ブログ仙岩

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鈴木尚広選手引退に寄せて

2016-10-23 09:02:42 | エッセイ
霜降の今朝の福島民報「みんなのひろば」に、朝倉悠三君の鈴木選手引退の絵日記、そして、福島市石田次男さんの投稿記事が載っていた。

プロ野球巨人鈴木尚広選手が13日引退を表明、10日CS1勝1敗出迎えた第3戦の9回トップの村田がヒットで出塁、代走鈴木選手がまさかのDeNA田中投手の牽制球アウト、その後4番阿部ボン打に終わり、延長戦へ、結果負けてしまった。

こんなことがきっかけとなったのか、相馬高からドラフト4位で巨人入団、巨人一筋の20年だった。

彼は常々「技術、体力はもちろんだが、心も鍛えないと”ここぞ”という時に力が発揮できない」と語っていた。だが、「心の部分に引っかかるようになった。生半可な気持ちでは続けられない」と、自分の気持ちに嘘はつけないのであろう。代走職人の勝負師らしい決断であった。

代走での出番が多く、盗塁の数よりも成功率を追い求めてきた。その言葉通り、大事な場面で確実に盗塁を決め、チャンスを広げ、勝利に導いてきた。通算228盗塁、8割2分9厘の高い成功率だった。200盗塁以上の選手では歴代トップに立つ。

普段は目立たないが、塁上に立った鈴木選手は、自らをアッピールするかのように派手なオレンジの手袋をしていた。それはまるで代走職人としての矜持を誇示しているように見えた。鈴木選手は地元相馬の誇りであり、盗塁成功して2塁上のあの笑顔が忘れられない。