検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

乾いた雑巾をしぼるような取り組み 連載小説338

2013年07月23日 | 第2部-小説
日本はドイツの取り組みを、東西ドイツの統合で旧東ドイツの熱効率が悪い設備を代えるだけで温室効果ガスはいくらでも下げることができる。日本は高効率の設備を導入しているからドイツのようにはいかない。「乾いた雑巾をしぼるような取り組みだ」と言って、ドイツを評価しませんでした。しかしドイツは電力部門について燃料を石炭から天然ガスに転換をすすめると同時にエネルギーの変換効率を高めました。その成果を表わすのが二酸化炭素(CO2)排出係数です。

 ドイツのCO2排出係数は1990年744g/kWhでしたが2012年度には576 g/kWhに改善しました。この改善によって電力の消費量は1990年480億kWhから2012年度には550億kWhと増加しましたがCO2の排出量は1990年の357万tから2012年度には317万tへと減少させています。

 一方、日本の電力会社は直接排出でも間接排出でも増やし続けています。背景として、電力会社の設備投資削減があります。こうして見ると、日本の電力会社は温室効果ガスの排出削減に真剣に取り組んできたとは言えないと思いませんか?