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ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

いのちの食べかた

2008年08月23日 22時43分30秒 | 映画

 今日は、楽しみにしていたカタログハウス東京の学校でした。下高井戸シネマで「いのちの食べかた」を見損なって、どこで見られるのか調べていたら、なんとカタログハウスの8月の学校でこの上映会があったのでした。早速申し込んで、上映後のトークのゲスト、内澤旬子さんの著書「世界屠畜紀行」も図書館で予約していました。そして昨日、ようやく八王子の図書館でこの本を借り、読んでみたらなんと面白いこと!もう、釘付けでした。写真撮影が禁止の場所も多く、彼女のルポライターという特技でその様子はイラストで描かれているのですが、とにかく文章も絵も素晴らしく面白いのです。イキイキとしていて、ワクワクしました。

 映画は、ナレーションがまったくなく、映像を見ながら自分で想像するしかないのが不安でしたが、訴えたいことはその分、自分で想像から創造することでより強烈になってくるという不思議なドキュメンタリーでした。

 つまり、大規模化による食の生産、屠畜の現場から、現代人が遠く離れてしまった食のリアルな姿を見て学ぶことができるのです。本来なら当たり前のような常識がすっかり見えなくなっている現実を実感させられました。

 動物を食べることは、きちんと感謝していただくことだったのです。それを忘れた現代人は、きっといつか、動物界、自然界からしっぺ返しを食うとは思っていましたが、それがBSEやO157だったということでしょうか・・・。

 私が食文化にこだわるのも、以前にNHKBSで、ドイツの田舎の農家が飼っていたブタを一匹屠畜して全てを使いきってソーセージなどを作る番組を見たからです。あの番組には感動しました。その農家の子供たちにも、大事に飼っていたブタを殺すところを見せるのです。食べるということがどういうことかを強烈に体感できるわけですから。すごいと思いましたね。目を背けず、そして食の大切さを覚えさせる、なんという素晴らしい世界!!

 70年代までは日本も、放送でそういうシーンもあったそうですが、それ以降はマスコミが自主規制してすっかり報道しなくなったそうです。そのわけは??部落問題がそこにあるからです。明治期の映画の「橋のない川」から何も変わっていないのでしょうか??

 家畜を肉にすることは決して穢れとか不浄の行為ではないはずなのに・・・。それに、そこから革を作る作業なんて、私も教えてもらいたいくらい。私は以前にも書いたけれど、本革が大好きです。ブランドものの人工皮革なんざ、軽蔑の対象でしかありません。

 ユニコーンのマークのフランスの革製品のバッグに一目ぼれしたのは、パリに友人と遊びに行った20年近く前です。あのきめ細かくビロードのような素晴らしい肌触りにぞっこんほれ込んでしまったのでした。その前から、革のバッグは大好きでしたが、もう虜になりました。日本では手に入らないのが残念。メンテナンスもよくなかったのか、今ではあの当時の肌触りは味わえないのですが、それでも今も素敵・・・。そのときにカルティエの財布も買ったのですが、その後なくしてしまい、夫が質屋で買ってくれたのがいまひとつ気に入らず、日本では後発の型押しの財布になってしまって二度と手に入らないと思っていたら、6年前にシエナの料理研修に行ったときのパリの空港で同じものを見つけ、ようやく又手に入れることができたあの革の肌触り、たまりませんね!いいものはいいとして、ずっと作り続けることこそ大事なのです。うーん、ブランドは嫌いとはいいながら、カルティエだけは別・・?!

 と、革が大好きな私としては、肉は食べて革だけ残酷なんて動物愛護の言い分にはとても納得がいきません。全てを捨てることなく使い切ること、これこそがその犠牲にしたものへの恩返しになるのではないでしょうか?革に文句があるのなら、肉も食うな!ですよ。シルクと革は自然の素晴らしさと美しさの最高峰です、うーーん、たまらないなー。

 えらく、本筋から外れてしまった気がしますが、食文化の裾野は広いのです。日本も、屠畜現場はもっと明るくオープンになってほしいですね。私は内蔵系が大好きですから。

 というわけで、図書館で借りていたのに会場でも内澤さんの本を買い、早速サインまで貰って帰宅し、とにかく「肉が食べたい!」とばかりにスーパーでチョリソソーセージの半額になっているのを見つけ(ラッキー!)さらに缶ビールも買って、家でさっそく食べました。ああ、なんて幸せ!肉はおいしい。

 最後に、屠畜現場を見ていて思い出したのは、大好きな映画「薔薇の名前」の最初の殺人事件発覚現場。中世の教会内の、ブタをさばくところでのブタの血を溜めていた大きなつぼから遺体が発見されたというシーン。

 食に関して、延々と蜘蛛の子を散らすようにあちこち話が飛んで、とまりません。この辺でおしまいにするとして、この映画のサイトはこちらです。ぜひ、多くの人に見てもらって現実を知ってほしいものです。内澤旬子さんはいま、朝日新聞の連載小説「徒然王子」の挿絵を描いています。だからではないけれど、作家島田雅彦さんになぜだか似ていると思いました。彼女は、あまり外に出たくないと言っていましたが、もったいなーい、とても美人です!島田雅彦を女性にした感じです(彼も美形ですから)。彼女の本はものすごく面白いので、ぜひ、読んでみてください。


今夜、列車は走る

2008年08月05日 20時30分44秒 | 映画

 今日、久しぶりに下高井戸シネマで映画を見ました。ずっと楽しみにしていたアルゼンチン映画「今夜、列車は走る」です。

 ずっと前に沢木耕太郎が新聞に載せていて、見たいなと思っていたのですが、ちょうどその後に下高井戸シネマ10周年の冊子とリクエストのアンケートが届いたので(友の会会員だから)この映画をリクエストしました。

 廃線によって失業した鉄道員たちの話です。それぞれが職探しを始めるのですが、なかなかうまく行きません。身につまされる話です。日本だって、同じような状況ではないでしょうか。誰も何も思わない、鉄道員たちが失業しても。誰も何も行動しない、まるで国がないかのよう。それはアルゼンチンに限らず、この日本のことを言っているとも思えるのです。会社都合で振り回されるすべての労働者諸君に見てもらいたい映画です。悲しくて涙が出ます。でも、最後は、働くことの誇りを取り戻すような映画です。見に行ってよかった。

そうそう、書き忘れたので、追記します。この映画の主人公5人のうちの一人、一番若い男性が、ものすごくイケメンなんですよ。まるで若き日のアラン・ドロンを見ているようです。ぜひ、それをお確かめください!


グレン・グールド 27歳の記憶

2008年06月03日 20時04分12秒 | 映画

 今日、夫と一緒に下高井戸シネマのモーニングショウでカナダの1959年のドキュメンタリー映画「グレン・グールド 27歳の記憶」を見ました。
 前回私が見た映画のときに、この映画の予告を見て、絶対に夫は見るべきだと思ったのでした。たった1時間の上映作品ですが、見ごたえ、聴きごたえのあるものでした。クラシック好きなら誰もが名前を知っているグレン・グールド。奇人といわれていた彼の素顔が実にユニークでした。絶対にニューヨークには住まないで、カナダの田舎にこだわる彼と愛犬の生活は素敵です。そして、インタビューからわかる、彼の学校嫌い、なかなか興味津々でした。昔の映画のプロジェクター上映で、音声もちょっとよくなかったけれど、グールドの演奏のすごさと録音技師たちの腕のすごさには感服しました。

 夫も満足したようでした。

 11時すぎには上映も終り、ピッツェリア・トニーノの開店時間までまだちょっとあるので、先日、NHKでも放送されてしまった(元大乃国さん、スイーツ王子が訪問したのでした)ノリエットに行き、明日のカルテット練習のおやつの焼き菓子を買い、さらに自宅用にフルーツのゼリーも買ってしまい、夫を呆れさせたのでした。まあ、滅多に来ないし、この前はお休みだったんですもの。そして、トニーノ開店ちょっと前で、雨だしどうしよう、と思っていたところ、スタッフが開店準備をして店を開けてくれたので、一番乗りしました。今日はランチのBコースで、パスタとピッツァをそれぞれ本日のメニューにして、二人で分けて食べました。結局、グラスワインも二人とも白も赤も頼みました。いやー、とてもおいしかったです。


ぜんぶ、フィデルのせい

2008年05月13日 15時19分13秒 | 映画

 今週、台風2号もあって、なんだかばたばたしています。もう、今日しかゆっくり映画が見られないかも!と、夫を(この台風のさなか)義母に会いに行くのを見送って、そそくさと下高井戸シネマにでかけました。そして、見たのがこの「ぜんぶ、フィデルのせい」という、しかめっ面がかわいいお嬢ちゃんの視点で描いたフランス映画でした。
 チラシを見てからずっと気になっていた映画ですが、何か得した気分です。というのも、ジェンダー運動も関係していたからなんです。70年代のパリを舞台に、お互いブルジョワ出身の雑誌記者のママと弁護士のパパが、フランコ政権によって亡命せざるを得なかった夫の姉と娘がきっかけで、人権運動にかかわって生活も変えていく夫婦に抵抗する9歳の娘と、次第に自分でいろいろ考えて行動する彼女の成長記録?がなんともほほえましいのです。フィデルとは、ひげ面共産主義者のフィデル・カストロのことです。70年代のパリの空気がわかって、非常に面白かったです。特に、革命とはいいながら、女性解放運動には夫が反対するあたり、どこの国のオトコも同じものなんだな、と妙に納得したりして・・。

  日本にも、女性解放運動の中ピ連なるものがありましたっけ。パリのほうは、中絶を合法化する女性たちの運動です。カトリックの国だから、そりゃ大変なことだったのでしょう。そして、娘の同級生が泊まりに来ているときに同級生が見てしまったパパのオチンチンによる波紋・・・?!家庭によって、性教育への考えがあまりに違うこと。ヒロインのアンナには、弟がいるので、それは当たり前のことだけれど、女系家族ではそれはかなりの衝撃には違いない・・・。

 昔、子供だったころの視点で作った見事なドラマです。やっぱり、フランス映画は面白い!!そう、この映画で、キューバのことはすこし知っていてもチリのこと、何も知らなかったことに気がつきました。最近では、チリの格安ワイン、けっこう飲んでいるくせにです。もっと勉強しなくちゃ・・・。


10周年、おめでとう!

2008年04月18日 16時51分14秒 | 映画

 先日、下高井戸シネマから郵便が届きました。封を開けると、なんと、10周年のお知らせと記念招待券に、ここ10年の上映作品を載せた小冊子が入っていました。うれしいですね!
 下高井戸シネマは、地元商店街に根ざした、素敵な映画館です。経営危機に陥り、どこも引き取り手がないのを引き受けてから10年という歳月、素晴らしい映画をたくさん上映してきたのでした。私は、たぶん、その前のころから、下高井戸シネマで映画を見てきたと思います。なんと、昔は、京王が映画館を運営していたそうな。そういう歴史については、こちらに詳しく載っています。
 前の京王の名画座のころに、私はルコント特集など、2本立てをよく見たんだと思います。懐かしいです。これからも、たくさん、面白くてマイナーなヨーロッパやアジアの映画を上映してくださいませ!今回の手紙に、アンケート用紙も入っていました。もちろん、いろいろ書きますよー。

 ご隠居を連れて、トニーノとセットで映画鑑賞をしにいきます。楽しみ!


4分間のピアニスト

2008年04月05日 21時42分23秒 | 映画

 タイトルに惹かれてとても気になっていた映画でした。今日が下高井戸シネマのメインでの初日で、ご隠居(夫)を誘って2時20分の回にでかけました。
 夫には、友の会に入会するときに貰える招待券を渡し、私は友の会会員値段で入りました。彼を誘ったのも、もう会社に行かなくなって1ヶ月近く、毎日、スーパーくらいしか出かけないので、たまには一緒に外出もと思ったのです。以前も下高井戸シネマで映画を見たとき、ついでにすぐ近くのピッツェリアトニーノで食事もしたのでした。そして、今日も、映画の前にトニーノに行きました。1階はとても混んでいて、2階に通されました。そこはまるで別世界、トスカーナの別荘にいるみたいなのです。1階に比べてとても静かですし、雰囲気が素晴らしい!そしてメニューを見て、平日はランチセットがあったのに土日はないので、お薦めのメニューからアンティパスト、ピッツァ、パスタを選び、ガヴィをグラスでもらいました。アンティパストはいわしのマリネで、とてもおいしかったですし、ピッツァも野菜たっぷりのもので、ナスとパプリカ、豚肉(おそらくサルシッチャ)など、いい具合にのっていて素晴らしいハーモニーでした。そしてパスタも手打ちで豚肉と春キャベツのソースがなかなか!パスタの時にはさらにグラスで赤ワインを注文しました。最後は、エスプレッソでしめて、駅の本屋によってから映画館に到着。どんどん混んできて、今日は花見に人が行くから空いていると思っていたのは見事に外れました。
 この「4分間のピアニスト」は、かなりユニークな映画です。見終わってから、夫が「怖い」と言っていました。たしかに、主人公ふたりの(女性囚人と高齢の女性ピアノ教師)過去にはかなり秘密があって、それがこの映画に深い影を与えているのです。刑務所という閉ざされた世界、なんとも恐ろしいものがあります。一体、どこからこういう映画を撮ろうと映画監督は考えたのでしょうか・・・。最後まで、クラシック以外は低俗な音楽だと言い切った教師と、ほとばしる情熱というよりも衝動を演奏に反映させる殺人の冤罪を引き受けた女性のこの映画のラストは、なかなか見応えと聴き応えがありました。ピアノが好きなら、きっとこの映画も気に入ると思いますよ。


ONCEダブリンの街角で

2008年03月03日 13時06分15秒 | 映画

 昨日の日曜日、夫が休日出勤で出かけたのをいいことに、せっせと下高井戸に行き、かねて注目していた映画「ONCEダブリンの街角で」の12時30分からの回を観てきました。日曜日に行ったのははじめてくらいでしたが、けっこう混んでいて、なんとか後ろの席に空きを見つけて入り込みました。
 映画は、まるでドキュメンタリーのような感じでした。それは、かなり少ない制作費で、カメラもハンディカメラなのではという撮影だったので、そう思ったのでしょう。私はアイルランドを見るのははじめてでした。ちょっと古そうなダブリンの街角で、ストリートミュージシャンをしている主人公と、日雇い仕事を見つけては何とか生活している子連れで母親と同居のチェコからの移民の若い女性との出会いと音楽でのつながりを淡々と描写しているのですが、これがたまらなく素敵なのです。彼女は、小さな娘を抱えていることから恋愛には発展したくないという事情もあり、お互いに好意を持っていても友情の域を出ないのです。でも、それがこの映画をさらに素敵にしているんだと、私は思いました。いまどきは男女なんて簡単に関係を持ってしまいますが、そうならずにいい関係でいることが二人の愛情を昇華させることになるのではないでしょうか。単純なラブストーリーではなく、まさに音楽によって気持ちを重ねることの素晴らしさを教えてくれる映画なのです。言葉が通じなくても、音楽で心が通うのです。
 貧しい彼女の唯一の楽しみ、それは楽器屋さんのオヤジさんがいい人で、昼休みに店のピアノを弾くことを許してくれる、その時間が彼女の生活の中で一番の楽しいひとときだったのでしょう。そこにストリートミュージシャンの主人公を連れて行き、彼の作った歌を一緒に弾くのがなんともいいんですよね。音楽の原点の姿がそこにあるのです。

 そういえば、その楽器屋さんに、「今日はヤマハはないよ、売れちゃったから」といわれていましたが、この映画の上映前の予告編の「僕のピアノコンチェルト」でも、ヤマハのグランドピアノを使っていました。まあ、こちらはヤマハがスポンサーだから・・。アイルランド映画も、少しはヤマハからお金もらえばいいのに!?

 日本の楽器って、意外と世界的に有名だったりするんですよね。ヤマハももう一流だし、なんだか、ギターも相当、有名なメーカーがあるらしいです。ヴァイオリンやヴィオラも、がんばってほしいけれど、そっちはどうなのかな?

 少ない製作費でこれだけいい映画ができるとは、なんと素晴らしいことでしょう!何十億という製作費でろくでもない映画を作り続けるハリウッドって、いわば、地球温暖化の原因を作っているともいうべき元凶なんじゃないかしら?ハリウッド、ざまーみろです(私は滅多に見ないのです、メジャーなアメリカ映画は)。これからも、マイナー映画を見続けるぞー!!

 ひとつ、観損ねたアイルランド映画があるのです。「麦の穂をゆらす風」です。去年の3月に下高井戸シネマで上映していたんです、ああ、悔しい!DVDを買うしかないのかな・・・。

 


映画「この道は母へとつづく」

2008年02月25日 18時44分57秒 | 映画

 今日、下高井戸シネマで映画「この道は母へとつづく」を見てきました。

 新聞に載っていて、見たいとずっと思っていたんです。私はどうも、少年に弱いんですよね。「さよなら子供たち」や「コーリャ愛のプラハ」、「コーラス」など、どうも、小さな子供が出てくる映画は見てしまいます。
 そして、今回は、ロシアがたぶん舞台の、孤児院の少年がどうしても母親に会いたいと、養子縁組が決まっているのに脱走して探しに行くという、サスペンスともいえる映画でした。
 見ているだけで、ロシアの冬の寒さが伝わってきそうでした。この厳冬のように、彼らの将来も、辛く厳しいもので、唯一の幸せになる道が、海外への養子縁組。でも、仲介者と孤児院とのお金のやり取りやら、ほかの孤児院の少年の年長者のギャングまがいの組織など、いろんな話が出てきます。それに翻弄されながらも、必死で文字を覚えて自分の母親探しのために鍵を手に入れて機密書類を見たいと願う、たった6歳の少年。それに、なんとか力を貸してあげる先輩の悪がきどもが、なかなかいいのです。たぶん、売春してお金を得ている先輩のお姉さんの、なんとも優しいこと。彼女が一番手を貸してくれたんだけれど、たしかに、どの人たちも、本当は悪くなく、いい人たちなんですよ。もちろん、仲介者も、手数料をがっぽり取るのでしょうけれど、本当に少年たちにとって養子縁組がいいことだと信じてやっているんだと思います。それが、現実にもたくさんある話なんでしょう。
 そういえば、ブラジル映画の「セントラルステーション」でも、そういう養子縁組の話がありました。実は、臓器移植やそういうことに使うんじゃないかという話。本当に恵まれていい人生を送ることもあるけれど、そうじゃない場合もあるらしい・・・。

 映画に出てくる孤児院は、本物だそうです。今も、そうやって親に捨てられる子供がいるんだってことです。でも、子供は、母親をどうしたって求めるものです。なぜ?それは、自分が母親から生まれてきたから。父親なんか、目じゃないです(そうです、男女ともにね)、母という存在が、どんなに象徴的か、どんなに幸せをもたらすか・・。それを思うと、もう切なくてたまりません。

 いい映画でした。あの坊やのひたむきさに、みんなが力を合わせるのがうれしいです。母は、永遠の存在なんですね。


NAKBA パレスチナ1948

2008年02月07日 09時50分42秒 | 映画

 今朝、ついにNHKの朝のニュースで、この映画「NAKBA」を取り上げました。たまたま見ていて、うれしく思いました。
 私はこの映画のチラシを持っています。報道カメラマンの広河隆一氏の初監督作品です。

 NAKBAとは、大惨事という意味です。1948年、イスラエルが建国されましたが、そのときの出来事を、パレスチナ人は、そう呼びます。

 イスラエル建国について、私は世界史の教科書でしか知りませんでした。そしてそのとき、不思議に思ったんです。確かにユダヤ人は迫害されて、第2次世界大戦ではナチによってとんでもない被害を受けました。彼ら民族の悲願であるイスラエル建国が約束されたわけですが、その場所は、2千年前に約束された土地ということですが、そこにはすでにだれかが住んでいるのに、そんなことができるのか?
 イギリスを中心に決めたことみたいですが、すんなり行くわけはないですよ、どう考えても。もし、私たちの家が、2千年前に約束してあることだといって立ち退きを迫られたらどうします?それを、武力でもっていきなりそういうことをされ、以来、パレスチナ難民が生まれたのです。どうして、ナチの国ドイツにイスラエルを作らなかったのか??私は納得できません。
 歴史は、その「はじまり」をきちんと検証しないことにははじまらない。そのとおりだと思います。実際、現在のイスラエル人も知らなかった事実なんですから。

 土地を奪われるということがどいういうことか、日本人には想像もつかないと思います。

 多くの人が、この映画を見るべきです。そして、今地球上にある紛争問題を、それから解決していけば、もっと違うことができるのではないでしょうか。

 よその国のことではない、そういう感覚を持つこと。自分がいずれ35歳になるのに無神経に暴言を吐く芸能人みたいにならないよう、人はもっと学ばなくてはいけません、もっと知らなくてはいけません。

 パレスチナ人の苦悩を、もっと知り、もっと自分のことのように考えましょう!

 そして、今起きている紛争地、アフリカ、チェチェン、そのほか多くの地の人たちへ、もっと想像力を働かせましょう。
 平和は、多くの人たちが本気で望めば、希望が持てるはずです。まずは、知ること。

 「たった一本の映画が世界を変えることもある」 NAKBAを見よう!


ミス・ポター

2008年01月12日 14時47分53秒 | 映画

 今日は寒かったので、家にいても灯油を無駄に消費してしまうからと、見たかった映画を下高井戸シネマに見に行きました。それは、ピーター・ラビットの作者ベアトリクス・ポターの映画「ミス・ポター」です。雨の中、ギリギリに行ったので、チケットと傘を入れるビニール袋もらって、片手では処理できず、ロビーでうろうろしてしまいました。連休の初日ということもあって、いつもより館内は人がたくさん・・・。私は一番後ろの席に荷物を置いて、トイレに行ってから飲み物は諦め、すぐに席に着きました。一番後ろの列は初めてでしたが、とても眺めがよくて、映画の大自然も思いっきり堪能できました。
 そして、割と好きなピーターラビットの誕生の様子や、彼女の自立心と親との葛藤、イギリスの当時の上流階級のしきたりへの抵抗など、感情移入して一緒になってみていました。彼女が結婚への抵抗をしめして親には手慰み程度にしか思われていなかった絵本作家としての自立を目指し、その一歩を一緒に歩んだ出版社の男性との恋、そして別れ、もう涙、涙でした。運命は本当に残酷です。最初に出版社に行ったときのあの兄弟と同じ兄弟とは思えない恋人のノーマン、彼が死んでしまうなんて、あんまりじゃあないでしょうか・・・・。でも、彼の死後もたぶん、ちと冷たい感じの彼の兄弟が後を引き継いで彼女の本をずっと出版してくれたってことなんですよね。
 彼女がナショナルトラストという自然保護運動に携わっていたのはなんとなく聞きかじりで知っていました。自然を残すことがどんなに大事か、地球温暖化が問題になっている今、それは一番の重要課題になっていることですよね。
 彼女のかわいい動物たちはスケッチの中で時々、動き出します。それがなんともかわいくて・・・。行きづらいロンドンを離れたのは正解でした。そして、最初にちと冷たい兄弟のどちらかに、ウサギがジャケット着ていると馬鹿にされたピーターラビットは、いまも子供たちのアイドルなんですから、うれしいじゃあありませんか。たぶん、画家を目指していた父親譲りの絵の才能が、彼女の人生を羽ばたかせてくれたんです。あの時代は、女性が自立して生きることがどんなにむずかしかったことでしょう。
 父の本に確か、彼女の本があったはず・・・。辞書を片手に読んでみようかな(読めるかな?)。心が温まる、いい映画でした。寒い中、行ってよかった。
 ところで、入り口でもたもたしていた例の一件、映画の終了後にロビーに出ると、忘れ物の場内アナウンスで呼び出されてしまったのです。なんと、会員カードをロビーで落していたのでした。親切な方が受付に届けてくださって、助かりました。