おまけのラスト。53話
鎧武が顔見せをして、ちゃらっといなくなったと思ったら、
妙なカツラをつけたアマダムおじさんが、指輪の入った箱と子どもを確保してしまった。
ぼやーっとしてる場合じゃないよー。
アマダムおじさん、お召し替えで、黒に。
そこそこ強そうな雰囲気だしてくる。
田口トモロヲ楽しそう~~
ある年齢になったら変身して怪人になるっていうことなんだけど、
自覚のあるワームみたいね。
別の地球が空に浮いてるから、別世界なんだなってのがわかる(ディケイドの、九つの世界と地球っていう物語の仕組みは、発明だったねぇ)
門矢士がどういう人間かわかってたら、
あいつが、偉そうな誰かの言うことなんて聞かないってのは、すぐわかるんだよね。
どこにも馴染まないかわりに、どこにでも入っていけるの、強いねえ。
アマダムおじさんは、魔法使いなんだけど、かつてのショッカーと同じように自分の手駒として仮面ライダーや怪人を使おうとした。
でも、電王っつーか、モモタロスがだまってない。
ここ、仮面ライダーであり怪人であるモモタロスが第一声反論することに、意味があるんだね、きっと。
「正義のために戦うんじゃない。人間の自由のために戦うんだ」
これは、仮面ライダーだけでなく、石ノ森作品にずーっと続く大事なスピリット。
そこにぐっときて、いい年した大人が仮面ライダーにとっ捕まっちゃったんだよねぇ。
そして、平成ライダーがばたばた怪人を倒していくアクションは、
お祭り作品の醍醐味だね。
まぁ、敵を巨大化しなくてもいいとは、常々言ってるけど。
今回適役の名前がアマダム、なのも。
アマダムの力で戦士クウガが維持されるし強くなるけど、同じ霊石の力でグロンギたちもパワーアップするっていうところを、
指輪とかメダルとかの、変身アイテムと対比させてきたってことなのね。
ウィザード、晴人が言ってる台詞、
「たとえ悪から生まれても、仮面ライダーになるものが現れる。次々と」
それを聞いて、
あの場所に生まれて、怪人になる運命は変えられないと信じ込んでいた子どもが、
仮面ライダーになりたいと願えば、なれるかもしれないと思う。希望を持つ。
これって、今ある環境が不遇な子や大人に、希望を感じさせるものになってるんじゃないのかしら。
全体がお祭り春映画感満載なので、伝わってるかどうかわかんないけど。
でも、そういうことだよね。
貧しかったり、親の束縛がひどかったり、いじめにあってたり、極端なプレッシャーの中にいたり、
それぞれ色んな事情があって、自分ではなかなか変えられない状況にあっても、
願いを諦めないでっていうこと、なんじゃないかな。
で、今度こそ本気で鎧武を呼んだ。
仮面ライダーとは、全ての人の自由を守る戦士。
助けを求める声があれば、必ずかけつける。
大事なことなので、晴人が二回言う。
まだ自分が何者なのかわかっていない鎧武にも伝える。
熱い。
(鎧武そして、葛葉紘汰が、仮面ライダーというアイデンティティを獲得した場面がこれなんだとしたら、鎧武終了後の葛葉紘汰と見事につなげてある)
ライダー全員、最強フォームになって、アマダムおじさん撃破。
消える前に、クウガが少年にサムズアップしてくれるの、元の設定を大事にしてくれてる感じがあって、よい。
最後の最後、名前のなかった少年のことを、コヨミがハルトと呼んで、
ハルトの指には、晴人がくれた指輪が光る。
唯一晴人が作った指輪。
(この指輪は、後程どこかで晴人の元に戻ったと思われます)
脚本が會川昇さんで、石田監督の演出。
放送当時は、とっちらかった話だなと思ったけど、
数々の平成ライダーと映画を経た今なら、そこそこまとまってて、伝えたいこともはっきりした良作では?となるので、
時の経過とは恐ろしいもんですな。
これにて、仮面ライダーウィザード感想文、終了~~~。