中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

山水苑

2005年09月09日 | 飲む食べる
場所柄そう高くない店が多い中野において、焼肉が食べたくなった時に行くのはここ、山水苑。

生産者から直接大量買付けをしてコストを下げているとのこと。実際「売り」の新潟牛を普通の店の輸入肉並の値段で堪能することができる。

以前、テレビ番組でこの店が取り上げた時に見た映像によれば、店の奥に巨大な冷蔵庫を備えていて、牛は一頭単位で仕入れ、店内でさばいているようだ。確かにこれなら値段も下げられよう。焼肉に限った話でなく、どうしても規模の強みを持つ巨大チェーンに独立店は押されていくことが多いけれど、この店がそうであるように、独立店舗も工夫次第ではなんとかなるものなのだ。

この店でもう一つ面白いのは自家栽培のキノコ。秋(11月くらいから)~冬の期間限定なのだけれど、これも店の奥で本当に栽培しているもの。キノコが取れたてであることにどの程度の意味があるかはわからないけれど「中野産」の食べ物なんてそうそうは無いので、そういう意味でも楽しい一品。

実際、この日は空腹な状態の二人が思う存分新潟牛を食べ、ビール瓶2本飲んで5000円弱。とにかく安いです。もちろん、味もしっかりしている。

中野に来て、なにかここならではの夕飯を、と考える人には是非ともお勧めの一店。駅の南口から徒歩2分。「中野 山水苑」で検索すればすぐにみつかります。

野田岩の天然うなぎ@高島屋

2005年08月22日 | 飲む食べる
昨日の夕方、知人のお誘いで日本橋高島屋、特別食堂というところで夕食。この知人夫婦、それなりにお金持ちかつ、楽しんでこそ人生というスタンスを地いく、羨ましい存在。なので(値段を気にしなければ)良い店、というのをいろいろと知っている。

中野界隈でつましく暮らす身には、そもそもその存在自体すら知らなかった「特別食堂」。よくある普通のデパート食堂、と思いきやさにあらず。特別、というだけあって、ディスプレーに並ぶ蝋細工の見本もなく、到着するとホテルマンのスタイルの従業員が人数をたずね、まずは待合席にお座りください、といった感じ。どちらかというとホテルのレストランのようなイメージ。内装も落ち着いた色調で、昔懐かしい「少しうらぶれた」デパートの食堂、というイメージには程遠い。

食事内容もここのオリジナル、ではなく「帝国ホテル」等、いわゆるクオリティ(と敷居)の高い店3店が、その店の名前で料理を提供している。

今日の目的はその3店の一つ、鰻の「野田岩」の天然うなぎ。後で調べてみると麻布に本店を持つ「野田岩」は東京でも3指に入る鰻の名店、なのだそうな。特に「天然鰻」がこの店の売りだそうで、今日の目的はまさにそれ。

知人夫婦が以前、この天然鰻を目的に特別食堂を二人で訪れた時は、6時半にはもう「売り切れていた」とのこと。そのリベンジ、ということで今日は「予約」しての訪問(天然ものなので常に数は限られているようだ)。

野田岩でも養殖ものなら、うな重で2~3000円くらい。思いのほか普通なのだが、天然ものは値段がほぼ倍。
倍の価値、どれほどのものか、臨むような感じで最初の箸をつけたのだが、その瞬間それまでの疑念はすべて霧散した。表現の淡白な自分ですら最初の一口を含んだ時、思わず声をあげそうになる。

箸を上にのせただけで切れるくらいにやわらかい。鰻って、実は結構タレで誤魔化している部分もあるのでは、と個人的に常々思っていたのだけれど、天然ものというのはこういうことなのだろうか。淡白、ではありつつも、箸を口にはこぶと鰻自身の風味がぷん、と匂ってくる。

ご飯とお吸い物がついて約5000円。高い、といえば高いのだけれど、居酒屋でもそのくらい支払うことままある。そう考えればむしろ安い、といっても良いかもしれない。

画像だけではとても伝わらないのが口惜しい。食でなにか夏の思い出を、と考えている人にはぜひともお勧めの一品。

モルツスーパープレミアム

2005年07月22日 | 飲む食べる
日本ビール初のモンドセレクション金賞受賞した、サントリースーパープレミアム。受賞後に受注が急増、生産が間に合わないため8月初旬まで出荷を見合わせる、との記事。

菓子類の世界では「モンドセレクション受賞」ってよく聞くので、そこまでありがたい賞なのか、と少々意外な感じ。実際、Googleで検索すると柿の種から蜂蜜まで、結構いろいろなもので受賞しているみたいだ。まぁ自分の好きな飲み物にハクがつくのは悪くない。
実をいうと、このスーパープレミアム、地ビール等を除けば、個人的に最も好きなビール。少しだけ値段が高いので、週末等に「少し」小市民的な贅沢をしたい時にはこれを買う。

良くも悪くも日本のビールはあまり個性がないし、サッポロ、キリン、普通のモルツを飲みくれべても、少し差があるかな、と言う程度の味覚しかもっていない(スーパードライだけは分かる)。二杯目に至っては、自分の舌にとってはどれでも一緒、というのが正直なところ。この程度の味覚をもってしても、スーパープレミアムだけは一発で見分けることができる。ホップを他の二倍使ったというだけあって、グラスを傾けた時のあの芳香…
週末の夜、香り濃厚なこのビールでグラスを傾ける瞬間こそ、自分にとってなによりの「小確幸」(小さいけれど確かな幸せ:村上春樹の造語)に他ならない。

思うにこのビールの欠点は値段よりむしろ、その入手のしにくさ。家の近くのコンビニは常備してあるのでいいけれど、小さいところだと酒屋ですら置いていない場合が多い。

ひと月ほど前、知人のサントリー社員にこのことを話したら、「味はよいと思うけれど、高いから売れない」と、どの店でも「評判はよいのに置いてもらえない商品No.1」なのだ、と嘆いていた。その意味では、今回の受賞騒ぎ、ファンとしてはありがたい限り。半月程度入手できなくても全然かまわないのだ。日本人のブランド好きにも今回は感謝するばかり。

ひとつだけ良く分からないのは(このビールに限った話でないけれど)今回のような「売れすぎて出荷を一時停止」する、というニュース。有名なところでは数年前のムースポッキーとかもあるけれど、あれって素人考えだと、とりあえずある分だけどんどん出荷しちゃえばいい、と考えてしまう。「話題作り」と穿ってしまうのは流通に無知な素人考えなのだろうか。