検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

GDPと連動している温室効果ガス排出量 連載小説333

2013年07月17日 | 第2部-小説
  冨田はパワーポイントの絵を切り替えた。
 「このグラフの実線は1990年を基準にしたGDPと温室効果ガス排出量の推移です。実線はGDP、破線は温室効果ガスの排出量の推移です。GDPの変動に沿って温室効果ガスの排出量も変化していることがわかります。
 しかし、注意して見ると、1990年から今日まで日本は産業空洞化といわれるほど産業の海外移転が進んでいます。私自身が働いていた会社も6年前、製造部門をベトナムに全面移転しました。多くの製造業が海外に移転している中で温室効果ガスの排出量は1990年より下がらない。日本の温室効果ガス排出量は一貫してプラスです。

 これでは世界に格好がつかない。そこで森林吸収量や京都メカニズムクレジットを加える奥の手を使って、1009年度、2010年度は基準年(1990年)を若干下まわるようにした。
そんな中で、2009年9月、自公政権から民主党政権に代わった鳩山首相は国連総会で温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減を表明しました。これまで全然減らしていない中でこの高い目標です。実績からすると驚くべき高い削減目標です。どうして達成させるのか。その削減の行程が後で分かりました。とんでもない計画だったのです。