技術の進歩が障害者の活動範囲を広げいくことは間違いない。特に、電池とモーターの高性能化は、サポートのための機器を小型化するのに貢献している。
障害者が健常者を超えると、健常者が同様の機器を使用して能力の向上を目指すようになるだろう。特にロボティクス技術は介護や建設の現場に導入されてるし、おそらく軍事利用もされているだろう。
ここまでは、ヒトが失った能力を回復させるとか向上させるという方向性だったが、もう一つの方向性として、もともとヒトが持っていなかった能力を付与するというのがある。赤外線ゴーグルのように視覚を変化させる機器はすでにあるが、同じような機能を身体に埋め込むことで「別の」人間を生み出すような方向性だ。
今はトランスヒューマンとかボディハッカーと呼ばれる人たちの話でしかないが、例えば、360度視界を持つヒトになりたい人もいるだろう。スタートレックシリーズに出てくるジョディ・ラフォージのように全盲の人をサポートする機器として登場することは、いかにもありそうだし、トラックの運転手をサポートするHMDとして日常的な機器になるかもしれない。
攻殻機動隊でも、強化型サイボーグは「高度身体障害者部隊」として軍事利用されたことになっている。
いつまでヒトがヒトのままでいられるか、楽しみな気がする。