川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

大前研一

2006年09月28日 | 
PHPビジネスマン文庫だかの、えーと題名忘れた、
即戦力云々という本をランチ食しながら半分ほど。

彼の本ってすごく久しぶり。
5年ぶりくらいかな。

よろしくない。
特定の時代の特定の地域の特定の職業に就いた人しか
読者として想定していない。

プロフェッショナルを定義して曰く、

(1) その道で長くトップ5に君臨すること
 (だからイチロー松井はプロだが野茂は安定感がないから
 ダメだという。松井は何のトップ5なの?)、

(2) 「英語で交渉できるか?」と訊かれて「Yes」と即答できること
  →農家の跡継ぎはどうなの?

(3) 銀行に預金を預けちゃダメで、株を買って資産運用すること、

などなど。
これらを全て充たす人って、大都会に住んでいて
キャリアアップを望んでいて恐ろしい上昇志向を持っていて…
っていうごく一握りの人だけですよ。

そういうプロでない人は、
「日本と一緒に滅びる」だってさ。

行間から随所にアメリカ一辺倒の匂いがプンプン。
あ~これじゃあ都知事選惨敗するわね。

危機感を煽るのが彼に与えられた役割なのでしょうが、
それにしても行きすぎ、説得力なさすぎと思いました。

日垣隆先生が言っていました。

「説得力は、どれだけ多種の異論や反論を
 想定しながら主張できるか、にかかっている。
 
 自分の意見が当然受け容れられるだろう、
 と思っている者は説得力から最も遠い。(中略)
 
 その意味で、説得力に富む人は、
 外面上は傲慢で嫌な奴に見えることもあるが、
 真の意味で謙虚でないと為せるものではない」

大前研一さんは多方面からの反論を想定していない。
農家の跡取りを想定しながら書いていない。
だから説得力がない。

彼の本は、当分読まないと思います。
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