わんわんず

日々のあれこれ、感じたこと考えたこと

障害者が健常者を超えたら(その3)

2017-11-30 | 日記・エッセイ・コラム

 技術の進歩が障害者の活動範囲を広げいくことは間違いない。特に、電池とモーターの高性能化は、サポートのための機器を小型化するのに貢献している。

 障害者が健常者を超えると、健常者が同様の機器を使用して能力の向上を目指すようになるだろう。特にロボティクス技術は介護や建設の現場に導入されてるし、おそらく軍事利用もされているだろう。

 ここまでは、ヒトが失った能力を回復させるとか向上させるという方向性だったが、もう一つの方向性として、もともとヒトが持っていなかった能力を付与するというのがある。赤外線ゴーグルのように視覚を変化させる機器はすでにあるが、同じような機能を身体に埋め込むことで「別の」人間を生み出すような方向性だ。

 今はトランスヒューマンとかボディハッカーと呼ばれる人たちの話でしかないが、例えば、360度視界を持つヒトになりたい人もいるだろう。スタートレックシリーズに出てくるジョディ・ラフォージのように全盲の人をサポートする機器として登場することは、いかにもありそうだし、トラックの運転手をサポートするHMDとして日常的な機器になるかもしれない。

 攻殻機動隊でも、強化型サイボーグは「高度身体障害者部隊」として軍事利用されたことになっている。

 いつまでヒトがヒトのままでいられるか、楽しみな気がする。

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未払い残業代が9000億円??

2017-11-29 | 国際・政治

 教員の勤務時間について検討していた文部科学省の中央教育審議会で、教員の時間外労働に関して上限規制を設けるという結論に至ったが、残業代を払うことにはならなかったそうだ。
 報道やネット上の情報によると、教員が行っている時間外の仕事は、すべて「自発的な活動」だから残業代を払わなくていいことになっているそうだ。例えば、テストの採点や各種行事に関する準備が仮に時間外に行われたとしても、「誰も指示していない、勝手にやったこと」になるらしい。
 さらに、その「自発的な活動」を仕事として認めると(つまり、彼らが勤務時間以外にやっていることは、いかに仕事に関連していても仕事ではないということ)、国と地方を合わせて9000億円を超えるという文部科学省の試算があるらしい(国だけで3000億円という試算を朝日新聞では紹介している)。

 裏返して言えば、今のところ教員に対しては、毎年9000億円を超える未払い残業代があるというわけだ。特別の法律があるという面もあるが、「誰も指示していない、勝手にやったこと」にすれば残業代を払わなくていいと国が率先して認めているわけだ。
 働き方改革とか、残業代払えとか、言ってることと、やってることがずいぶん違いますね。

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障害者が健常者を超えたら(その2)

2017-11-28 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日はパラリンピックをネタに障害者の能力向上について書いた。今回は、日常的なところでの話。

 一定の競技場とかでの能力比較となれば、障害者のほうが健常者よりも高い能力を示すことがあるのは昨日書いたとおり。しかし、これが日常生活となると途端に不便極まりない状況になる。

 競技用の義足は街中を歩くようには出来ていないし、車椅子が通れる道は限られている。現実的に車椅子で入ることができる飲食店は限られるし、義手でも持てる食器なんてものもほとんどない。
 それは、日常生活が「健常者が使いやすいように」最適化されているから。ユニバーサルデザインと言っても、そもそも体の一部がない人のことまで考えているわけではないだろう。

 そんなわけで、今のところ障害者の能力が高まったというのは、限られた環境でのことにすぎない。そういう意味では、AIが人間を超えたというのと同等の話でしかないわけだ。

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TIMEが身売り

2017-11-27 | 社会・経済

 昼休みに開いた日経のサイトで、雑誌TIMEを発行する会社が同業に身売りすると出ていた。紙媒体が苦しいのは世界中どこでも同じなんだろう。日本の週刊誌なんかも、中吊り広告を見る限り、定期購読の習慣がある中高年層をターゲットにしている感じだ。だいたい、20代以下をターゲットにした紙の雑誌って残っていけるのだろうか。

 それはさておき、身売りする先が同業者ということだけど、資金提供者がコーク兄弟とあったので気になった。資金を提供するだけでTIMEの編集には立ち入らないということだけど、アメリカ人だって忖度するわけだから、自主規制という形での変質は避けられないだろう(「経営者の帽子をかぶれ」という言い回しが英語でもある)。

 苦境が伝えられる日本の紙媒体の会社は、こういう記事を見てどう感じているのだろうか。

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障害者が健常者を超えたら

2017-11-27 | 日記・エッセイ・コラム

 東京オリンピック・パラリンピックまで後1000日を切って、色んなイベントが始まっている。また、パラリンピックに関するテレビ番組もやっている(ほとんどNHKだが)。
 障害者というと知的障害と身体障害があるわけだが、パラリンピックに出るような人は身体障害だ。そこで、技術的なサポートを受けながら競技をすることになるんだが、どこまでが本人の能力で、どこからが道具の力なのかを判断することが健常者には難しい。

 すでに、走り幅跳びでは健常者の記録を障害者が超えた。競技用に特化した義足のほうが人間の足よりもバネがあるからだ。中距離走でも同じことが起きている。

 陸上競技のように「体ひとつで」やるような競技だと判りやすいが、パラリンピックは技術の勝負という要素が強くなる。

 その結果、健常者を超えるような障害者が現れたとき(と言うか現れているんだけど)、健常者は受け入れられるのだろうか。
 ちなみに、走り幅跳びの選手はオリンピックの出場は拒否された。

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