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WEB上のニュースや新聞などで扱われたエホバの証人のニュースを取り上げます。シリアスな話題から笑えるニュースまで。

アゼルバイジャンにおいて侵害される信教の自由

2011-03-01 18:27:27 | 迫害・反対
アゼルバイジャンがどこにあるかご存知でしょうか。イランの北側とアルメニアと国境を接している国です。
この国では近年さらに宗教の規制が強くなっているようです。ロシアも含めこの地域では現在、信教の自由がかなり侵害されています。ノルウェーに本部を持つ、Forum18 (フォーラム18)という組織があるのですが、彼らは信教の自由を基本的な人権と位置付け、それを侵害している組織や国に対して行動を起こしています。そのForum18がアゼルバイジャンでの信教の自由が侵害されていることを取材した記事がありました。

■ Forum 18 News Service

アゼルバイジャン

-- なぜ公判の通知もなしに罰金を科されたのか --

2011年に入って、フォーラム18 に伝えられた2番目のケースとなるが、アゼルバイジャンは州の許可のない宗教活動に対して罰金を科すようになった。

そして通知を受けることなく被害者の女性は、この違反に対して裁かれることになった。

エホバの証人のラスミヤ・カリモバは、北西アゼルバイジャンのガフの警察に、2010年11月に自宅に踏み込まれた後に、宗教活動をしてはいけないと警告された。

口頭である警官から、100マナツ(3週間分の平均賃金)の罰金を科されるだろうと言われたが、彼女が最初に公判のことを知ったのは、彼女が裁判所から、行政法の条項209に違反している(宗教組織の集会等に関する違反)という書類を受け取った時であり、裁判所の書類には、彼女が10日以内に罰金を払わないと、それに相当する資産を差し押さえすると書いてあった。
彼女は嘆願書を出したが、今のところ返事はない。この通知なしの公判の最初の被害者はあるプロテスタントで、非登録の宗教活動を行ったのがその理由であった。

我々は、ガフ地域警察の副署長ミルクァメット・ムシャリブに、なぜ地元のエホバの証人であるラスミヤ・カリモバにいかなる宗教活動にも携わらないようにと命令したのか、またなぜ彼女のいないところで罰金刑を科したのか聞いたが、彼はその理由を説明することを拒んだ。これは、被害者たちのいないところで宗教活動に対する罰金刑が科された2番目のケースである。

その一方で、良心的兵役拒否者であるフレッド・マンドブは、ヨーロッパ人権裁判所に対して提訴する準備を進めている。アゼルバイジャンの最高裁判所が、彼の9ヶ月間の実刑判決に対しての嘆願書を却下した後のことだった。他の二人の良心的兵役拒否者は、判決に対してすでにヨーロッパ人権裁判所に提訴しており、それが聞き届けられるかどうか待っている。


-- 宗教の自由の制限が増加する --

アゼルバイジャンでは、ここ数年で次第に宗教や信条の自由が制限されるようになってきた。2009年には宗教法が2度も変更され、信教や信条の自由を行使することへの罰則が刑法と行政法の中に導入された。2010年12月には、行政法の中の宗教活動に対する罰金は20倍に跳ね上がった。

こうした増加する規制は施行され始めている。以下の事例は2011年1月だけで起きたものである。イェバラクの教師たちと地方の公務員たちは、学校に通う年齢の子供たちをモスクの金曜日の礼拝に出席させなかった。
北アゼルバイジャンのプロテスタント、イルハム・バラベヨブは、非登録の崇拝を主催したとして3週間の平均賃金を罰金として科された。元アゼルバイジャン・セブンスデイ・アドベンティストの指導者だったロシア国籍を持つイアン・ウズンは、首都バクーでの土曜日の礼拝中に警察の捜索を受けた後で、国外追放された。別のアドベンティスト信者であるモルドバ人のゲオルヒ・ソバーは、宗教活動に対する罰則として、8週間に渡ってアゼルバイジャンへの再入国が拒否され、最終的に2月11日に妻と子供の所に戻ることが出来た。

2009年の宗教法の改正によって、非登録の宗教活動の禁止とすべての宗教団体の再登録が要求された。
これは、1991年にアゼルバイジャンが独立して以来、何度か行われた再登録の要求のもっとも最近のものである。
締め切りからほぼ14ヶ月が経過した後、2月21日時点でわずか510の宗教団体のみが登録を認められた。
多くの宗教団体 - イスラム、ほぼすべてのプロテスタント、エホバの証人、バクーのカトリック教会を含む - は、今のところ、再登録に成功していない。


-- 彼女のいないところで罰金が科される --

ガフ地方裁判所執行吏の長、エルブルス・ハジェブからの2011年1月14日の書類によると、エホバの証人ラスミヤ・カリモバは2010年12月28日に行政法の299条に基づき有罪とされたとされている。「宗教集会等の組織に関する規制の違反」に対する処罰である。

2010年11月、北西アゼルバイジャンのガフにあるカリモバの家が大規模な家宅捜索を受けた後、罰金刑が科された。
彼女は裁判所から、聴聞の連絡も、あるいは罰金刑の可能性があることすらも通知されていなかった。
彼女は、3週間の平均賃金である100メネト(US$126)の罰金が科された。
裁判所の書類によると、もし彼女が10日以内に罰金を払えなければ、執行吏が彼女の家の資産の罰金相当分を差し押さえることになっている。彼女には10日間の嘆願期間が与えられた。

2011年1月24日、カリモバは嘆願書をガフ地方裁判所に提出した。同時に、そのコピーをアゼルバイジャン大統領のイルハム・アリエブ、人権オンブズマンのエルマラ・スレイマノバ、宗教組織労働州委員会のヒデヤト・オルジェブ、ヨーロッパ人権委員審議会のトマス・ハマーバーグ、欧州安全保障協力機構のバクー支部やその他に送った。2月18日の段階で、彼女は裁判所から何の返事も受け取っていない。

2月21日に、フォーラム18はアグダシュにある州委員会の地域代表者であるニザミ・マメドウに電話したが、返事がなかった。バクーにある州委員会の職員は、いかなる質問への回答も拒否した。


-- 個人の家への大規模な家宅捜索 --

2010年11月のカリモバ宅への家宅捜索は15人もの警官によって行われた。この日付は、彼女の、罰金に対する嘆願書の中で明らかにされている。彼女と彼女の夫は(エホバの証人ではない)バクーに出かけていたが、警察に呼び戻された。警官は彼らを銃の所持と宗教文書を自宅に持っていたことで告発した。何冊かのエホバの証人の本とDVD(アゼリ語とロシア語)、個人のノートブック、また夫の公式な身元証明の書類も没収された。

カリモバの家にいた他の人たちも、家宅捜索の礼状を見せられたが、彼らは警察に個人のかばんの中身を見せることを拒んだ。

これらが起きた夕方にガクに戻った夫婦は、地区警察へと向かった。
そこで、ネマトとだけ名乗った一人の警官が口頭で、100メネトの罰金が科されるだろうと言った。
また没収された文書類は、調べるために隣町のザカタラに送られるだろうとも述べた。
(この地域のアゼルバイジャン州委員会の出張所はさらに南のアドガシュにあり、そこでは優先的な強制検閲が行われている。なぜその警官がザカルタと特定したのかは分からない)

ネマトは、すべての「違法」な本は没収され、合法のものであれば、すべて返ってくるだろうと述べた。

エホバの証人によると、家宅捜索から3ヶ月以上が経過した2月18日の時点で、没収されたものは一つも返って来ていないとのことである。

宗教文書は家宅捜査の際に、個人の家からしばしば没収される。例えば、2010年に西アゼルバイジャンのイスラム系の協会の主催者の一人の家で、またバラベヨブ教会が捜索を受け文書類の没収と罰金が科された。

警官のネマトはカリモバを副署長ムシャリエブのところに連れて行き、彼はいかなる宗教活動も法に違反しており許されてはいないと大声で叫んだ。それに対してカリモバは、アゼルバイジャン市民として自由に宗教活動に携われるはずだと返答した。

警察はカリモバを宣言書を書かせるために、11月13日に彼女を呼び出した。そこに行くと、警察は彼女を地元の検事のところに連れて行った。しかし彼は事務所にいなかった。警察は、彼女に宗教活動を行わない旨の宣言書にサインさせようと圧力をかけたが、彼女はそれを拒んだ。

その後、彼女は家に帰ることが許された。しばらく何の音沙汰もなかったが、2ヵ月後にいきなり彼女に罰金刑が科されると聞かされた。

2月18日になって、副署長ムシャリエブは彼の名前と階級を確認した。その後、フォーラム18がどうして彼はカリモバに大声で怒鳴り、彼女に罰金刑を科したのか聞いた時、彼は、大声で叫んだのはムシャリエブではないと言い張った。その後彼は、質問があるなら手紙で送るようにと述べて受話器を置いた。