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生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

事故は予想しない時に、予想しない原因から起こり、予想しえない結果を生ずることが多い

2011年07月01日 22時05分44秒 | 生命生物生活哲学
2010年7月1日-1
事故は予想しない時に、予想しない原因から起こり、予想しえない結果を生ずることが多い

 2011年6月29日に京都大学で行なわれた原発講演会での、荻野晃也氏による「地震と放射能汚染」の
16:36分ころに、示されたスライドは、「ベックの法則」というものであった。

********** 荻野晃也氏「地震と放射能汚染」の1スライド

ベックの法則

(ベック博士が1964年までの21年間に、246基の米国原子炉施設において発生した事故記録を解析した上で得た結論)
C.K. Beck: Proc. 3-th Conf. Atomic Energy, Geneva, 1965

(1)最大想定事故(M.C.A.)は起こりうると考えるべきである。
(2)事故時には安全装置が働かないことがある。
(3)事故は予想しない時に、予想しない原因から起こり、予想
   しえない結果を生ずることが多い。

これに対する推進派の考え方:希望的観測に終始。非科学的。
(1)そんな事故なぞ起こるはずがない。
(2)働かないはずがない。どれかが作動するはずだ。
(3)あらゆることまでかんがえてあるから大丈夫だ。

**********

 核分裂型原子炉は、制御が困難であり、事故が起きるとその影響の深刻さと地理的広範囲さはきわめて大きい。

  <事故は予想しない時に、予想しない原因から起こり、予想しえない結果を生ずることが多い>

 今回の事故となり得る事に対しての安全対策をとったとしても、次の事故は(少なくとも原発推進する人たちの)想定外のことから起きるかもしれない。
 科学技術の適用には、その製造物の運転によって生じる廃棄物の空間的時間的規模も考えるべきである。原発が作り出す1日の放射性廃棄物を1日で無毒化できない限り、(核分裂型の)原発は作ってはいけなかった。

 ところで、武田邦彦氏への岩上安身氏による会見、
110630「武田邦彦×岩上安身」
http://www.ustream.tv/recorded/15710358

は一見の価値多いにあり。
 







学問修行2011年6月29日

2011年06月29日 22時18分54秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月29日-1
学問修行2011年6月29日

 没後100年 青木繁展―よみがえる神話と芸術/京都国立近代美術館/前売1,000円。
 「青木繁」再考という文章での「物質感」云々が何を指しているのか、わからなかった。
 コレクション展は、ルドンなど。森村泰昌《海の幸・戦場の頂上の旗》は、このような題の一つの映画ではないとのこと。「戦場の頂上の旗」は東京とどこかで二回見たもの。「海の幸」は時間がなくて見ることを断念。

 
 下記の原発講演会:
  小林圭二「原子炉の構造とメルトダウン」 と
  荻野晃也「地震と放射能汚染」 が、
USETREAMで視聴できる(2時間12分13秒)。
http://www.ustream.tv/recorded/15689147
http://www.ustream.tv/recorded/15688183[17:14、最初の13時頃]

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
原発講演会
 日時:2011年6月29日(水)13時~16時
 場所:京都大学吉田キャンパス,物理系校舎313室
   (時計台から東へ,1,2号館のさらに東にある8階建てのツインビル)

 1. 原子炉の構造とメルトダウン
  講師:小林圭二(元京都大学原子炉実験所教員)
 2. 地震と放射能汚染
  講師:荻野晃也(元京都大学工学研究科原子核工学教員)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


報道媒体(報道メディア)と報道および論評活動

2011年06月22日 23時06分45秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月22日-7
報道媒体(報道メディア)と報道および論評活動


 自治体で、あるいは母親たちが、子供の健康を守るために、放射線測定器を購入していると、報じられている。政府も文部科学省もそして大手メディアも、国民が知りたいことや尋ねたいことを報じないからである。
 いろんな方面での根本的改革が必要である。それには、国民が個々に、また恊働して声を挙げ、助け合うことが肝要だろう。

 さて、週刊ポスト2011年7月1日号に、長谷川幸洋氏と上杉隆氏の対談が掲載されている。
 
  「長谷川 この大震災、原発事故からの3か月で、世の中の受けとめ方が実は相当、変わったと思う。〔略〕原発の放射能漏れなんかについて、政府のいっていること、東電のいっていることがウソじゃないかと、普通の人がみんな気がついちゃった。放射線量一つとっても、みんな疑いの目でマスコミを見始めたわけです。」(週刊ポスト 2011年7月1日号、34-35頁)。

 大手新聞などの記者から構成される記者クラブの弊害が言われて久しい。たとえば、『週刊読書人』に連載されて単行本になった、岩瀬達哉(2001)『新聞が面白くない理由』である。

  「長谷川 〔略〕経産省の広報室長が私の上司、論説主幹のところに電話で抗議してきた。で、今度はその抗議の経緯を書いた。そうしたら次は経産省記者クラブの東京新聞記者を懇談出入り禁止処分にしてきたから、それもまた書いちゃった。
   上杉 〔略〕海外のメディアは、圧力がかかっても全部書いちゃうんです。そしたら、圧力はかけられなくなりますよ。これを1970年代、1980年代からずうっとやってきてるから、海外の新聞は圧力に屈しない体質になった。」(週刊ポスト 2011年7月1日号、35頁)。



関西は脱原発へ

2011年06月22日 21時13分12秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月22日-6
関西は脱原発へ

 2011年6月22日夜、テレビの報道によれば、山田啓二京都府知事は、原発の運転再開には、京都府の了解を得るようにする協定を結びたいと申し入れたらしい。関西電力は真摯に検討すると。

 4月27日の定例記者会見で脱原発を表明し、
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110621mog00m040011000c.html

先日、関西電力に15%節電協力の根拠を問い、「15%の根拠も不明で『原発が必要』と言っているに過ぎない。こんなことに協力するつもりはない」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110621mog00m040011000c.html

と述べ、また、大阪市長に脱原発のために具体的にどうするのかと問うた、
橋本徹大阪府知事は、
テレビの報道によれば、本日、くそ暑いピークにエアコンを切るといったがまんをすれば、原発は運転せずに済む。それとも、原発のリスクをかかえたままでいるか、府県民のみなさんの判断だと述べた。

 ところで、毎日jp、2011年6月22日 20時00分によれば、

  「フランス・パリの空港で静岡産緑茶から欧州連合(EU)基準の2倍を超える1キロあたり1038ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で、静岡県は22日、製造元の同県御前崎市にある製茶会社の同製品サンプルを検査し食品衛生法の暫定規制値(500ベクレル)を超える981ベクレルを検出したと発表した。
 〔略〕
  この農家が生産した荒茶は約1600キロで、フランスに輸出した製茶会社に1440キロを販売し、残りを自ら製茶にして約40の顧客に販売したという。」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110623k0000m040052000c.html

とあるが、静岡県での検査に漏れたということなのか? あるいは、抜き取り検査もしていないということなのか?



理念無き政治、人格無き学識、道徳無き商業

2011年06月22日 01時07分48秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月22日-1
理念無き政治、人格無き学識、道徳無き商業

 2011年5月23日、参院行政監視委員会で小出裕章氏が参考人として述べた言葉(が文字起こしされたもの)である。最後に、ガンジーの言った7つの社会的罪を挙げている。

  「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪という事を言っていて、彼のお墓にそれが碑文として残っています。
 一番初めは「理念無き政治」です。
 この場にお集まりの方々は政治に携わっている方々ですので十分にこの言葉をかみ締めていただきたい。
 そのほかたくさん「労働無き富」「良心無き快楽」「人格無き学識」「道徳無き商業」これは東京電力をはじめとする電力会社に当てはまると私は思います。
 そして「人間性無き科学」。これは私も含めたいわゆるアカデニズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。」
http://www.monipo.net/blog/nuclear-power-plant/gyouseikansi-110523/


http://hhashiguchi.jugem.jp/?eid=391

http://futakin.txt-nifty.com/blog/2011/05/post-a828.html
によれば、ガンジーが言った「7つの社会的罪」とは、

  1.理念なき政治 Politics without Principles
  2.労働なき富 Wealth without Work
  3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience
  4.人格なき学識 Knowledge without Character
  5.道徳なき商業 Commerce without Morality
  6.人間性なき科学 Science without Humanity
  7.献身なき信仰  Worship without Sacrifice
  (7つの社会的罪~Seven Social Sins~マハトマ・ガンジー)

だそうである。
 worship without sacrificeは、犠牲なき崇拝だろうか。献身はdevotion、信仰はfaith。faithは信または信心と訳すべきか。


案内:原発講演会/原子炉の構造とメルトダウン、地震と放射能汚染

2011年06月21日 13時07分04秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月21日-1
案内:原発講演会/原子炉の構造とメルトダウン、地震と放射能汚染

 2011年3月11日に起きた大地震をきっかけとした福島第一原発の事故にかかわって、
  原発の構造,地震との関係,事故の原因,事故の対策,原発の将来,などについて
また、
  日本のエネルギーなどの明日の姿について
考える原発講演会があります。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

原発講演会
 日時:2011年6月29日(水)13時~16時
 場所:京都大学吉田キャンパス,物理系校舎313室
   (時計台から東へ,1,2号館のさらに東にある8階建てのツインビル)

 1. 原子炉の構造とメルトダウン
  講師:小林圭二(元京都大学原子炉実験所教員)
 2. 地震と放射能汚染
  講師:荻野晃也(元京都大学工学研究科原子核工学教員)

 福島原発については,連日多くの報道が流され,多くの専門家の解説がなされています.しかし,世界中の多くの人々は、何を信じていいのか,何かが隠されているのではないかと疑心暗鬼に陥っています.福島原発はなぜ事故を起こしたのか? 他の原発は安全なのか? という問いは依然として疑問符がついたままです.また,「安全神話」,「想定外」,「メルトダウン」,「御用学者」などの言葉が現れました.これらの言葉も,大きな問題をはらんでいます.すなわち,神話はどのようにして作られたか? 想定は誰がしたのか? メルトダウンは電源喪失が原因とされているが,地震の振動で配管破損と冷却水喪失が生じたのではないか? 御用学者と京都大学の関係はどのようなものか? などがあげられます.これらの問題は科学,とくに工学の本質に根ざしており,この解明なくしては同じ誤りを繰り返します.
 このたび,1970年代から原発の危険性を一貫して警告されてきた小林圭二氏と荻野晃也氏を京都大学に招いて、原発の構造,地震との関係,事故の原因,事故の対策,原発の将来,などについて説明していただきます.そして,日本のエネルギーなどの明日の姿について考えましょう.

 主催:縮小社会研究会(http://vibration.jp/shrink/)
 共催:京都大学安全センター

 当日参加可ですが,予約(先着150名)は,松久(matsuhisa(at)me.kyoto-u.ac.jp)まで

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


以上(☆範囲内)、
http://vibration.jp/shrink/right0.html
から転載。

 また、原発に関する講演会のお知らせ:
http://blog.goo.ne.jp/bgfanclub/e/5728343081335edffdd53be1986d025e


原発事故関連雑記2:放射線リスクに関するICRPモデルとECRRモデル

2011年06月17日 23時32分28秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月17日-1
原発事故関連雑記2:放射線リスクに関するICRPモデルとECRRモデル


 日本学術会議は2011/6/17づけで、「日本学術会議会長談話「放射線防護の対策を正しく理解するために」」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d11.pdf

を出した。

  「私たち日本学術会議は、日本の放射線防護の基準が国際的に共通の考え方を示す ICRP の勧告に従いつつ、国民の健康を守るためのもっとも厳しいレベルを採用していることを、国民の皆さんに理解していただくことを心から願っています。」

と述べている。この文中には、ICRPに対しては

  「ICRPのモデルは放射線リスクを過小評価している」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

と批判的なECRR(欧州放射線リスク委員会)の報告については、

  「英国健康保護局(en:Health Protection Agency)はECRRについて「公的機関と関わりのない独自(self-styled)の組織」とした上で「恣意的であり、十分な科学的根拠を持たず、ICRPについては多くの曲解が見られる」と批判」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

があるらしいことや、「非公式な委員会」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

だからだろうか、出てこない。

 さて、ICRPの防護基準の3つの原則には、

  「第2に、今回のような緊急事態に対応する場合には、一方で基準の設定によって防止できる被害と、他方でそのことによって生じる他の不利益 (たとえば大量の集団避難による不利益、その過程で生じる心身の健康被害等)の両者を勘案して、リスクの総和が最も小さくなるように最適化した防護の基準をたてること」

という、第2の原則があるらしい。「大量の集団避難による不利益やその過程で生じる心身の健康被害等」をどう算定するのか知らないが、余計なお世話といいたくなる。推定値次第で、放射線リスクを相対的に考慮しないことになる。

 このICRPの防護基準の原則を適用して、

  「今回のような放射性物質による環境汚染が発生した場合にも、年間 1mSv と いう平常時の線量基準を維持するとすれば、おびただしい数の人が避難しなければならないことになり、かえって避難者の多くにそのことによる身体や心の健康被害などが発生する危険性があります。」(日本学術会議会長談話「放射線防護の対策を正しく理解するために」)

となったらしい。転倒している。避難による身体や心の健康被害などが発生しないように避難する算段を、日本学術会議は提案してもらいたい。

 ところで、日本学術会議緊急講演会「放射線を正しく恐れる」が開催される予定らしく、

  「◆日 時: 2011年7月1日(金)10時00分~12時30分
   ◆場 所: 日本学術会議 講堂
   ◆主 催: 東日本大震災対策委員会
     〔略〕
   第二部 放射線から身を守る仕組み
    講演3.国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告の意味
        佐々木康人 (社)日本アイソトープ協会常務理事(連携会員)
    
    講演4. 非常事態にどうすべきか
      柴田徳思 
日本原子力研究開発機構J-PARCセンター客員研究員(連携会員)」

とあり、質問をぶつければ、きわめて有意義に参加できるのではないだろうか。放射線を「正しく」「恐れる」ことができるそうである。

 
 さて、ECRRのクリス・バズビー博士によれば、

 1a. ICRP(国際放射線防護委員会)は、内部被曝をリスクモデルの計算に入れていない。
 1b. ECRR(欧州放射線リスク委員会)、内部被曝をリスクモデルの計算に入れている。

となるだろう。あるいは、

 1a. ICRP(国際放射線防護委員会)は、内部被曝をリスクモデルの計算に少ししか入れていない。
 1b. ECRR(欧州放射線リスク委員会)、内部被曝をリスクモデルの計算に大きく入れている。

となるのかもしれない。

 
  「ICRPやECRRの学者・研究者の間では、「被曝線量」に安全値はない、できれば自然の放射能も避けるべきだという医学的知見がコンセンサスになっていることを考えれば、ICRPの主張は原発存続発展のためには少々の放射線被害者がでてもやむを得ない、という主張に他ならない。

 もう少しわかりやすく平たく説明すれば、京都大学・原子炉実験所、助教・小出裕章が次のように言うとおりである。

『 (放射線被曝の安全値)そんなものはない。今日本の放射線被曝線量限度は、国際放射線防護委員会(ICRP-International Commission on Radiological Protection)の勧告を基にして基本的には決められていますが、そのICRPも一貫して「絶対安全な被曝量」はない、と云っています。
ただし彼らは(ICRPは)、原子力産業界の片棒を担ぐ立場ですから、被曝線量基準値を決めて、それを守りなさいという風な勧告を出す。そしてそれがあたかも安全値であるかのように装っているわけです。その彼らも言うように、被曝線量に関して絶対安全値はありません。』
(小出裕章インタビュー第2回②の「被曝に絶対安全値はない」の項を参照のこと)」
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/yamauchi_ECRR2003.html

 
 ところで、ECRRによれば、

 「1955年以降、放射線の放出で死んだ人の総数は6000万人を超えている」

というらしいが、どういう算定方法によるのだろうか?


 
 「<参考資料>欧州放射線リスク委員会(European Committee on Radiation Risk ? ECRR)2003年勧告(ECRR2003翻訳委員会-改訂版)」は、
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/yamauchi_ECRR2003.html

 「ECRRのクリス・バズビー博士がICRPモデルの一面性を批判、内部被曝を考慮すべき」は、
 http://makikoi.blog47.fc2.com/blog-entry-184.html
 http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/286.html

 「福島原発事故:小出裕章インタビュー第2回」は、
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/hiroshima_nagasaki/fukushima/20110413_2.html


原発事故関連雑記1

2011年06月15日 00時49分32秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月15日-1
原発事故関連雑記1

 内閣府原子力委員会は、「原子力政策を推進の立場から検討する審議会」らしいが、専門家の意見では、

  「小林傳司・大阪大教授(科学哲学)は「原子力利用を継続するという結論ありきの議論では、国民の信頼を回復できない」と指摘。「原案を修正する覚悟で、脱原発シナリオも含めた政策選択の幅を国民にきちんと示すべきだ」と訴えた。

  原子力安全の専門家でもある北村正晴東北大名誉教授も「巨大地震を、実際には起こりえないと決めつけた『集団的思考停止』があった」と認めた上で、「脱原子力を含めた今後の政策判断は、市民や意見の異なる専門家と真摯(しんし)な対話なしには展望は開けない」と述べた。」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110615k0000m040076000c.html

とのこと。

 さて、「放射線医学総合研究所が原発事故後の3月25日に出していた「甲状腺等価線量評価のための参考資料」について、

  「「3月12日から23日までの12日間、甲状腺に0.2マイクロシーベルト/時の内部被曝をした場合(甲状腺等価線量)どうなるかを示している。
  〔略〕
  「1歳児(1~3歳未満)⇒108ミリシーベルトの被曝」
  「5歳児(3~8歳未満)⇒64ミリシーベルトの被曝」
  「成人(18歳以上)⇒16ミリシーベルトの被曝」」(『週刊現代』2011年6月11日号、35-36頁)

とある。


日本を変えよう。いたるところのここから、原発廃止へと変えよう。

2011年06月14日 23時53分20秒 | 生命生物生活哲学
2011年6月14日-2
日本を変えよう。いたるところのここから、原発廃止へと変えよう。


 原発問題を学ぶのに参考になる網所がある。文字起こしをしたものを掲載している所でもある。
 たとえば、「原発導入のシナリオ」は、
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65716223.html

 さて、敵をつくらないこと、について語っているところがある。そして、

「その動画の中で、登場していた人は、大声で次の言葉を繰り返していました。

「世界を変えよう、世界を変えよう」

その人は大きな声で楽しそうに言っていたのですが、私はなかなかぴんときませんでした。

ですがその人は、意図的ではないかもしれませんが、次の言葉を最後に言っていました。

「ここから変えよう」」
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65743412.html

と述べている。

 したがって、

  日本を変えよう。いたるところのここから、原発廃止へと変えよう。

 なお、小出裕章氏のこの事故に関する情報発信を一覧できるようにまとめる意味で作られた、非公式ブログ所は、
http://hiroakikoide.wordpress.com/


Andrea Rossiの冷融合生成器[E-Cat]についてのよくある質問(日本語訳)

2011年05月28日 00時02分37秒 | 生命生物生活哲学
2011年5月28日-1
Andrea Rossiの冷融合生成器[E-Cat]についてのよくある質問(日本語訳)

 下記は、
http://peswiki.com/index.php/Directory:Andrea_Rossi%27s_Cold_Fusion_Energy_Catalyzer_%28E-Cat%29:_Frequently_Asked_Questions
の網所にある記事:
Frequently asked questions relating to Directory:Andrea A. Rossi Cold Fusion Generator
を、1.10まで訳出したものである。

 なお、
http://newenergytimes.com/v2/reports/LENR-FAQ.shtml#lenr
での「What is LENR?」の項では、

  「The term "cold fusion " was never ideal to describe low energy nuclear reactions, because it implied that they were just a colder form of thermonuclear fusion, which they are not. The term was adopted by the media in 1989, appearing first in the Wall Street Journal, as a result of confusion with muon-catalyzed fusion. LENR's benign byproducts distinguish them from thermonuclear fusion and a variety of other nuclear experiments that also can run in room-temperature laboratories. 」

とある。訳すと、

  「「冷融合」という用語は、低エネルギー核反応を記述するのには、決して理想的ではない。なぜなら、それはたんに熱核融合よりも冷たい形態であることを意味するが、低エネルギー核反応はそうではないからである。その用語は、ウォール・ストリート・ジャーナルに初出したが、ミューオン触媒の融合と混同された結果として、1989年にメディアによって採用された。LENR〔低エネルギー核反応〕からの害の無い副産物は、熱核融合および、他の室温下実験室でも実行され得る様々な核実験からの副産物とは区別される。」

となろう。

 
******************************************

Andrea Rossi(左)は、10 kWの熱産生装置を、2011年1月14日のイタリアの報道会議で実地説明する。
写真はDaniele Passeriniによる。

   Hank Mills
   Pure Energy Systems News
   March 21, 2011

載録:Andrea A. Rossiの冷融合生成器、に関係する、よくある質問
Frequently asked questions relating to Directory:Andrea A. Rossi Cold Fusion Generator.

このよくある質問は、専売特許を持つ触媒の存在において加圧と加熱のもとで、どこにでもある安全なニッケルと水素を少量結びつけ、大量の熱を発生する、Andrea Rossiの科学技術を扱う。また、進行中の商業化についての質問にも取り組む。

内容
1 よくある質問
1.1 What is the Energy Catalyzer?
1.2 Who is Andrea Rossi?
1.3 What is Cold Fusion?
1.4 How much energy does this system produce?
1.5 How large is the system?
1.6 How much fuel does the Energy Catalyzer consume?
1.7 What isotopes of nickel are consumed?
1.8 What type of hydrogen is consumed?
1.9 Are byproducts being created?
1.10 What is the catalyst and why has it not been disclosed?
1.11 When will the patent be granted?
1.12 Do we know anything about the catalyst at all?
1.13 Does this system produce any radioactivity?
1.14 Does this system produce any radioactive waste?
1.15 How is the device activated?
1.16 What would happen in a catastrophe?
1.17 Can the device self sustain without an input?
1.18 How do you turn off the Energy Catalyzer?
1.19 Can this device produce electricity?
1.20 Did I read that a one megawatt plant is being built?
1.21 What will the output of this one megawatt plant be used for?
1.22 What companies are involved in this technology?
1.23 How many e-cats are in continuous operation today?
1.24 How many geographic locations are e-cats running today?
1.25 Is there anything confidential about how you use electrolysis for the reactor is is that industry standard technology?
1.26 Who is currently testing this technology?
1.27 What proof do we have this technology works as claimed?
1.28 How "green" or ecologically friendly is this technology?
1.29 How fuel efficient is the E-Cat?
1.30 How does this technology compare to solar, wind, hydro-electric, geothermal, and other green technologies?
1.31 Why was this technology not developed decades ago?
1.32 What economic potential does this technology create?
1.33 When can I buy a unit for my home, and how much will one cost?
1.34 Could I use a certain quantity of electricity and sell the rest back to the electric company?
1.35 Does this technology have room for improvement?
1.36 What can I do to help support this technology?
2 Coverage
3 See also


1 よくある質問

1.1 エネルギー触媒器とは何か?
 それは、イタリア人技術者で発明家であるAndrea Rossiによって開発された『冷融合』の装置である。それは、(ナノメートルからマイクロメートルの)たいへん小さな粒子大のニッケル粉を、(専売特許の理由で)現在のところは公開されないが反応を強化する触媒とともに、加圧した水素環境の中に置くことで、熱を産生する。この環境がおよそ摂氏450~500度に熱せられると、核反応が起り始める。この反応は、きわめて少しの水素とニッケル粉しか消費しないのに、大量のエネルギーを解放する。

1.2 Andrea Rossiは何者か?
 彼は、エネルギーの関係する企画で何十年も働いてきている、イタリアの技術者で発明家である。現在、彼はニュー・ハンプシャー州のベッドフォードのレオナルド・テクノロジー有限会社の会長であり創設者である。

1.3 冷融合〔低温核融合〕とは何か?
 比較的低い温度での、核融合を含む、広い範囲の核反応を記述する用語である。たとえば、われわれの太陽のような星の内側でのように何百万度ではなくて、何百度である。

1.4 どれくらいのエネルギーを、このシステムは産み出すのか?
 公開された反応器は、現在一つのモデルだけである。それは、熱水または蒸気の形で、10 kWの連続的な熱エネルギーを産み出すように設計されている。しかし、これは、このシステムが産出できるエネルギーの上限ではない。130 kWまたはそれを越えるまでに加減できるが、実験期を除いて、安全性の理由からそれは避けられている。

1.5 システムはどんな大きさか?
 反応器の容器自体は、大変小さく、1リットルの容量にすぎない。制御メカニズム、鉛遮蔽、水素の金属容器、そして他の構成要素といった補助的装備は、中くらいの大きさの卓上に、たやすく適合できる。

1.6 エネルギー触媒器は、どれだけの燃料を消費するのか?
 大変少ない。100グラムのニッケル粉は、装置を6か月間動かすだろう。しかし、少量のニッケルだけが水素と反応するだろうから、90%のニッケルが残るだろう。それは、取り出し、再処理し、燃料として再利用できる。

1.7 ニッケルのどの同位体が消費されるのか?
 装置に入れられるニッケル粉は、いかなる特定の同位体のものでもない。それは、大変小さな粒子大の、たんなるありふれた日常的なニッケルである。しかし、ニッケルの二つの同位体(62Ni と 64Ni)だけが消費されていると考えられる。

1.8 どの型の水素が消費されるのか?
 軽水素だけが使われる。重水素(デューテリウム)は、働かない。

1.9 副産物は創り出されるのか?
 二つの同位体の62Ni と 64Niは、明らかに、銅の非放射性同位体と、微量の亜鉛といった他の安定で非放射性の元素とに変換されている。

1.10 触媒は何か? また、それはなぜ非公開で至っているのか?
 Andrea Rossiと少数の親しい〔近しい〕提携者だけが、専売特許の触媒の正体を知っている。触媒は、かなりの量のエネルギーを産み出す鍵であるので、決定的に重要な知的財産である。関与する(諸)触媒を含んだ特許申請が提出された。特許申請が承諾されて完全な特許が発行されたとき、触媒または諸触媒についての情報は明かされるだろうと、特許申請は述べている。

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地球温暖化対策費

2011年05月27日 00時18分06秒 | 生命生物生活哲学
2011年5月27日-1
地球温暖化対策費

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%87%90%E7%96%91%E8%AB%96#.E5.8E.9F.E7.99.BA.E7.94.A3.E6.A5.AD.E3.81.AB.E9.96.A2.E3.81.99.E3.82.8B.E9.99.B0.E8.AC.80.E8.AA.AC
の、ウィキペディアの「地球温暖化に対する懐疑論」という項目には、

  「IPCC第4次評価報告書の第2作業部会の統括執筆責任者をつとめたスティーブン・H・シュナイダーは過去に地球寒冷化説を唱えており、地球温暖化説に変説する以前に原発の推進を唱えていた[88]。
   IPCC第1次評価報告書には、原子力エネルギーの利用を図った場合のシナリオが温暖化の抑制効果が高いとされ[89]、IPCC第2次評価報告書には地球温暖化の対策オプションとして「原子力エネルギーへの転換」という項目がある[90]。」

とある。IPCCの評価報告書に地球温暖化対策の一つとして、原子力エネルギーの利用があるのは、なぜなのだろうか。原発事故という危険またはリスクは考慮されなかったのだろうか?
 いまも放射性物質を排出して環境汚染をしていることは、事実として今そこにある危険である。
 地球温暖化対策に毎年1兆円ほどだろうか(朝野・杉山によれば、「地方自治体も含めると、 すでに日本の地球温暖化対策予算は3兆円に上るとされる」)を使ったことに対して、(不景気によるのではなく)温暖化回避の効果はあったのだろうか? その予算で、たとえば高台に住宅をつくるべきだったのではないか。いずれ地震は起こる。起こってもよいような対策を高じるべきである。

 
[A]
朝野賢司・杉山大志.3兆円の地球温暖化対策予算の費用対効果を問う.(財)電力中央研究所社会経済研究所ディスカッションペーパー(SERC Discussion Paper): SERC10012.
http://www.climatepolicy.jp/thesis/pdf/10012dp.pdf
http://criepi.denken.or.jp/jp/serc/discussion/index.htmlからも入手できる。


福島原発事故131:偉大なる訂正

2011年05月26日 23時30分27秒 | 生命生物生活哲学
2011年5月26日-4
福島原発事故131:偉大なる訂正

 福島第一原発1号機の55分間の海水注入中断は無かったと。所長の判断で注入を続けるほうが安全だと判断したと。東京電力が今頃になっても訂正したことは、偉大である。
 結局、政府と国会の馬鹿さ加減が、またもや明らかになったということではないか。


元素変換による放射能汚染水処理

2011年05月26日 22時32分27秒 | 生命生物生活哲学
2011年5月26日-3
元素変換による放射能汚染水処理

 フランスのアルバ社が放射能汚染水を1トン処理するのに、1億円かかるというのなら、10万トンで10兆円という計算が、今日だったか昨日だったかのテレビに出ていた。

 三菱重工の網頁に、Pd多層膜の重水素透過による元素変換の観測
http://www.mhi.co.jp/atrc/project/pdtamakuso/
という記事がある。
 膜に汚染水を通過させて、たとえば放射性セシウムを非放射性の元素に変換できないのだろうか。


エネルギー触媒器についての凝集系核科学国際会議でのCelani氏による報告

2011年05月26日 22時06分57秒 | 生命生物生活哲学
2011年5月26日-2
エネルギー触媒器についての凝集系核科学国際会議でのCelani氏による報告

 ICCF16という、第16回目のInternational Society for Condensed Matter Nuclear Science 凝集系核科学国際会議がインドのチェンナイで、2011年2月6~11日に開かれたそうである。
 その会議についての報告が、三菱重工の岩村康弘氏によってなされている。そのpdfは、
http://www.jcfrs.org/file/iccf16-report.pdf
で得られる。

 岩村氏によれば、「Rossi & FocardiのNi-H系の発熱実験と実用装置の開発」は、この会議でも話題となったようである。
 岩村氏による報告では、イタリアINFN(国立核物理研究所)のCelani氏が、Rossi氏とFocardi氏のエネルギー触媒器(E-cat)について行なった報告が紹介されている。

  「シエナ大学のPiantelliらが始めたNi-H系での過剰熱と核変換の実験に端を発し、Leonardo社というベンチャー会社の社長のRossiとボローニャ大学のFocardi教授で実験を行〔な〕っている。最近、彼らは1kWの過剰熱の発生を確認し、2011年の10月には1MWの装置を開発する予定だとアナウンスした。ニッケルと軽水素を使って過剰熱が安定して発生するのであれば、実用上は極めて有利であるため、凝集系核反応分野はもとより一般の科学技術を扱うホームページ上でも話題となっている。
 〔略〕ナノサイズのニッケルパウダーと水素、そしてある種の触媒が使われているという。
 〔略〕反応はNiと水素(プロトン)の核変換反応であり、当社の元素変換との関係も深い。
 〔略〕イタリアINFN(国立核物理研究所)のDr、Celaniが彼らの実験室を訪問した結果等について報告を行〔な〕った。それによると、Rossiたちが触媒等の詳細をオープンにしないため詳しく分からない部分が多く、実験の信頼性を正しく評価することは難しいとのことであった。
 Rossi&Forcadiの熱発生装置の実用化が彼らの目論見どおり進展するかどうかはまだ不透明であるが、Ni-H系で何かが起きていることは間違いないと見られ、今後の動向を見守っていきたい。」(岩村康弘氏によるpdfの2~3頁)。

とのことである。

 下記の「2011/5/22 <ICCF16報告(岩村博士)>」の記事も見られたい。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page286.htm#%EF%BC%9C%E3%80%80%EF%BC%A9%EF%BC%A3%EF%BC%A3%EF%BC%A6%EF%BC%91%EF%BC%96%E5%A0%B1%E5%91%8A%EF%BC%88%E5%B2%A9%E6%9D%91%E5%8D%9A%E5%A3%AB%EF%BC%89%20%EF%BC%9E

  「定番であったPd(パラジウム)とD(重水素)にかわってNiとHを使った実験が流行りだしている気配を感じます。」

と述べている。

 なお、岩村報告によれば、次回のICCF17は韓国で開催される見込みとのことで、また、韓国は凝集系核反応分野の国家プロジェクトを実施する予定だそうだ、とのことである。