前回は、子供にとってゲームは面白く、親がうまくコントロールしないといけないということを書いた。さて、そこで自分が時間を費やしてもいいと思えるようなゲームはどんなものかと言うと、情報の不確定さを織り込んだゲームだ。
どこかにも書いているけど、旅の速度と情報の速度が同じだった時代、具体的には電信が発明される前の時代に興味がある。そういう時代は、自分が今手にした情報がすでに違っていることが当たり前なので、現在とは情報の意味が違う。もちろん、いわゆるニュースは時間がかかるだけで同じものが伝播していくことに変わりない。ゲームとして成立するようなものを考えるのだから、自分と(潜在的な)競争相手がアクションを起こすことで変化する状況を考えている。
例えば、戦国時代を舞台にした、誰もいないと情報があった砦に後詰がいたり、救援要請を受けて、すぐに応援を向かわせたところすでに敗走していた、ということが普通に起きかねないようなゲームだ。いくら正確な情報を得ようと思っても、彼我の距離によって情報が正確さを失ったり、作戦指示は先を見越して送らないと手遅れになるというような、一言で言うと「リアルな」ゲームだ。
こういうゲームが一般受けすると思えないし、自分自身、本当にプレイするか判らない。しかし、索敵すれば瞬時に正確な情報が手に入ったり、指示したことが即座に反映するようなゲームは、あまりにも簡単な気がする。
ゲームと言えばボードゲームだった頃は「戦場の霧」をどうやってゲームに持ち込むかを競って考えたことがあった。まだまだゲームが一部のマニアの物だった頃だ。プレイヤーがそれぞれ地図を持つようにしたり、乱数で移動力が変わったり、不発弾を混ぜてみたり、索敵に失敗したり、敵味方の識別を間違えるようなルールを導入したり、いろいろと考えたものだ。
もしかしたら、戦場の霧をうまく再現したゲームが存在するのかもしれない。誰か教えてくれないだろうか。