中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

マンション建築中断

2005年10月05日 | 日常
まさに「中野系」に相応しいローカルな話題。

我が家の近くで8階建てマンションの建設が進んでいたのだけれど、それが近隣住民の反対運動が実り、今現在建設作業を停止している。

近所に張られたビラ情報では8階建てに対する差し止め請求が認められた(本来4階程度までしか許されない場所らしい)、としか分からなかったのだが、昨日の新聞、地方欄に詳細が説明されていた。

記事によれば、この区域で8階建てマンションを建てるには、前の道路幅が最低6m必要。しかしこのマンション前の道路は4m程度であった為、住民の差止請求が認められたようだ。普通に考えると、造る側もこういうことは企画段階で調べるのでは、と疑問が浮かぶところだが、それが今回の問題の肝。

実はこれまで中野区ではこのようなケースでは、マンションの前の敷地内1~2mを道路として扱うことで許可を出してしまっていたのだという。中野区独自の「慣例」だったようで、住民の差し止め請求に基づき他区の実態を調査をしたところ、こういうことをしている区のほうが「少ない」と言う事を知って慣例を取りやめ法に従った、ということらしい。なんだか情けない話でもあるけれど、本来あるべき姿に戻ったのでこれ自体はよいことだ。

今現在、このマンションは3階くらいまで出来上がった状態で建設が止まっている。建築には素人だけれど、8階用に設計したものを4階でやめておくことで構造上問題は起きないのだろうか(逆は絶対だめだろうけど)。構造は大丈夫でもコスト関連では相当な問題が生じているのは確かだろう。資材やら施行業者、いろいろなものを8階分予約してあるのだろうし。

擁護するつもりはないけれど、この建設業者にはご愁傷様としか言いようがない。きっと内部で責任問題等々、胃の痛い思いをしている人が何人もいるはずだ。誰でも知っている大手なのでこれで潰れる、ということはないだろうけれど。

一番悪いのはなんといってもいい加減な法の運用を認めてきた中野区だろう。中野区は人口密集度と道路の狭さから、大地震の発生時に壊滅的な火災被害が出ると予想されている。変な「慣例」を認めつづけてきたことで、その被害の発生確度を高めつづけてきた、と考えるとその罪は重い。今更、これらの結果の建物を廃止することもできないだろうし。こういうことは、地震が起きた「後」にしか責任問題が語られることもないのだろう、と考えると少々気が重い話。