生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

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学問修行2017年7月21日(金):人についての神智学の主張のジナラジャダーサ『神智学の第一原理』による要約。personalty 人格とは

2017年07月21日 18時34分36秒 | 学問修行
2017年7月21日-1
学問修行2017年7月21日(金):人についての神智学の主張のジナラジャダーサ『神智学の第一原理』による要約。personalty 人格とは


 人と人に関係する存在者たちについての神智学の主張は、Jinarajadasa ジナラジャダーサ (1938) の『First Principles of Theosophy 神智学の第一原理』(pp.145-150)を要約すると、次の通りである。

 1. 人類の魂は、超魂 oversoul において個体化している。(動物では、種ごとに群魂 group soulとなっている。)

 2. 個々の魂 soul またはエゴ ego または個体性 individuality は、一つの人生、または化身または受肉 incarnation で一つの人格 personality [註1]を作る。

 3. 人格は、誕生に際して、心的体 mental body〔メンタル体〕、アストラル体 astral body〔星体〕、そして物質体 physical body をまとう。

 4. これらの三つの体のそれぞれは、それ自身の一つの生命と意識を持つ。それは、人格の生命と意識とは、きわめて異なっている。

 5. 各乗り物の「体意識」はそれぞれ、心体の「心的精霊 mental elemental」、アストラル体の「欲望精霊 desire elemental」、そして物質体〔肉体〕の「物質的精霊 physical elemental」として知られる。

 6. この体意識 body-consciousnessは、心的物体とアストラル物体のエレメンタル エッセンス〔四大の本質、元素精〕の生命と、物質体を作りあげる、鉱物的、植物的、そして動物的生命の流れの生命である。

 7. アストラル体と心的体の精霊は、エレメンタル エッセンスの生命から成る。

 8. エレメンタル エッセンスは、鉱物の生命よりも_前の_段階の顕現でのロゴスの生命の一つの相である。それは、生命の「下降弧」の途上にあり、「物質の中に下降しつつ〔潜りつつ〕」ある。その下降は、後に鉱物の生命、さらに後には植物と動物の生命となるためである。エレメンタル エッセンスの主な要求は、それ自身が生きていると、できるだけ多くの新しい方法で、感じることである。

 9. 欲望精霊は、アストラル体が目覚めること、実際に「目覚めている時」を持つことを好む。変化、新奇さ、興奮は、欲望精霊が生命の下降弧の途上で望むものである。

 10. 心的精霊は、心が一つの思考に保たれることを好まない。休むことなく、多くの様々な思考の振動を、その持ち主である人格に引き起こせるよう、切望する。

 11. アストラル体と心的体の持ち主であるエゴ〔我〕は、生命の_上昇弧_にある。

 12. 人の生と死とそれを越える仕事とは、自身の乗り物を統御することである。



[註1]
 神智学やトランスヒマラヤ密教の再生理論 reincarnation theory 〔転生説、輪廻説〕によれば、或る人の魂の光線の種類は、変わらない。魂より下位の光線の種類は変わり得る。
 たとえば、Benjamin Creme (1986) "Maitreya's Mission"の巻末にあるによれば、
  ナザレのイエス(4.0)     6-1-1-2-1  (24 BC-9 AD)
  ティアナのアポロニウス(5.0) 6-1-1-2-7  (16-c.97 AD)
 ここで、()内の数字は死亡時に到達した進化点 point of evolution または進化段階[註2]で、五つの数字の並びは、先頭から順に、魂、人格、心的装置、アストラル的乗り物、そして物質体の光線である。

 イエスの次の転生はアポロニウスである(要文献)。魂の第六光線は変わっていない。

 なお、西暦 Anno Domini とはイエスが生まれた翌年を起点とする暦である。イエスは「紀元前4年頃に生まれたと考えられている」(https://ja.wikipedia.org/wiki/西暦#.E8.A5.BF.E6.9A.A6.E5.85.83.E5.B9.B4.E3.81.A8.E3.82.A4.E3.82.A8.E3.82.B9.E7.94.9F.E5.B9.B4.E3.81.AE.E3.82.BA.E3.83.AC)。Benjamin Creme 氏(1922/12/5 -2016/10/24)によれば、グレゴリオ暦(太陽暦)への換算の際に誤りがあるという(文献失念)。

 personality (人格、個性、個格、性格、肉体人間、などと訳される)とは、Aart Jurriaanse (2001) "Bridges"、pp.143-144 によれば、
  「厳密に言えば、人格はその受け入れられた意味での真の形体 form というよりも、一つの概念とみなされるべきである。それは、三つの分離した乗り物、つまり生気体 vital body、アストラル体、そして心的体から成る包括形体 an inclusive form を表示する。しかし、これら三つの「体」が単に存在することは、それ自身では「人格」として知られるものを立てることにならない〔構成しない constitute 共に(組み)立てる、設置する〕。この指定は、三つの関係する体の諸エネルギーが完全に混合し終わった後にだけ、適用される。それは、これらの融合したエネルギーが、一つの調整された単位として機能することが可能になるときである。この本性の統合が成功すれば、個体性と自己意識の感覚がもたらされる。魂による効果的な統御 control が今や実装される be implemented からである。このような中心的自覚〔気づき〕awareness が存在し、情緒体〔感情体〕emotional body 〔=astral body〕を通して反応して生気体〔活力体〕 vital body によってエネルギーを与えられる心的装置を利用するところでは、「人格」という指定は正当なものとなる。この同一性の感覚は、しかし束の間のことで、持続するのはその特定の形体が物質的に存在する間だけである。というのは、その形体が「死」ぬとき、言い換えればその魂が物質的乗り物に興味を失って撤退するとき、エーテル世界へと分解し吸収されるだろうからである。」
(Jurriaanse 2001 "Bridges"、pp.143-144)。


[註2]
 人は神なのだが、物質を栄化するために下降し、今や上昇孤を辿る道にある。involution 内巻き、退化、逆進化は下降孤を辿り、evolution 開展、進化は上昇孤を辿ること。]


□ 文献 □

Creme, Benjamin. 1986. Maitreya's Mission. x+384pp. Share International Foundation. [B19900328, y3000]

Jinarajadasa, C. 1938 [5th edition; 1921 first edition]. First Principles of Theosophy [神智学の第一原理]. xi+465pp. Kessinger Publishing Company. [B19961105]

Jurriaanse, Aart. 2001[revised edition; 1978 First published]. Bridges . 526pp. Bridges Publishing. [B20021030, y4224x1.05]

学問修行2017年7月20日(木):八杉龍一 1948/11 『生物學の方向』、生命観

2017年07月21日 00時14分13秒 | 学問修行
2017年7月21日-1
学問修行2017年7月20日(木):八杉龍一 1948/11 『生物學の方向』、生命観

 今日、ひょいと手に取ったのが、下記の本。
 生気論に言及している部分を探してみた。

八杉龍一.1948/11/5.生物學の方向.179pp.アカデメイア・プレス.[定價\130.00][B19840924、1200円*明倫館書店]


 八杉龍一(1948: 81頁)は、生物学研究者の生命観を、およそ次の三通りに区別した。

  (a).第一見解。生命現象は物質現象である。したがって、物理化学的現象に完全に分解することができる。

  (b).第二見解。生命現象を分解していくが、生物についてすべて知りつくした後でなければ解決されない[?=知り尽くしたら、解決される。→知り尽くすとは、どういうことか?。また、どう判定するのか?。]

  (c).第三見解。生命現象を機械論的に、つまり物理化学的に方法で解明していくが、やがてその方法では解明できないもの、真のヴィタスに行きあたる。(生気論的傾向)


 「第二及び第三の見解は,かかる機械論的方法によつてはたして我々が生命を認識しつつあるか,認識できるか,という不安と懐疑の産物である。しかしこれらの見解はともに,問題の解決をただ遠方におしやつているにすぎない。〔略〕

 生物學における機械論的方法に對する批判は,本書を通じての課題である。とくに『生物學の方向』〔この本の最初の章、20-65頁。〕がこの問題に対する解答の主要な部分を含んでいる。また生氣論的展開に対しては,いまさら多くの言をついやす必要は無いであろう。もつとも私は,後にいくらかは機械論及び生氣論の問題にたちもどつて論ずる機会をもつつもりである。」
(八杉龍一 1948/11、81頁)。


 八杉龍一氏の著作では、八杉龍一 1965『進化学序論』は、氏の博士論文が元となっているようで、力作と言える。


□ 文献 □
八杉龍一.1948/11/5.生物學の方向.179pp.アカデメイア・プレス.[定價¥130.00][B19840924、1200円*明倫館書店]


□ 八杉龍一の著作一覧□

八杉龍一.1948.ダーウィニズムの諸問題.154pp.理学社.[y50]

八杉龍一.1948.生物学の方向.197pp.アカデメイア・プレス.[y130]

八杉龍一.1949.ダマルクからダーウィンへ.2+3+161pp.日本評論社.[y150]

八杉龍一.1951.生命.261+3pp.毎日新聞社.[y260]

八杉龍一.1965.進化学序論:歴史と方法.vii+362pp.岩波書店.[y750]

八杉龍一.1972.近代進化思想史.256pp.中央公論社.[y900]

八杉龍一.1973.一生物学者の思索と遍歴.358pp.岩波書店.[y2,000]

八杉龍一.1976.生物学的人間像.357pp.青土社.[y1,800]

八杉龍一.1977.ダーウィン.285pp.平凡社.[y1,000]

八杉龍一.1982.生物学と私.285pp.青土社.[y1,600]

八杉龍一.1984.生命論と進化思想.viii+228+4pp.岩波書店.[y1,700]

八杉龍一.1984.生物学の歴史(上).250pp.日本放送出版協会.[y750]

八杉龍一.1984.生物学の歴史(下).224pp.日本放送出版協会.[y750]

八杉龍一.1989.ダーウィンを読む.244+22pp.岩波書店.[y2,000]

八杉龍一(編訳).1994.ダーウィニズム論集.388pp.岩波書店.[B19941209, y670]