検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

エネルギー削減はかなり難しい 連載小説340

2013年07月25日 | 第2部-小説
(前号のつづきです)
 日本とは何が違うのでしょうか。日本とドイツの産業構造、経済指数はほぼ似ています。2001年度の温室効果ガスの直接排出量(一次エネルギー消費)を分野別に見ると際立って違うのはエネルギー転換部門と産業部門、家庭部門です。産業部門は日本が27%、ドイツは15.7%です。これは日本の産業部門は温室効果ガスをドイツより42%も多く排出していることを意味します。一方、日本の家庭部門は5%、ドイツは15%ですから日本の家庭部門のエネルギー消費はドイツの3分の1です。

 これを2011年度の最終エネルギー消費(間接排出)で見ると日本の産業部門は35.7%、ドイツは34.65%に変化します。これは日本の産業部門のエネルギー効率はドイツより劣っていることを意味します。家庭部門を見ると、日本は16.1%、ドイツは27%です。日本の家庭部門は最終エネルギー消費でドイツの6割です。これは日本の家庭は十分に省エネ生活をしているということです。

 実際、日本のエアコン使用は部分使用です。部屋すべてのエアコンを稼動させる人はまずいません。さらに就寝するときはエアコンを止め、寒いときは湯たんぽを使います。これ以上のエネルギー削減はかなり難しいことが分かります。