中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

シン・シティ

2005年10月07日 | 映画
アメリカンコミックの映画化、ということらしい。全編(ほぼ)モノクロ、なかなかに豪華な俳優陣、さらにあのタランティーノもなにか絡んでいるようだ。この程度の予備知識でなんとなく見に行ったのだけれど、結果としてはなかなかに楽しめた一編。

タランティーノが「特別監督」という意味不明のクレジットで参加しているけれど、結果は、かなりタランティーノ的な映画に仕上がっている(ように思えた)。少々乱暴な言い方だけど「キル・ビル」に近い感じ。

原作のアメコミを見たわけでもないので、その世界がうまく描かれているかどうかは分からない。意味があっての「モノクロ」なのかは不明だけれど、これも手伝って独特の世界を描くことについては少なくとも成功している。

最近ではCGの発達で人の想像するもの何でも「リアル」に映像化することも可能な感じあるけれど、その対極の表現として、ワイヤーアクション等を使い「コミカル」に漫画的な世界を実写表現する映画というものも存在する。この映画はその中間という感じ。あえていうなら「劇画」世界の実映像化。適度にリアルで適度にコミカル。それをモノトーンの世界に押し込め、より一層独特な実写世界が展開される。この映像世界についてはちょっとした見もの。

まずないと思うけれど、もしも「ゴルゴ13」を実写版で映画化するとしたら、今回のような映像でいけば結構いけるのでは、と個人的には思った次第(すくなくともあの高倉健版よりはずっとましになるだろう…)。

キル・ビル同様、かなりエグイシーンも(モノトーンで多少は分かりにくくなっているけれど)満載、映画の好みとしては意見分かれるところ。少なくとも万人向けの内容ではない。そういう点を考慮に入れた上、(変な基準ではあるが)キル・ビルが「楽しめた」人には是非ともお勧めの映画。

★★★