス中にメモが回っていては、なんだか打ち明けにくくないでしょうか。ちょっとかわいそう。そういう青春の思い出は、誰にでも心当たりがあるでしょう。

馬場あき子選

浪江町で被曝の牛を飼い続ける反骨の人を畏敬す吾は    いわき市 守岡和之

 私もです。あの時、あの地域の牛たちが放置されてどんな状態になったか、人間の犠牲になった家畜が多かったのに、被爆を顧みず、必死で飼い続けた人がいたのです。命を大切にするのは、ヒトだけじゃないはずなのに、このご時世で酪農家に無茶なことをいう国のやり方は、本当に許せないですよね。輸入牛乳を減らせばすむことじゃないですか。国内の酪農家を守れないなんて、サイテーな国です、日本は。テレビで役人が言っていましたよね。あまり乳を出さない牛を処分しろって。きっと、人間もそうなりますよ。怖ろしい国だ。

佐佐木幸綱選

野球など興味なかったにわかファンペッパーミルをさかんに真似て 甲州市 山下栄子

 私もその一人です。プロ野球には全然興味がなかったのにWBCに夢中になりました。この歌は高野公彦氏も選んでいます。侍ジャパンの優勝で、国内のプロ野球ファンが増えたのは、本当に良かったです。

高野公彦選

食パンにウクライナ産の蜂蜜を塗って子は問う戦争のこと     川崎市 川上美須紀

 私はウクライナ産のボルシチの素(瓶詰)を持っています。蜂蜜も、いいなあ・・・。お子さんにどう答えたのか、ちょっと知りたいですね。早く戦争が終わってほしいです。くたばれ、プーチン!

 

 


朝日歌壇3月26日

2023年03月27日 19時50分03秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

青空に常念岳とコハクチョウ白さ際立つ安曇野の冬    長野市 塚田國雄

原発の稼働すすめる人達よ崩れ原発見に来てほしい    いわき市 馬目弘平

 一首目、冬の空気が透き通っている様子がうかがえて、とてもすがすがしい歌だと思いました。自然の雄大さに、動物も入ってとても気持ちがいい歌ですね。二首目、ウクライナ戦争でエネルギー危機になると、すぐに国は方針を変えて原発再稼働に動く。あの福島原発事故をどう思っているのか。許せないですね。

高野公彦選

麦踏みも落穂拾いも死語として老農ひとり乗るトラクター 三重県 種村正夫

 ポツンと一軒家では、周りに家があったのに、いつの間にか一軒だけになってしまったというケースがよくあります。集落も、人が減り、老人だけでなんとか農業を続けている、こんな悲しい国がありますか?とても自給自足ができない国って、本当にこれでいいのでしょうか。

永田和宏選

私ではだめかと言えずモカ飲みし煉瓦造りの喫茶店にて  下呂市 河尻伸子

 言えばよかったのでしょうか、青春の1ページのような光景です。誰もが、そんなことあったような。それぞれの人生に、必ず馴染みの喫茶店があるはず。私はよく、結婚前に彼と代々木のTOMという喫茶店で待ち合わせしていましたっけ。一人でくつろぐための喫茶店は、下北沢のカフェマルディグラ。今もあるんですよ、懐かしいです。そういえば最近は、そういう喫茶店がないなあ。家でドリップコーヒー飲んでいるからか、時間があればベローチェかドトールに行くだけみたいな・・・。でも、昔は喫茶店は確かに、文化だったような気がします。

馬場あき子選

もう一度楽器手に取る日が来れば愛を唄ふと銃持つ兵士   さいたま市 斎藤紀子

プーチン氏見るたびに思う大連にてソ連の兵が襲いきし夜  郡山市 遠藤雍子

 一首目、この矛盾が恐ろしいです。銃を持って戦わなくてはならないのに。誰だって人を殺したいとは思わないのに、国を守るためにそうしなくてはならないって、おかしい。どうして誰も戦争に反対をしないのか、反対できないというのがおかしくない?もう、そう言っても仕方ないのかもしれないけれど、納得いきません。二首目、ソ連は不可侵条約があるのに、日本の敗戦直前に満州を攻撃してきたのです。満蒙開拓で大勢の移民が、それも老人と女性と子どもだけなのに、ソ連兵は殺人とレイプを繰り返したのです。あれは戦争犯罪だと思います。私の知り合いも、その当時のことがトラウマになって、ソ連兵の事を「赤鬼」と言っていました。戦争の恐怖は、体験した人にしかわからないけれど、想像することはできます。どうか早くプーチンがくたばりますように。

 


朝日歌壇3月19日

2023年03月20日 16時50分47秒 | 短歌

馬場あき子選

卒業生の顔忘るまじ今日だけはマスク外させ最後の授業  西尾市 丸山富久治

救出の度に拍手の沸くトルコ拍手沸かざりウクライナには 観音寺市 篠原俊則

 一首目、コロナ禍でずっとマスクを外せなかった生徒たち、給食も黙って食べるなんて、本当にかわいそうだったと思います。せめて最後の授業だけは、みんなの顔をしっかり見届けたいという先生の気持ち、そして生徒たちも素顔を見せあって卒業してほしい。こんな時に人生の一番いい時期の青春を過ごしたことは、本当に気の毒でなりません。この歌は佐佐木幸綱氏も選んでいます。二首目、大地震があったトルコと、1年以上戦争が続いているウクライナ。同じ瓦礫でも、こんなに違いがあるなんて。同じ命なのにとつらいです。

佐佐木幸綱選

いつまでも上司のごとく命ずるな妻になじられ後ずさりする 東京都 松本秀男

 恐妻家なのでしょうか、ちょっと気の毒なご主人です。がんばれーと言いたくなりますね。

高野公彦選

戦争を知らぬ世代の世となりて「はだしのゲン」の削除を憂う 広島市 吉川徳子

十二年前のわれらに重なりぬトルコ、シリアも戦禍の民も   久慈市 三船武子

 「はだしのゲン」が広島市の小学校向けの平和教材から外されたことがニュースになりました。原爆投下の広島がなぜ?と、日本中がざわざわしたのではないでしょうか。戦争は風化させてはいけないのです。当時の生の声をもとに作られた「はだしのゲン」には、平和を訴える力があるんです。こんなことでいいのか・・。今回の歌壇ではこの点について多く読まれていました。二首目、3.11から12年です。でも、復興したと言えるのでしょうか?トルコやシリアも大地震で瓦礫となってしまいました。地球で生きている限り、地震から逃げることはできない。でも、戦争は避けられたはずです。とても悔しい。

永田和宏選

教材の「はだしのゲン」を差し替える広島なのに広島なのに 観音寺市 篠原俊則

 この歌もはだしのゲンがテーマです。くりかえしの「広島なのに」がとても心に響きますね。私は篠原さんの短歌がとても好きです。


朝日歌壇3月12日

2023年03月13日 18時38分52秒 | 短歌

永田和宏選

数学を好きにはなれぬまま生きてどっぷり浸かる数独の罠  茨木市 瀬川幸子

 私も数独にはまっています。瀬川さんと同じように数学は苦手だったのにです。頭を使うのは、脳トレにもなるしボケ防止にもなりますね。

佐佐木幸綱選

こほろぎを牛の代はりに食ふといふいのちを食らふことに変はらず  和泉市 星田美紀

 本当にそうです。牛だろうが、コオロギだろうが、それぞれ命があるのですから。私たち人類は、他の動物の命をいただいて生きています。それを絶対に無駄にしないよう、きちんと考えなくてはいけないはずです。昔、「いのちの食べかた」というドキュメンタリー映画を見ました。家畜がどうやって人間の口に入るのかということを延々と丁寧に説明していたような記憶があります。また、衛星放送の実験段階の時、闘病で入院していた父の家で、素晴らしい番組を見ました。ドイツの農家で、一年に一度、飼っていた豚を殺してどこも捨てることなく血までもソーセージにするというプロセスを見たのですが、感動しました。子どもの前で飼っていた豚を殺すのですが、こうして私たちはその豚をいただいているということを子どもに教えているのです。

高野公彦選

ウクライナ、トルコの夥しい瓦礫人の狂気と自然の脅威    春日井市 伊東美紀子

 東京大空襲もそうでした、阪神淡路大震災も東日本大震災もそうでした。自然災害なら仕方ないとも言えないけれど、戦争で瓦礫になるなんて、どうしてその戦争が起きてしまったのか、どうして戦争を止められないのか。もう、瓦礫は見たくない、誰もがそう思っています。自然災害は、なるべく耐震構造にするとかもっと改善できることがあると思います。でも、戦争はそうはいかない。人の日常をずたずたにする、人の命を奪う。こんなことがいつまでも続いていい訳はないのです。ロシア国内で反戦運動が起きることを強く願っています。これ以上、無駄に人の命を奪ってほしくない。