yoshのブログ

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春夜喜雨 杜甫

2014-06-03 05:07:50 | 文学
盛唐の詩人、詩聖 杜甫の有名な五言律詩 「春夜喜雨」を紹介します。

春夜喜雨

好雨知時節
当春乃発生
随風潜入夜 
潤物細無声
野径雲共黒
江船火独明
暁看紅湿処
花重錦官城

春夜 雨ヲ喜ブ

好雨時節ヲ知り
春に当タツテ乃(すなわ)チ発生ス
風ニ随(したが)ヒテ潜(ひそ)カニ夜ニ入ル 
物ヲ潤シテ細ヤカニシテ声無シ
野径雲ハ倶(とも)ニ黒ク
江船火ハ独リ明ラカナリ
暁ニ紅ノ湿(うるお)ヘル処ヲ看(み)レバ
花ハ錦官城ニ重カラン 

 「訳」

よい雨は降るべき時節を知っており、春になると降り出して、万物が萌えはじめる、雨は風につれてひそかに夜まで降り続き、こまやかに音もたてずに万物を潤している、野の小道も雲
と同じように真っ黒であり、川に浮かぶ船のいさり火だけが明るく見える、夜明けに、赤くしめりをおびたところを見るならば、それは錦官城に花がしっとりぬれている姿なのだった。

 「鑑賞」
35歳の杜甫が官を求めて都長安にいたころ、唐王朝は爛熟期にあった。48歳で四川省盛都に赴き草堂を築いてしばしのやすらぎを得た。この詩は草堂での春の雨をうたって、もの静かなうちにも喜びのあふれた作となっている。
5月から6月初めの雨の頃、拙宅の周りの林からはホトトギスの声が聞こえます。今年は殊に
よく鳴きます。

    石川忠久「漢詩紀行」 日本放送出版協会

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