河口湖町大石の大石峠登山口を反対側の淵坂峠に登り、毛無山・十二ヶ岳・節刀ヶ岳と周回して戻るコースは、2年前の6月にテント1泊で天の川とミツバツツジを撮影して歩いたコースだ。もちろん日帰りでも歩けるコースだが、鈍足の私からするとちょっと大変なコースだ。もしも無理ならば途中の金山の手前から林道に下りる短絡ルートがあるのでそこから下山すれば良い。たまにはロングコース(といっても普通の人ならば少し長いくらいのコースだろうが)も歩かないと。このルートはアルペン気分の味わえる一ヶ岳から十二ヶ岳までの竜の背があり、歩いて面白いコースであり、またこの季節にはコイワザクラという綺麗な花が咲く時期でもある。
大石峠登山口のところにある駐車スペースに行くと、車は1台も止まっていなかった。おそらくは十二ヶ岳に登る人たちはほとんどが尾根の向こうにある文化洞トンネルから毛無山経由で登っているのだろう。淵坂峠のルートは昭文社地図には載っておらず、あまり歩く人がいないマイナーコースだ。9時に出発し、沢を渡って登山道に入る。沢を渡ってすぐのところがちょっとわかりにくいが、左側にテープがつけられていてそちらに進むと、すぐに明瞭な道に出る。あとは山腹を巻くように道なりに進むと、尾根をひとつ回り込んだ先に淵坂峠があり、真っ直ぐ進むと河口湖町大石のバス停に至り、尾根に取り付くと毛無山に至る。道標があり、毛無山まで1時間40分、十二ヶ岳まで3時間と記されている。
大石峠登山口の駐車スペース。向こうに見えるのがこれから歩く淵坂峠~毛無山~十二ヶ岳の尾根。
駐車場の左奥から入る。かつては道標が立っていたが、倒れてしまっていた。
すぐに沢を渡る。その先がわかりにくいが、左側にテープが付いている。
淵坂峠の道標。ここまで30分少々。
尾根に取り付くと、そこにも明瞭な道がついており、テープが点々とつけられている。最初は緩いがやがて急登りになる。1時間ほど登って一旦傾斜が緩くなるが、再び急登りになり、また緩くなって左側の眺望が開け、富士山が見えるようになってくると間もなく毛無山に到着する。1時間50分ほど時間がかかった。
淵坂峠から毛無山への登り。点々とテープが付けられた明瞭な道が続く。
登山道脇に咲いていたアカネスミレ
咲き残っていたアケボノスミレ
葉が細い白いスミレでヒゴスミレのように見えなくもないが・・・周辺に咲くのはエイザンばかりなので、たぶんエイザンスミレ。
毛無山山頂。標高1500m。
毛無山山頂には10人ほどの人たちが休憩していた。さらに4~5人登って来た人たちもおり、大賑わいとなった。小休憩して出発する。足元を見ながら歩くが目ぼしい花は咲いておらず、十ヶ岳の手前あたりで本日のお目当てだったコイワザクラが咲いていた。そこから先の岩場には至るところにコイワザクラが咲いており、特に十ヶ岳下のロープ場のところには群生していた。
十ヶ岳下の岩場に咲いていたコイワザクラ
満開のコイワザクラ
十一ヶ岳への上りのロープ
十一ヶ岳と向こうに見える十二ヶ岳。ここからがこのコースのハイライト、急下り、吊り橋、そして鎖の崖登り。
十一ヶ岳から先はロープの急下り、吊り橋、そして鎖場の崖登りというこのコース最大の難所、かつ、いちばん面白いルートが続く。ロープ場を下って行くと、下部に本日のもうひとつのお目当て、ヒメスミレサイシンが咲いていた。さらにその下には満開のコイワザクラ群生。足場を確保して写真を撮る。咲き始めたコイワカガミにも出会えた。吊り橋を渡って今度はロープと鎖の崖登りが始まる。後続の団体さんが迫ってきていたので、ここは休まずに一気に登る。
下りロープの手前にはコイワカガミの大群落あり、少しだけ咲き始めていた。
長い下りロープ場。その下には吊り橋。
ロープ場の脇に咲いていたヒメスミレサイシン。これも今日のお目当てのひとつ。
さらにコイワザクラの群落
吊り橋。揺れてちょっと怖い。
十二ヶ岳への長い鎖の崖登り。
十二ヶ岳山頂到着。
午後1時少し前に十二ヶ岳山頂に到着、4時間ほど時間がかかった。山頂には先客3人ほどしかおらず、一人は出発するところだった。後続の団体さんがやって来るので、山頂での休憩は避けてその先の展望の良い岩場で休むことにする。ここで昼食となる。毛無山では見えていた富士山だったが、次第に雲が湧き始め、遂に山頂は見えなくなってしまった。この場所にはヒメスミレサイシンが咲いているのを2年前に確認していたのでここでゆっくり撮影する。
山頂の先にある展望地から見る西湖と富士山
ヒメスミレサイシン。今年は数が少ない、かつ、水が足りないのか元気が無い。
ヒメスミレサイシン
午後2時に十二ヶ岳を出発し、先に進む。この先はまたもやちょっとスリルのあるロープ場、そしてハシゴの登り、その先に展望の良い岩場がある。そこまで行ってまた小休止。その場所にはギンランが咲くので探すが、まだ葉が出たばかりだった。岩の裏には、ここにもヒメスミレサイシンが咲いていた。
ロープ場の下り。向こうに見える山は釈迦ヶ岳。
振り返って見るロープ場。10本近いロープがかかっている。
展望岩場から見る十二ヶ岳と雲に巻かれた富士山。
岩の裏にはヒメスミレサイシン。
道を進むとコイワザクラがちらほらと咲いているが、十ヶ岳周辺に比べるとこちら側は少ない。金山とのコルのところに短絡ルートの下山道があるが、足の調子を見て大丈夫そうなので、そのまま節刀ヶ岳に進み、午後3時5分、節刀ヶ岳山頂に到着する。この頃には富士山はすっかり雲におおわれ、空全体が曇り空で暗くなり始めていた。10分ほど休憩して大石峠に向かって下山開始する。
節刀ヶ岳山頂。空はすっかり曇り空、風も冷たく感じる。
これから下る大石峠への尾根。長い。
これからたくさん咲くであろうツルシロカネソウ(たぶん)。
大石峠。本日歩いた毛無山・十二ヶ岳の尾根には雲がかかる。
1時間少々で大石峠に到着。雲はさらに広がって毛無山・十二ヶ岳も雲の中に入ってしまう。今にも雨が降りそうな暗い空になってきた。あとはひたすら峠道を下山するのみだ。午後5時半、駐車場に到着。1周私の鈍足で8時間半の行程だった。
大石峠登山口のところにある案内板。
これには本日歩いたルートの地図も記されている。7時間くらいで回れるはずだが・・・。
カシミール3Dからの行程図。距離9.8km、累積高低差998m。
想定した通りの私にとってはちょっとハードなコースだったが、十分に余裕で歩けるコースである。山梨百名山2座を1日で周回でき、アルペン気分も味わえる面白いルートである。これから咲くミツバツツジのシーズン、そして秋の紅葉シーズンもおすすめである。
大石峠登山口のところにある駐車スペースに行くと、車は1台も止まっていなかった。おそらくは十二ヶ岳に登る人たちはほとんどが尾根の向こうにある文化洞トンネルから毛無山経由で登っているのだろう。淵坂峠のルートは昭文社地図には載っておらず、あまり歩く人がいないマイナーコースだ。9時に出発し、沢を渡って登山道に入る。沢を渡ってすぐのところがちょっとわかりにくいが、左側にテープがつけられていてそちらに進むと、すぐに明瞭な道に出る。あとは山腹を巻くように道なりに進むと、尾根をひとつ回り込んだ先に淵坂峠があり、真っ直ぐ進むと河口湖町大石のバス停に至り、尾根に取り付くと毛無山に至る。道標があり、毛無山まで1時間40分、十二ヶ岳まで3時間と記されている。
大石峠登山口の駐車スペース。向こうに見えるのがこれから歩く淵坂峠~毛無山~十二ヶ岳の尾根。
駐車場の左奥から入る。かつては道標が立っていたが、倒れてしまっていた。
すぐに沢を渡る。その先がわかりにくいが、左側にテープが付いている。
淵坂峠の道標。ここまで30分少々。
尾根に取り付くと、そこにも明瞭な道がついており、テープが点々とつけられている。最初は緩いがやがて急登りになる。1時間ほど登って一旦傾斜が緩くなるが、再び急登りになり、また緩くなって左側の眺望が開け、富士山が見えるようになってくると間もなく毛無山に到着する。1時間50分ほど時間がかかった。
淵坂峠から毛無山への登り。点々とテープが付けられた明瞭な道が続く。
登山道脇に咲いていたアカネスミレ
咲き残っていたアケボノスミレ
葉が細い白いスミレでヒゴスミレのように見えなくもないが・・・周辺に咲くのはエイザンばかりなので、たぶんエイザンスミレ。
毛無山山頂。標高1500m。
毛無山山頂には10人ほどの人たちが休憩していた。さらに4~5人登って来た人たちもおり、大賑わいとなった。小休憩して出発する。足元を見ながら歩くが目ぼしい花は咲いておらず、十ヶ岳の手前あたりで本日のお目当てだったコイワザクラが咲いていた。そこから先の岩場には至るところにコイワザクラが咲いており、特に十ヶ岳下のロープ場のところには群生していた。
十ヶ岳下の岩場に咲いていたコイワザクラ
満開のコイワザクラ
十一ヶ岳への上りのロープ
十一ヶ岳と向こうに見える十二ヶ岳。ここからがこのコースのハイライト、急下り、吊り橋、そして鎖の崖登り。
十一ヶ岳から先はロープの急下り、吊り橋、そして鎖場の崖登りというこのコース最大の難所、かつ、いちばん面白いルートが続く。ロープ場を下って行くと、下部に本日のもうひとつのお目当て、ヒメスミレサイシンが咲いていた。さらにその下には満開のコイワザクラ群生。足場を確保して写真を撮る。咲き始めたコイワカガミにも出会えた。吊り橋を渡って今度はロープと鎖の崖登りが始まる。後続の団体さんが迫ってきていたので、ここは休まずに一気に登る。
下りロープの手前にはコイワカガミの大群落あり、少しだけ咲き始めていた。
長い下りロープ場。その下には吊り橋。
ロープ場の脇に咲いていたヒメスミレサイシン。これも今日のお目当てのひとつ。
さらにコイワザクラの群落
吊り橋。揺れてちょっと怖い。
十二ヶ岳への長い鎖の崖登り。
十二ヶ岳山頂到着。
午後1時少し前に十二ヶ岳山頂に到着、4時間ほど時間がかかった。山頂には先客3人ほどしかおらず、一人は出発するところだった。後続の団体さんがやって来るので、山頂での休憩は避けてその先の展望の良い岩場で休むことにする。ここで昼食となる。毛無山では見えていた富士山だったが、次第に雲が湧き始め、遂に山頂は見えなくなってしまった。この場所にはヒメスミレサイシンが咲いているのを2年前に確認していたのでここでゆっくり撮影する。
山頂の先にある展望地から見る西湖と富士山
ヒメスミレサイシン。今年は数が少ない、かつ、水が足りないのか元気が無い。
ヒメスミレサイシン
午後2時に十二ヶ岳を出発し、先に進む。この先はまたもやちょっとスリルのあるロープ場、そしてハシゴの登り、その先に展望の良い岩場がある。そこまで行ってまた小休止。その場所にはギンランが咲くので探すが、まだ葉が出たばかりだった。岩の裏には、ここにもヒメスミレサイシンが咲いていた。
ロープ場の下り。向こうに見える山は釈迦ヶ岳。
振り返って見るロープ場。10本近いロープがかかっている。
展望岩場から見る十二ヶ岳と雲に巻かれた富士山。
岩の裏にはヒメスミレサイシン。
道を進むとコイワザクラがちらほらと咲いているが、十ヶ岳周辺に比べるとこちら側は少ない。金山とのコルのところに短絡ルートの下山道があるが、足の調子を見て大丈夫そうなので、そのまま節刀ヶ岳に進み、午後3時5分、節刀ヶ岳山頂に到着する。この頃には富士山はすっかり雲におおわれ、空全体が曇り空で暗くなり始めていた。10分ほど休憩して大石峠に向かって下山開始する。
節刀ヶ岳山頂。空はすっかり曇り空、風も冷たく感じる。
これから下る大石峠への尾根。長い。
これからたくさん咲くであろうツルシロカネソウ(たぶん)。
大石峠。本日歩いた毛無山・十二ヶ岳の尾根には雲がかかる。
1時間少々で大石峠に到着。雲はさらに広がって毛無山・十二ヶ岳も雲の中に入ってしまう。今にも雨が降りそうな暗い空になってきた。あとはひたすら峠道を下山するのみだ。午後5時半、駐車場に到着。1周私の鈍足で8時間半の行程だった。
大石峠登山口のところにある案内板。
これには本日歩いたルートの地図も記されている。7時間くらいで回れるはずだが・・・。
カシミール3Dからの行程図。距離9.8km、累積高低差998m。
想定した通りの私にとってはちょっとハードなコースだったが、十分に余裕で歩けるコースである。山梨百名山2座を1日で周回でき、アルペン気分も味わえる面白いルートである。これから咲くミツバツツジのシーズン、そして秋の紅葉シーズンもおすすめである。