所属するオーケストラを始めとして、楽器関係知人の間で話題の「のだめカンタービレ」。遅まきながら知人に9巻まで借りることができ、一気読み。(現在12巻まで刊行)
音大で自由奔放にピアノを楽しむ「のだめ」と、才能に満ち溢れながらも様々な事情から自分の道を失いかけていた「千秋」。この二人を中心として数々の音楽界の変人達が巻き起こすコメディ。クラシック音楽の世界が舞台ではあるけれど、興味、知識がなくても、純粋なコメディとして充分に楽しい。
「真澄ちゃん」を始め、ストレートではない恋愛志向の人も出てくるのだけれど、知人の指揮者(音大出)によれば、音楽の世界はそういう人が多いのだそうな。作者は業界人を通じての情報収集に余念がないようで、知っている人が見るとなお面白い部分、多いらしい。
感心するのは、劇中で描かれる演奏シーン。作者がかなり曲を勉強、イメージを膨らましてるのが功を奏している。ベートーベンやブラームスの音楽が、あたかも二次元上の絵から聴こえてきそうな感じ。
この漫画を読みつつ、そこで演奏されている曲を聴くと楽しさも倍増。その意味では最良のクラシック入門書、と言えるかもしれない(近日中に劇中の曲を収録したCDブックが発売されるようだ。これはよいかも)。
この漫画がオケ仲間で話題になっている理由はその「楽しさ」以外にもう一つある。
実は、漫画の後半から、実に重い命題がひとつ提示される。自分が楽しめればそれでよい、とのスタンスの「のだめ」に対し、世界的指揮者が投げかける「音楽に正面から向き合わないと、本当に心から音楽を楽しめない」との言葉。
これは我々のようなアマチュアにとっても実に身につまされる言葉だ。
長くアマチュアオーケストラに所属すると、たいてい、この問題に必ず一度は突き当たる(で、しばしば団を二分する議論になったりする)。アマチュアである、という前提もあるので正解は出し辛いのだけれど、一つ確実に言えるのは、この問題を安易な方向で解決させようとする団体は、ほぼ確実にいつまでも変わらない、成長のない団体だ。(言い方はきついけれど、下手なオーケストラはだいたいそう)
貸してくれた知人によれば、10巻以降、このテーマがストーリーの主題となるらしい。その意味で、今後も純粋に楽しんで読めるのか、やや不安ではあるけれど、たぶん「のだめ」は「のだめ」。それなりに楽しませてくれることは間違いないだろう。
クラシックを聴く人にも、聴かない人にもお勧めの作品。
音大で自由奔放にピアノを楽しむ「のだめ」と、才能に満ち溢れながらも様々な事情から自分の道を失いかけていた「千秋」。この二人を中心として数々の音楽界の変人達が巻き起こすコメディ。クラシック音楽の世界が舞台ではあるけれど、興味、知識がなくても、純粋なコメディとして充分に楽しい。
「真澄ちゃん」を始め、ストレートではない恋愛志向の人も出てくるのだけれど、知人の指揮者(音大出)によれば、音楽の世界はそういう人が多いのだそうな。作者は業界人を通じての情報収集に余念がないようで、知っている人が見るとなお面白い部分、多いらしい。
感心するのは、劇中で描かれる演奏シーン。作者がかなり曲を勉強、イメージを膨らましてるのが功を奏している。ベートーベンやブラームスの音楽が、あたかも二次元上の絵から聴こえてきそうな感じ。
この漫画を読みつつ、そこで演奏されている曲を聴くと楽しさも倍増。その意味では最良のクラシック入門書、と言えるかもしれない(近日中に劇中の曲を収録したCDブックが発売されるようだ。これはよいかも)。
この漫画がオケ仲間で話題になっている理由はその「楽しさ」以外にもう一つある。
実は、漫画の後半から、実に重い命題がひとつ提示される。自分が楽しめればそれでよい、とのスタンスの「のだめ」に対し、世界的指揮者が投げかける「音楽に正面から向き合わないと、本当に心から音楽を楽しめない」との言葉。
これは我々のようなアマチュアにとっても実に身につまされる言葉だ。
長くアマチュアオーケストラに所属すると、たいてい、この問題に必ず一度は突き当たる(で、しばしば団を二分する議論になったりする)。アマチュアである、という前提もあるので正解は出し辛いのだけれど、一つ確実に言えるのは、この問題を安易な方向で解決させようとする団体は、ほぼ確実にいつまでも変わらない、成長のない団体だ。(言い方はきついけれど、下手なオーケストラはだいたいそう)
貸してくれた知人によれば、10巻以降、このテーマがストーリーの主題となるらしい。その意味で、今後も純粋に楽しんで読めるのか、やや不安ではあるけれど、たぶん「のだめ」は「のだめ」。それなりに楽しませてくれることは間違いないだろう。
クラシックを聴く人にも、聴かない人にもお勧めの作品。