
出光美術館
2008年9月6日(土)~10月26日(日)
出光美術館については、こちらも参考に(ルオー展)
今回の注目は、何といってもこれ。
絵唐津丸十文茶碗 桃山時代の作
高9.0 径14.3 底径5.6cm 出光美術館所 蔵
出光興産の創業者である出光佐三氏のやきもののコレクションは、古唐津から始まった。その記念すべき第一号が写真の「絵唐津丸十文茶碗」。
昭和14(1939)年にこの茶碗と出会い、その素朴さ、素直さに心を打たれたとのこと。
昭和41(1966)年に出光美術館を開館したきっかけの一つは、この古唐津コレクションが散らばらないようにと考えてのことだった。
手にスッポリはまりそうな頃合いの大きさ、丸に十の文字は薩摩の島津家の家紋を思わせるが、多分、単なる窯印、又は意図したデザインか?
唐津焼とは、桃山時代から、佐賀県や長崎県など肥前各地の窯で生産されてきた陶器のことをいい、そのうち、草創期の桃山時代から江戸時代初めに作られた唐津焼のことを、特に「古唐津(こがらつ)」と呼んでいる。
最初の唐津焼は、朝鮮から海を渡ってやって来た陶工達を中心に始まり、名も知れぬ、しかしもの凄い腕前をもつ陶工たちが、生計のためにただひたむきに作り上げた物だった。飾らない、清々しさから、茶の湯、懐石膳の皿や鉢、ぐい呑の逸品として有名。
今回は、隣に「絵唐津写し十文茶碗」が並べて展示されている。
あの川喜田半泥子の作である。
「絵唐津丸十文茶碗」に惚れ込んだ川喜田半泥子が譲ってもらえないかと申し入れたが断られた。せめて模写させてくれと頼んで作った作品。
その後、出光が入手。
どういう経緯か不明ながら、こうして並んで展示されているのを見ると、複雑な気持ちになりますね。
残念ながら、写真はない(いつか手に入れたいと思うが)。
模写とはいえ、図柄の丸に十の文字は似てなかった、川喜田半泥子も芸術家だ、作品の本質を模写したのであろう。
川喜田半泥子(かわきたはんでいし:1878~1963)は、伊勢商人川喜田久太夫家十五代の長男として生まれた。
三重県津市に住み、百五銀行第六代頭取他の要職に就くとともに、書画、茶の湯、俳句、写真など実に多彩な趣味を持っていた。
作品は、実家を改造した石水(せきすい)博物館(三重県津市)で見ることが出来る。
2005.6に私も往訪したことがあります。
常設展には英語のフレ-ズを漢字にして、書でそのイメ-ジを表すという面白い試みもあった。
How are you? を漢字で、"波和遊" 。うまいですね。

東山魁夷「春梢」
幻想的な風景画です。初公開とのこと。
いつもの東山魁夷らしくない画風です。
多分ヨーロッパのどこかでしょう。
今回、上村松園、田能村直入、冨岡鉄斎、佐伯祐三、小杉放菴、月岡芳年等の作品が展示されています。
出光コレクシヨンだけの展示なので、迫力不足は否めない。
佐伯祐三「踏切」もありました。
先日、大阪市立美術館で、佐伯祐三は一杯見たところです。
没後80年記念 佐伯祐三展 -パリで夭逝した天才画家の道-

上村松園「灯」
いつもながらの素晴らしさ。これも初公開とのこと。
上村松園と言えば、松伯美術館です。
上村家三代の画家の作品を展示しています。上村松園、息子の上村松篁、その長男の上村淳之。
ルオー展の時と違い、ご年輩の方が多いので、皇居を眺められる休憩コーナーはなかなか空きませんでした。
無料のお茶を頂きながら、ボーと皇居を見る。最高に心が休まります。
2008年9月6日(土)~10月26日(日)
出光美術館については、こちらも参考に(ルオー展)
今回の注目は、何といってもこれ。
絵唐津丸十文茶碗 桃山時代の作
高9.0 径14.3 底径5.6cm 出光美術館所 蔵
出光興産の創業者である出光佐三氏のやきもののコレクションは、古唐津から始まった。その記念すべき第一号が写真の「絵唐津丸十文茶碗」。
昭和14(1939)年にこの茶碗と出会い、その素朴さ、素直さに心を打たれたとのこと。
昭和41(1966)年に出光美術館を開館したきっかけの一つは、この古唐津コレクションが散らばらないようにと考えてのことだった。
手にスッポリはまりそうな頃合いの大きさ、丸に十の文字は薩摩の島津家の家紋を思わせるが、多分、単なる窯印、又は意図したデザインか?
唐津焼とは、桃山時代から、佐賀県や長崎県など肥前各地の窯で生産されてきた陶器のことをいい、そのうち、草創期の桃山時代から江戸時代初めに作られた唐津焼のことを、特に「古唐津(こがらつ)」と呼んでいる。
最初の唐津焼は、朝鮮から海を渡ってやって来た陶工達を中心に始まり、名も知れぬ、しかしもの凄い腕前をもつ陶工たちが、生計のためにただひたむきに作り上げた物だった。飾らない、清々しさから、茶の湯、懐石膳の皿や鉢、ぐい呑の逸品として有名。
今回は、隣に「絵唐津写し十文茶碗」が並べて展示されている。
あの川喜田半泥子の作である。
「絵唐津丸十文茶碗」に惚れ込んだ川喜田半泥子が譲ってもらえないかと申し入れたが断られた。せめて模写させてくれと頼んで作った作品。
その後、出光が入手。
どういう経緯か不明ながら、こうして並んで展示されているのを見ると、複雑な気持ちになりますね。
残念ながら、写真はない(いつか手に入れたいと思うが)。
模写とはいえ、図柄の丸に十の文字は似てなかった、川喜田半泥子も芸術家だ、作品の本質を模写したのであろう。
川喜田半泥子(かわきたはんでいし:1878~1963)は、伊勢商人川喜田久太夫家十五代の長男として生まれた。
三重県津市に住み、百五銀行第六代頭取他の要職に就くとともに、書画、茶の湯、俳句、写真など実に多彩な趣味を持っていた。
作品は、実家を改造した石水(せきすい)博物館(三重県津市)で見ることが出来る。
2005.6に私も往訪したことがあります。
常設展には英語のフレ-ズを漢字にして、書でそのイメ-ジを表すという面白い試みもあった。
How are you? を漢字で、"波和遊" 。うまいですね。

東山魁夷「春梢」
幻想的な風景画です。初公開とのこと。
いつもの東山魁夷らしくない画風です。
多分ヨーロッパのどこかでしょう。
今回、上村松園、田能村直入、冨岡鉄斎、佐伯祐三、小杉放菴、月岡芳年等の作品が展示されています。
出光コレクシヨンだけの展示なので、迫力不足は否めない。
佐伯祐三「踏切」もありました。
先日、大阪市立美術館で、佐伯祐三は一杯見たところです。
没後80年記念 佐伯祐三展 -パリで夭逝した天才画家の道-

上村松園「灯」
いつもながらの素晴らしさ。これも初公開とのこと。
上村松園と言えば、松伯美術館です。
上村家三代の画家の作品を展示しています。上村松園、息子の上村松篁、その長男の上村淳之。
ルオー展の時と違い、ご年輩の方が多いので、皇居を眺められる休憩コーナーはなかなか空きませんでした。
無料のお茶を頂きながら、ボーと皇居を見る。最高に心が休まります。