goo

ハーバード白熱日本史教室 北川智子

人気を博したTV番組と本にあやかったような題名の本書だが、非常に面白かった。著者がハーバード大学で教鞭をとるようになるまでの経緯、そこで教えている2コマの授業の概要、ハーバードの教師として頑張っていることについての感想などが、コンパクトにまとめられていて興味深く読むことができた。飄々と書かれているが、著者の情熱と弛まぬ努力のようなものがにじみ出てくるような内容だ。本書の内容には、どうしても文字だけでは伝えられないものが含まれていて、読んでいてて少しもどかしい思いがした。授業では聴覚や視覚を重視して工夫しているようだが、それならば本書についても、開示できる範囲でもう少し図表を使うなどの工夫を是非して欲しかったと思う。著者の若さと才能の素晴らしさもさることながら、こうした講義を学生にとって有用と考える、大学側の度量の大きさも大したものだと思う。(「ハーバード白熱日本史教室」 北川智子、新潮新書)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )