気になる（バジル）

夜勤を終えて、始発電車を待つ間は、自動販売機が気になる。

寒くなると温かい物が欲しいわけで空腹感を伴う場合は、つぶつぶたっぷりとうもろこしポタージュが気になる。

我慢するのをやめにして、誘惑に負けた日は、なんとしても最後の一粒まで残さず食べたいところだが、人の目は気になる。

誰も乗っていない車輌を探し缶を力いっぱい振って蓋を開ける。

ここからが難しいところ。

缶を揺らしつつ、つぶつぶが沈まない間に飲まなければならない。

しくじると、何粒か缶にはりついてなかなかでてきてはくれない。それがまた気になるのだ。