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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇8月6日

2023年08月06日 15時26分56秒 | 短歌

永田和宏選

Vの字にカットされたる片耳は真白き仔猫の桜ひとひら    仙台市 武藤敏子

議論するべきは財源ではなくて軍拡自体であるはずなのに   東京都 十亀弘史

マネキンが着れば素敵なワンピース買いたいけれど思いとどまる 京都市 中尾素子

 一首目、耳をV字にカットするのは地域猫の証です。仔猫だけれど、避妊手術したのですね。これからしっかりいい一生を送ってほしいです。猫好きに囲まれて幸せに暮らせますように。二首目、本当にそうですよ、どんどん軍事費を拡大させて、これが戦争放棄の国でしょうかね。自衛隊に志願する若者も減っているのに。戦うのはやめましょう。三首目、この短歌で高校時代のことを思いだしました。近所の衣料品店で買ったワンピースを着てバスに乗ったら、同じワンピースを着たおばさんがいたんです。ものすごくショックでした。そのおばさんの年齢も今の私は超えているかもですね。

馬場あき子選

ため池を泳いで渡る蛇を見てこれぞ田舎の醍醐味と知る   盛岡市 舟山治男

 かっこいいですね、蛇が泳ぐなんて、まるで龍ではないですか。私は蛇が嫌いではないから、その光景を見てみたいです。

佐佐木幸綱選

旅先の高揚感で下手なのに弾いてしまった街角ピアノ    吹田市 中村玲子

 そうそう、旅先ではけっこう普段できないようなことしてしまいますよね。いいじゃないですか、街角ピアノはうまい人だけが弾くものではないし、音楽を楽しめればそれでいいのですから。らしくない自分を見つけるのも旅の醍醐味ではないでしょうか。

高野公彦選

球児らの足並み揃わぬ行進に平和の証と母呟けり      高槻市 寒川のり子

夏草にすがりし蝶に声かけて草刈り鎌の試し切りする    三浦市 秦孝浩

 一首目、わかります。一糸乱れぬ行進って、まるで軍隊ですよ。私も大嫌いです。二首目、やさしい心遣いですね。蝶にどいてもらわないとって。


朝日歌壇7月30日

2023年07月31日 21時14分59秒 | 短歌

高野公彦選

戦争が終わっても地中に来ぬ平和 地雷の除去に数十年とぞ   横浜市 竹中庸之助

またひとりおさな子逝けり戦争のないこの国に生まれしものを  東京都 八巻陽子

タイタニック見学ツアーの遭難と数多なる死の露骨な格差    横浜市 森秀人

 一首目、地雷撤去は本当に大変な作業です。ウクライナは世界有数の小麦生産国なのに、とんでもないことですよね。この戦争はどれだけひどいことを未来に残しているのか、プーチンは頭が足りないのか、ただただ非道な人間なのか、極悪人にはちがいないけれど、この先歴史には悪名としてだけ名前が残ることでしょう。すべての人間に呪われるがいい!地獄を引き起こした最低の人物です。二首目、戦争はない、一応平和の国と言われているこの日本では、児童虐待で子供の命が奪われています。せっかく生まれてきたのに本当にかわいそう。さらにこの国では、不法在留外国人として、非人道的なことが当たり前のように国が行っているのを、国民があまり認識していないのです。もし、あなたが外国でそういう目にあったらどうします?日本人の料簡の狭さは、どこからきているのか、不思議でなりません。そもそも、法律って、人のためにあるはずなのに。どこまでも不自由でどこまでも男女差別があり、不公平極まりないこの国は、本当に民主主義国家といえるのか、頭に来ますよ。三首目、あのニュースの事ですよね。相当高額なツアーでリスクも説明されて契約したから、保険がおりないのでしょうね、死んでも。とんでもなく狭い空間でただただ沈んでいるタイタニックを見たいからそんな危険でも顧みずに冒険だと参加した全員が亡くなりました。そのタイタニックでは、誰もが危険と思わずに処女航海に参加して遭難し、大勢が亡くなった。人の死の取り上げ方の違いには、差別じゃないかと思うくらいの格差があります。とても悲しいことです。

馬場あき子選

夏の日の疲労こんぱいの海この海にまもなく混じる「処理水」のこと 水戸市 中原千絵子

 疲労こんぱいの次には、心配な「処理水」ですよ、なんと恐ろしい。いくら基準値を大幅に下回っていると言っても、原発汚染水だということでは誰だって怖いです。魚がもっと取れなくなっちゃうかもしれないし、こんなものを流す人類って、悪者でしかないでしょう。人間って、どこまで傲慢なのでしょうか、恐ろしいです。


朝日歌壇7月23日

2023年07月24日 15時02分44秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

メルカリに出した私の青春を岐阜の誰かがポチッと買った  草加市 大原悦子

 今はこんな便利なものがあるから、思い切って捨てようとしたものがこうやって買われるということもあるんですね。一緒に、青春の思い出も共有してもらえるといいけれど。私はここに引っ越すときに、戸建てに住んでいたあらゆるものの処分を、勤務していた施設のお祭りのバザーに出したり、ジモティーを使ったりしていました。亡夫のCDなどはディスクユニオンで1枚1枚査定してもらい、けっこうなお金に化けました。ほかはもう、ただ同然でしたが、それはしかたのないこと。ジモティーでもただでこちらの品物をもらっておいて、値段をつけて売っているという忠告をもらったことがありました。それでもその手間を考えると、それはその人の勝手だと諦めるしかありません。ただ、その人の人間性を疑いますよね。だから、青春の思い出がその人の手にわたってどうなるかまでは考えない方がいいのかもしれません。人間って、あざとい生き物なのだから。

高野公彦選

「丁寧に説明をする」処理水の放出はもう既定という意味  観音寺市 篠原俊則

新宿で荷を降ろすとき上高地の余韻響かす熊除けの鈴    松戸市 舘修一

 一首目、常連篠原さんの歌、いつも楽しみにしているんです。社会的な短歌というジャンルがあるのかな、国の政策への批判が鋭く歌われていて爽快です。二首目、登山が趣味の人の都会への帰還ですね。上高地だから、熊はツキノワグマ、私がどうしようもなく好きな熊です。本当は熊だって人間には近づきたくない臆病者のはずなんです。どうにか共生をはかってほしいと切に願うばかり。

永田和宏選

さつきから話してゐるがこの人の名が浮かばない三駅過ぎるも 匝瑳市 椎名昭雄

 いやあ、スリリングな光景ですね。私も近いうちにそういうことになるのかもしれません。最近特に人名が浮かばなくなりましたから。多分、こういうことを経験している人は大勢いると思います。きっと別れてから思いだすこともあると思いますよ。


朝日歌壇7月16日

2023年07月17日 12時16分17秒 | 短歌

馬場あき子選

気がつけば地球はすべて危険のみ逃げる場所なくこの島に居る  秋田市 高橋りか

まぼろしの傷痍軍人辻に立ち戰なき世は来たかと問ひぬ     東京都 嶋田恵一

 一首目、本当にそうだと実感します。この災害級大雨で東北も大変な被害を受けました。秋田市の高橋さんは、大丈夫だったのでしょうか、心配です。本当に逃げるところなんかないですよね・・・。二首目、久しぶりに聞きました、傷痍軍人という言葉。私は昭和32年生まれですが、リアルな体験だったのか、ニュースやドラマで見たのだったか、包帯を巻いた「傷痍軍人」をなんとなく覚えているのです。先の戦争で負傷した人たちこそ(もちろん戦死した人たちも)、二度と戦争は起こしてはならないと心に誓っていたはずです。だから日本の憲法に「戦争放棄」があるのに、自衛隊の防衛予算はどんどん増えるし、ウクライナ支援はいいけれど武器のようなものを支援してしまわないかも疑問だし、このままでいいのでしょうか。横田基地は本日も米軍機はうるさいですよ、沖縄程じゃないけれど。この状態を本当に平和と言えるのか。日本に来た難民は、なかなか難民指定を受けられず、日本人はどうして外国人を自分たちと同じように見られないのか、まるで戦前と同じですよね。中国人や朝鮮人への差別。そして女性差別。国際的なレベルから言ったら相当な後進国ですよ。先日、各国の担当大臣が並んだ写真をみたのですが、日本人だけ男性で、あとはみんな女性。どれだけ日本は遅れているのかね。

佐佐木幸綱選

ぴょんぴょんと横断歩道をうれしそうに親の後追い子熊も渡る  北広島市 軽部進

 北広島市は北海道の市なんですね。だから、熊はヒグマです。彼らも地球上で生きる権利がある動物です。なんとか人間と共生してほしいと願っています。アイヌは神と崇めていたはず。

高野公彦選

資料館見て献花してなお核を減らそうだけのG7宣言      アメリカ 大竹幾久子

 本当に情けないですよね。ただ、象徴になるように広島で開催したという成績を岸田総理が残したかっただけでしょう。非核への道はほとんど止まっているんじゃなくて?むしろ、核戦争への危機が本当に現実となってきている気がします。こんなことになっていいのか?アジア人だから許されるのか?

永田和宏選

ただ一軒歩いてゆける書店にて週刊朝日休刊号買う      中津市 瀬口美子

 中津市も大雨の被害がすごかったと思いますが、瀬口さんは大丈夫でしたでしょうか?書店がどんどんなくなっていくのは、本当に悲しいことです。私は図書館利用をどんどんするようにしていますが、人気の本はなかなか順番が来ません。本を買うことが出版業界や書店への応援になるのですが、年金生活者としてはなかなか・・・。とにかく若者が本を読まないというのが、つらいことです。住んでいる地域に近い立川で、絵本のエルマーシリーズの展覧会が10月まであるのですが、懐かしいですね、ストーリーは覚えていないのですが、絵は鮮明に覚えています。竜がかわいいのですよ。ぜひ、観に行こうと思います。

 


朝日歌壇7月9日

2023年07月09日 16時04分34秒 | 短歌

佐佐木幸綱選

もやもやがすっぽりおおうこの国の報道自由度六十八位    横浜市 大曽根藤子

一人で行くワクチン接種六回目五回目までは二人だったのに  中津市 桐生正子

 一首目、本当に報道に関してだけでなく、この国ってもやもやしてますよね。政治家もただ選挙のために動いているだけで、本当に国民のことなんか考えていないように思えて仕方ないです。報道も、それに忖度しているようで、真実を伝えているのかって思います。ああ、腹が立つ。二首目、きっとご主人は亡くなってしまったのでしょうか。一人で行く寂しさがひしひしと伝わってきます。私は始めから一人ですけど。あ、この前の6回めは、彼が迎えに来てくれましたっけ。

高野公彦選

まだ選挙終わらないから財源ははっきり言わぬ少子化対策     観音寺市 篠原俊則

ズッキーニトマトピーマン茄子胡瓜 野菜は買うから育てるものへ 菊池市 神谷紀美子

 痛快短歌の篠原さん、待ってましたですね。その通りなんですよ。国民は騙されているし、バカにされています。悔しい限り。せめてあいつらの報酬減らしたい!二首目、まるで戦中みたいですね。物価が高騰して野菜もバカ高くてとても買えなくなりましたから、家庭菜園でなんとかしなくちゃです。私はマンション住まいなので何もしていません。マンションの友人は農園を借りて野菜を育てています。先日は大葉とミントをいただきました。でも、この暑いさなか、農作業は大変です。熱中症に気をつけましょう。この暑い夏を、あといくつ経験しなくてはいけないのか、考えただけでぞっとしますね。


朝日歌壇7月2日

2023年07月03日 16時28分51秒 | 短歌

高野公彦選

現役の時に使った名刺入れ診察券のホルダーとなる   川崎市 小島敦

 定年退職してからは、病院通いで何かと診察券が増えていきますよね。私もそうです。最近は電子化されてまるでクレジットカードみたいな診察券ばかりですよね。そのうちトランプができるようになるかもです。

永田和宏選

面会のアクリル板が外されて今日は祖母から話し始める  横浜市 菅谷彩香

 ようやくですよね。お店も施設もアクリル板も取り外されて、対面できるようになりました。おばあさんはうれしかったことでしょう。

佐佐木幸綱選

見えないと無いのと同じことに成るはだしのゲンが消えた教材 筑紫野市 二宮正博

 原爆をリアルに伝える漫画が、教材から外されてしまったら、どうやってその事実を伝えることが出来るっていうのでしょうか。本当に残念なことです。何万人と言う日本人が一瞬で殺されたという現実は、忘れてはいけないことです。だからこそ、日本は憲法9条で「戦争放棄」を謳っているのに。先日家に届いた通販生活2023盛夏号では、「はだしのゲン」が小冊子で差し込まれています。ぜひ、読んでください!


朝日歌壇6月25日

2023年06月26日 16時35分31秒 | 短歌

永田和宏選

「核のなき世界をめざす」と言うけれど「核を捨てる」と誰も言わない  朝霞市 岩部博道

 核戦争は誰もが望まないことだけど、核兵器を持っている国はたくさんあります。こんなおかしな世界って一斉にみんながやめればいいのに。不安だからと時限爆弾をそれぞれが持っている。そしてこのウクライナ戦争で、気が変な政治家がもし、・・・と考えたら本当に恐ろしいですよね。核を断捨離してほしいものです。

馬場あき子選

脱穀の今盛りなり麦畑ウクライナへの想いいや増す     三鷹市 吉松英美

広辞苑まっさらのまま隅飾る近くの本屋も閉店真近か    栃木県 大野木和子

 ウクライナで戦争は始まってもう1年以上経っています。世界の穀物畑が地雷だらけになってしまっているので、まだまだ穀物不足は続きますよね。それよりも、どれだけ人の命が失われているのか。先日のワグネルの反乱で戦争が終わるのかと思ったのに。悔しい限りです。二首目。私は本屋が大好きです。子どもの頃にちょっと歩いて行った先の商店街に勝山書店がありました。あの書店の栞が大好きでした。本屋が存亡の危機、もうどうすることもできないのでしょうか。スマホやPCで読むなんて絶対に嫌です。本だけは、紙ベースで読みたい。なんでもあんな小さいスマホでって、高齢者にはとてもきついことです。どうか、本屋の逆襲で生き残ってほしいと切に願います。

 


朝日歌壇6月18日

2023年06月19日 17時38分00秒 | 短歌

馬場あき子選

小一と四歳の子にせがまれて二人抱っこするママの細腕   栃木県 川崎利夫

母の日や母のない子のさみしさを知っていそうな花屋の店主 宇都宮市 手塚清

 一首目、よく見かける母子の様子ですが、本当に大変だと思います。二人も抱えるなんて、重労働ですよね。昨日も、中央線で都心から青梅線直通に乗ったのですが、直ぐ近くに母子が座っていてそのお母さんはずっと寝ているのです。大丈夫かな、この電車、立川で青梅線に入るけど・・、と心配になりました。二首目、「時には母のない子のように」という歌が昔流行りました。なんとなく思いだしました。父の日よりも母の日の方が、強力ですよね。父はどうも、あまり子供に好かれない??

佐佐木幸綱選

蛍烏賊寄せくる初夏の富山湾われは居酒屋に「立山」で待つ 東京都 上田国博

 「立山」という日本酒、おいしいですよね!いいなーー。私も待っていたいです。

高野公彦選

食べ物を食い物にするテレビショー見つつ偲べりアフリカの飢餓 五所川原市 戸沢大二郎

 食べ物を食い物という表現は面白いです。確かにそうですよね。私が嫌いなのは、メガ盛りとか、大食いの番組。食べ物をなんだと思っているのかって、頭に来ます。その日食べるものがない人間もいるのに。せめて、食べ物を粗末にしないように心がけましょう。

永田和宏選

マイナンバーいつかはきっと徴兵の手段に利用される日のくる  宮崎市 木許裕夫

 私もそれを危惧しているのです。今日はモーニングショーで自衛隊の人数がとても足りないと言っていました。強制的に軍隊に入れられてしまいそうな世の中も近いかもしれません。入隊4年以内に辞める人も多いとか。一生の仕事なんて、本当はなかなかあるもんじゃないですよね。私も、転職が趣味と言われていたクチでしたし。個人情報がだだもれしそうで、本当に怖いです。


朝日歌壇6月11日

2023年06月12日 16時31分31秒 | 短歌

永田和宏選

デニソワもネアンデルタールも皆消えたホモ・サピエンスは自ら崖に  福島県 添田敏夫

 デニソワという言葉、初めて知りました。なんでもアジアの旧人類絶滅種だとか。デニソワという名前は、シベリアの洞窟の名前から。ウクライナ戦争を引き起こしたのもロシアだし、もしかしてこの戦争で核兵器が使われたら、いよいよホモサピエンスが絶滅することになるのかもしれませんよ。

馬場あき子選

五キロで踏むと爆発する地雷ゆゑ四キロの犬ウクライナを救う     京都市 森谷弘志

 あのダムの破壊で水没した地域にも地雷があるから、とんでもなく厄介なことになっているそうです。人を殺すためだけの地雷、人だけではないですね、動くものなら人以外でも動物も殺されます。4キロの犬ならということですが、大変、うちのハッチ(飼い猫)は5キロあるから地雷にやられちゃう!もう戦争を早く終わらせてください!こんなこと、どうして許されるのか全然わかりません。くたばれ、プーチン!!!

佐佐木幸綱選

竹製の三十センチ物差のかすれた目盛り父の手触り       稲沢市 山田真人

 たいていの家には昔は、竹製の物差がありました。何回かの引っ越しの度にそれは消えてなくなってしまいました。残念ですね・・・。

高野公彦選

献立と短歌(うた)を交互に考えつつスーパーへ向かう夕暮れの道 川越市 津村みゆき

 主婦ですねえ。献立も短歌も日常の中で考えるというのは。短歌はふとしたときに浮かんでくるものですから、いつもアンテナを張っていないと。それぞれの感性と個性、大切にしたいです。献立も大事ですが、それは食材の何を買ってどう使い切るかというちょっとしたパズル、短歌ももしかして、言葉のパズルなのかも。ともに楽しまなくては、つまらないですよね。

 


朝日歌壇6月4日

2023年06月05日 20時29分16秒 | 短歌

高野公彦選

戦中の産めよ増やせよ思ひ出づ少子化対策と呼称変はれど   志摩市 田畑実彦

 いまさら、男ばかりが集まって少子化対策考えるなんて、もうすでに一周遅れのようなもの。世襲議員の日本という国に好意を持たなくなった国は多いと思います。確かにあの岸田一族の傍若無人なふるまいは、誰も文句言えないのかもしれませんが、本当に「親ガチャ」の典型ですよね。こんな人たちに日本のかじ取りを任せていいなんて、とても思えません。私がお願いしたいのは、この件を国民が絶対に忘れないでほしいということです。つまり、今後の岸田一族を議員に当選させてはいけないということ。恵まれている人間は、それこそ、自分のためではなく、他者のために何かをすべき存在なのだと思います。産むのは女性です。この国では、女性の地位があまりに低い。まるでイスラム圏のようですよ。国会議員も地方自治体議員も、女性が半数いなくては少子化対策なんてできないのですから。許せないですね。

永田和宏選

高橋は四つの口がありながら愚痴や無駄口叩かぬ奴なり     名古屋市 今出公志

4回も半分にして「数独」に折り目が来ない絶妙な位置     八千代市 砂川壮一

 一首目、この発想がとても面白い。確かに高橋という名字の漢字には4つも口があります。それなのに、寡黙で誠実な人となりが、よく表現されていますよね。こうありたいとは思うのですが、私は口から先に生まれてきたような、直ぐに思ったことを口に出して失敗ばかりしていました。ここまできたらもう、体質も性格も変わらない。好きに生きるしかないですよねえ。二首目、私も別刷りbe紙面の数独は、毎回チャレンジして応募しているのです。長く解答してきましたが、折り目については全く考えていませんでした。でも、この紙面を持ち歩いて電車でも外出先でも解いている読者がいるかもしれませんよね。そしてその心配りに感動しました。ありがとうございます。

馬場あき子選

石垣の無口なタクシー運転手指さす先に新設の基地        枚方市 細美哲雄

 これが日本の現実です。本土の人間は米軍基地の事をよく知らない。私も、それで福生市に越してきましたが、とにかく米軍機の騒音がひどいのです。それでも沖縄やその周辺に比べたらまだまだましなほうだと思います。なんのために?なぜこういう状況になったのか、誰も知らずに政治が行われているというのが本当に怖いです。知る権利を捨ててはいけないのです。

佐佐木幸綱選

青春の「朝日ジャーナル」捨てました明日から老人ホームに暮らす  海南市 樋口勉

 これは切実な歌です。私も65過ぎていて高齢者の仲間ですから、いつそうなるかもわかりません。引越しの度に思い出の品を捨てていきますが、最後は本当にほとんどを捨てて介護施設に入るのでしょうか。とはいえ、この少子高齢化で人手不足ですから、介護施設に入れるという保証はありません。逆に、自分の城で最後まで居続けるという生き方ができればと思います。がんばりましょう!