裁量労働制で、労働生産性が上がる直接の原因を書いていなかった。
労働生産性の分母が労働時間であることは、すでに書いた。普通、付加価値額を増やすためには労働時間を増やすことが必要だ。ホワイトカラーであっても、一定のクオリティでアウトプットを出すには一定の時間が必要だ。
つまり、裁量労働制を採用していないと、付加価値額が増えても、投入している労働時間も増えることになるので、労働生産性の向上には、設備投資か人的投資のいずれかが求められるのが普通だ。ところが、裁量労働制を採用していると、現実に投入している労働時間とは関係なく、労働時間が固定されるわけだ。
例えば、これまで営業職が8時間で4件訪問できていたところを、10時間で5件訪問したとする。この場合で、売上が訪問1件あたり10万円だとすると労働生産性は変わらない(40/8=50/10=5)。ここで、裁量労働制を採用することで、実時間が10時間であっても8時間とみなすことができれば、売上の増加に比例して労働生産性が増えることになる(50/10=5が50/8=6.25になる)。
朝から書いたことだけだと、このあたりの説明が抜けてた感じがしたので、今日のうちに補足しました。