LOHASな感じ!

日頃、仕事やプライベートで感じた事をLOHASな感覚で書いています。

陰翳礼賛|in'eiraisan

2007-02-04 | 美の壺的解釈
NHK「美の壺」、今回は建具を取り上げていた。
障子や襖のもつ暖かみ、和やかさ、清楚な感じは、日々我々に安らぎや時には緊張感をも与えてくれる。

西洋のそれとは大きく異なり、職人の繊細な心意気の中に織り成す技は、全て光と空間を意識しているのだ。

谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」では、その日本建築の陰影の美について様々な角度から触れている。
昭和8年のエッセイではあるが、谷崎潤一郎が当時意識していた事が、現在も同様な感覚で捉えることができる。

陰翳礼賛、やはり我々はどこかで日本建築文化を伝承していく必要性があると感じざるを得ない。
自分も同感だが、陰影のもつ感覚はまさに谷崎潤一郎が著述している通りだ。

勿論、時代は常に変化している。
全ての伝統をそのまま実現して行こうという訳ではない。

クライアントに提案する建築も当然ながら押し付けであってはならない。
また、建築コストや利便性も影響するだろうし、限られた建築面積や耐震性能などの問題も出てくるであろう。
現代においてそういった建築を実務的に進めるには、数々の問題をクリアしていかなければならないのは事実だ。

しかし、「陰翳礼賛」、そう言った感覚は少なくとも享受する事ができるのだ...。