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学問修行2017年7月20日(木):八杉龍一 1948/11 『生物學の方向』、生命観

2017年07月21日 00時14分13秒 | 学問修行
2017年7月21日-1
学問修行2017年7月20日(木):八杉龍一 1948/11 『生物學の方向』、生命観

 今日、ひょいと手に取ったのが、下記の本。
 生気論に言及している部分を探してみた。

八杉龍一.1948/11/5.生物學の方向.179pp.アカデメイア・プレス.[定價\130.00][B19840924、1200円*明倫館書店]


 八杉龍一(1948: 81頁)は、生物学研究者の生命観を、およそ次の三通りに区別した。

  (a).第一見解。生命現象は物質現象である。したがって、物理化学的現象に完全に分解することができる。

  (b).第二見解。生命現象を分解していくが、生物についてすべて知りつくした後でなければ解決されない[?=知り尽くしたら、解決される。→知り尽くすとは、どういうことか?。また、どう判定するのか?。]

  (c).第三見解。生命現象を機械論的に、つまり物理化学的に方法で解明していくが、やがてその方法では解明できないもの、真のヴィタスに行きあたる。(生気論的傾向)


 「第二及び第三の見解は,かかる機械論的方法によつてはたして我々が生命を認識しつつあるか,認識できるか,という不安と懐疑の産物である。しかしこれらの見解はともに,問題の解決をただ遠方におしやつているにすぎない。〔略〕

 生物學における機械論的方法に對する批判は,本書を通じての課題である。とくに『生物學の方向』〔この本の最初の章、20-65頁。〕がこの問題に対する解答の主要な部分を含んでいる。また生氣論的展開に対しては,いまさら多くの言をついやす必要は無いであろう。もつとも私は,後にいくらかは機械論及び生氣論の問題にたちもどつて論ずる機会をもつつもりである。」
(八杉龍一 1948/11、81頁)。


 八杉龍一氏の著作では、八杉龍一 1965『進化学序論』は、氏の博士論文が元となっているようで、力作と言える。


□ 文献 □
八杉龍一.1948/11/5.生物學の方向.179pp.アカデメイア・プレス.[定價¥130.00][B19840924、1200円*明倫館書店]


□ 八杉龍一の著作一覧□

八杉龍一.1948.ダーウィニズムの諸問題.154pp.理学社.[y50]

八杉龍一.1948.生物学の方向.197pp.アカデメイア・プレス.[y130]

八杉龍一.1949.ダマルクからダーウィンへ.2+3+161pp.日本評論社.[y150]

八杉龍一.1951.生命.261+3pp.毎日新聞社.[y260]

八杉龍一.1965.進化学序論:歴史と方法.vii+362pp.岩波書店.[y750]

八杉龍一.1972.近代進化思想史.256pp.中央公論社.[y900]

八杉龍一.1973.一生物学者の思索と遍歴.358pp.岩波書店.[y2,000]

八杉龍一.1976.生物学的人間像.357pp.青土社.[y1,800]

八杉龍一.1977.ダーウィン.285pp.平凡社.[y1,000]

八杉龍一.1982.生物学と私.285pp.青土社.[y1,600]

八杉龍一.1984.生命論と進化思想.viii+228+4pp.岩波書店.[y1,700]

八杉龍一.1984.生物学の歴史(上).250pp.日本放送出版協会.[y750]

八杉龍一.1984.生物学の歴史(下).224pp.日本放送出版協会.[y750]

八杉龍一.1989.ダーウィンを読む.244+22pp.岩波書店.[y2,000]

八杉龍一(編訳).1994.ダーウィニズム論集.388pp.岩波書店.[B19941209, y670]