2013年3月23日(土)22:00~22:55 JAL presents JET STREAM LIVE 2013
JET STREAM2013~Thank you from JAL
ladies & gentleman we will soon takeoff
皆様 ご機嫌いかがですか
JET STREAM 特別便の キャビンアテンダント 小山ジャネット愛子です
今日は 3月1日に サントリーホールで行われたコンサート
JET STREAM2013~Thank you from JAL の模様を ご紹介しましょう
まだ夜の風が 頬に冷たい ここは 東京のアークヒルズ
高層ビルに囲まれた 赤坂と六本木の間にあるというのに
爽やかな緑が 心地良く香ります
カラヤン広場に向かうエスカレーターに乗ると
キラキラと光るイルミネーションの向こうに
今夜の 音楽の旅の搭乗ゲートが見えて来ます
クラシック音楽の殿堂 サントリーホール
今年で 46年目を迎える JET STREAM が
時空を超えた世界に 今旅立とうとしています
しかも 今夜は オーケストラによるスペシャルフライト
クラシックという 音楽の翼は
私たちを どんな世界に運んでくれるのでしょう
既にサントリーホールの2千のシートは お客様でいっぱい
ステージでは オーケストラのメンバーが 入念に楽器を調整しています
まるで フライト前のコクピットのようです
さぁ JET STREAM2013~Thank you from JAL
そろそろ テイクオフの時間
いつものように 大沢たかお機長の 優しい声が聞こえて来ます
JET STREAM JET STREAM JET STREAM JET STREAM
Mr.Lonely 東京フィルハーモニー交響楽団
遠い地平線が消えて 深深とした夜の闇に心を休める時
遥か雲海の上を 音もなく流れ去る気流は 弛みない 宇宙の営みを告げています
満天の星を頂く 果てしない光の海を 豊かに流れ行く風に 心を開けば
煌めく星座の物語も聞こえて来る 夜のしじまの なんと饒舌なことでしょう
光と影の境に消えていった 遥かな地平線も 瞼に浮かんでまいります
午前零時のナイトオンザプラネット
JAL と共にお送りしていますこの番組 JET STREAM
ちょうどその頃 ホノルルは午前5時
ダイヤモンドヘッドの登山ゲートには
開門を待つ観光客が そろそろ集まり始めた頃でしょう
大西洋を超えると ロンドンは午後3時
ケンジントンパレスの近くにある ティールームには
午後のお喋りを楽しみに レディたちが向かっていることでしょう
時を刻みながら 音もなく回り続ける私たちの星 地球
それぞれの場所 様々な思いで奏でられる音楽は
地球の鼓動のように 多くの人々の心を 一つにしてくれます
さぁ これから皆様を
私 機長 大沢たかおが 音に秀でた楽師たちと
時空を超えた 素晴らしい世界旅行へ お連れしましょう
JET STREAM2013~Thank you from JAL JAL 、SEIKO がお送りします
JET STREAM2013~Thank you from JAL
今夜 大沢機長と一緒に 音楽の世界を旅するのは
円光寺雅彦さんが 指揮をする 東京フィルハーモニー交響楽団
スペシャルゲストとして ピアニストの 横山幸雄さん
さらに 番組の4代目機長 伊武 雅刀さんが登場(搭乗)します
また 今回のコンサートには ビートルズの数々の名曲を生み出した
アビイ・ロードスタジオの伝説のピアノ ベヒシュタインが
横山幸雄さんによって 演奏されます
さて 音楽の旅 まずはニューヨーク
世界最高のミュージカルが演じられる ブロードウェイから
旅 それは誰もが自由になれる 大切な時間
大都会の喧騒 緑あふれる豊かな自然 美術館で見付けた 一枚の肖像画
そして 心躍らせてくれる素敵な音楽 旅で出会うものすべて
時には 時空を超えて 永遠の出会いが 待ち受けているからです
誰もが喜びを感じるのはそんな時
生きている 命の証を感じるのは そんな時なのでしょう
マンハッタンのタイムズスクウエア
地下鉄の駅の階段を昇ると そこは ギラつくような厚化粧の世界
塗り立てのペンキと フレンチフライの油の匂い
ちっとも静かじゃありませんが
何故か不思議なほど 心が休まります
それはきっと このブロードウェイが掛ける 魔法のせいなのでしょう
摩天楼の孤独を癒す ミュージカルという魔法
ニューヨークのウエスト・サイド トニーとマリア
出会ってはいけない二人は 許されぬ恋に落ちる
そんな愛する二人を引き裂くように
ハーレムに響き渡る 乾いた フィンガースナップ
ウエストサイド・ストーリー・セレクション 東京フィルハーモニー交響楽団
ウエスト・エンドを歩いていると 大股で歩いていることに気が付きます
そういえば バッキンガムの衛兵たちも
ピカデリーサーカスを睨み付けるように歩く ピアスの若者たちも
女王陛下の街を歩くジョンブルたちは 誰もが ジョニー・ウォーカーのようです
それは このロンドンという石造りの街 車の警笛 乾いた靴音
ビック・ベンの鐘の音までが まるでマーチのように
男たちを 勇ましく歩かせるからなのでしょう
今から44年前
ウェストミンスターの車道を 同じように大股に 渡った男たちがいます
ジョン ポール ジョージ リンゴ
互いをこう呼び合うように
今も その4人に習って 世界中から当時の若者たちが ここを渡ります
アビイ・ロードの横断歩道です
この4人の男たち ビートルズが渡った先にあったのが
有名な アビイ・ロード・スタジオです
Let It Be 横山幸雄
そのスタジオにあったのが この伝説のピアノ べヒシュタインです
今 このピアノに触れると
時空を超えて 4人の男たちと心が繋がったような気持ちになります
このピアノを弾いたのは ポール・マッカートニーとジョン・レノン
ビートルズの数々の名曲は このピアノの鍵盤から生まれました
例えば この Let It Be
ビートルズが このメロディーで 世界の若者を熱狂させたように
今から 170年程前 ピアノでヨーロッパを熱狂させた男がいます
フレデリック・ショパン
ショパンが最後にコンサートを開いたのは
今もロンドンのシティに残る ギルドホールといわれています
この壮大なゴシック建築の中で 彼が何を弾いたか分かりませんが
その頃彼は パリに帰る思いを募らせていたようです
ショパンはパリの友人に こんな手紙を書いています
「スミレの花を買うように言いつけてくれ 部屋に香りがあるように」
ピアノの詩人は そのスミレの花を
誰の為に パリの部屋に飾ろうとしていたのでしょうか
ショパン:英雄ポロネーズ 横山幸雄
甲板の 白いデッキチェアに身を埋めて
クルーズ船で シチリア島に向かっています
手を伸ばすと カモメが 指先をかすめるほど 近くを飛んで行きます
実は先程から 目の前に広がる 地中海の海の色を
どう表現してよいか 考えています
エメラルドブルー 地中海ブルーではちょっとありきたり
そうだ イタリア語の アズーリが良いかもしれません
アズーリ 空の青より 少し濃いめのブルー
男くさくて 少々荒々しいシチリアの海には
この アズーリという言葉の響きが とても似合う気がします
アズーリの海の上を船がゆっくりと進んで行くと
ちょうど漁師たちが 網を上げている姿を見掛けました
くわえ煙草に 潮焼けした 浅黒い肌
人懐こそうな瞳 漁師たちの笑顔に 一本の映画を思い出します
ニュー・シネマ・パラダイス
この映画が撮影された 小さな街は 今も 変わりない姿とか
船が シチリアの港に着いたら この 天国の街を訪ねることにしましょう
ニューシネマ・パラダイス(愛のテーマ) 東京フィルハーモニー交響楽団
JET STREAM2013~Thank you from JAL
会場のサントリーホールは オーケストラの奏でるスペシャルフライトで
驚くほど熱気に包まれています
さてここで 音楽のフライトは 少し翼を休め 空港に降り立つことに
大沢機長が 空港のコンコースを歩いていると
おや 懐かしい先輩のパイロットに 出会ったようです
JET STREAM の4代目機長 伊武 雅刀さんです
エアポート それは 出会いの場であり別れの場
ひと時の安らぎを得る 憩いの場でもあります
これまで 何千キロいや 何万キロも離れた者同士が
ふと 人生の一瞬だけ出会い そして また別れて行く
エアポートには すれ違う人の数だけ 様々な時間が流れています
エアポート それはまるで 時の万華鏡
ヨーロッパの旅を終えて 新たな旅に出ようとしている時
今 そんな時の隙間で 時空を超えて 懐かしい顔に出会いました
これまで 多くの旅をして来た その旅人の言葉に
暫く 耳を傾けることにしましょう
人は 人生という時の旅人
これから時を遡り 過ぎし時代を旅して来た思いを
少し 聴いては貰えないだろうか
いったい どれだけたくさんの月日が 流れたのだろう
これまで どれだけたくさんの 心の欠片を
思い出というカバンに 詰め込んで来たのだろう
それは 考えてみても 虚しいこと
新たな旅の喜びの前に これまでの旅は 思い出の一つにすぎない
ドイツの文豪 ゲーテはこう言っている
人が旅をするのは 到着する為でなく 旅をする為である
旅の目的とは 辿り着くことではない 旅そのものに あるという
夜間飛行 東京フィルハーモニー交響楽団
地球の自転によって起こる 成層圏に起こる壮大な大気の流れ JET STREAM
旅の翼に身をゆだねて 雲海を渡り 満天の 星空の中で シートに 身を沈めると
僅かな時の間に 季節が変わり 国が変わり
そして気が付くと 少しだけ自分が変わっている
それが 旅というものの楽しみ 変わることを恐れてはならない
新たな出会いは 新たな自分を 見付けることなのだから
さて そろそろ時間だ
また私は 新しい自分を見つけに 旅に出掛けることにしよう
飛行機の窓から見る地球は 様々な姿で目に映ります
マイアミで見た街並みは ネオンの絨毯
キラキラしたその輝きは 妖しく 人を誘うようです
サハラで見た砂漠は 赤茶けた 不毛の世界
人を拒むように 息をひそめています
秋には色付く ブルゴーニュは 豊かな 葡萄の実り
ワインの香りさえ漂って来そうです
高度1万メートルの世界
そこにあるのは どこまでも広がる 青い空と 時折浮かぶ 白い雲
そして この地球という星の 純粋な時の流れ
光と闇に分かれたその向こうには
季節も 国も 言葉さえも違う 新たな世界が待ち受けています
地球を旅することで味わうのは この星に生きる喜び
時空を超えた 出会いと別れは 永久に 受け継がれて行くのでしょう
さぁ これからも
あなたと新たな旅に出掛けましょう
素晴らしい 音楽と共に
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 東京フィルハーモニー交響楽団&横山幸雄
夜の扉は明日への扉 一つの別れは また 新たな出会いへの始まりです
再び 皆様と出会える フライトがあることを願って
えー 最後に この歌で お別れしましょう
What A Wonderful World 東京フィルハーモニー交響楽団&横山幸雄
目に鮮やかな緑の木立
匂いたつ赤い薔薇
そのすべてが 僕とあなたのためにある
そう思うだけで なんてこの世界は素晴らしいのだろう
見上げる青い空も ぽっかり浮かぶ白い雲も
光に満ちた真昼も 静かな暗い夜も
僕はいつもこう思う
なんてこの世界は 素晴らしいのだろう
空に掛る虹は とても美しい
行き交う人たちの顔に その虹が 掛っている
友達同士で手を握り合い 元気かい と 挨拶している
でも本当は 愛してるよと 言っているのだ
何処かで赤ちゃんが泣いている
君たちの成長は 必ず 見守るよ
これからきっと君は
僕の想像できないくらいの たくさんのことを知るだろう
そう思うだけで なんてこの世界は 素晴らしいんだろう
この地球という星は なんて喜びに満ち溢れているのだ
オーケストラによるJET STREAM の世界
皆様 如何だったでしょう
今日 お送りした曲は ♪ Mr.Lonely
♪ ウエストサイド・ストーリー・セレクション
♪ Let It Be
♪ ショパン:英雄ポロネーズ
♪ ニューシネマ・パラダイスより 愛のテーマ
♪ 夜間飛行
♪ チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番
♪ What A Wonderful World でした
この地球という星に住む 70億もの人々が織りなす時の流れを
旅の心と 音楽で紡ぐこの番組 JET STREA
本日の特別便 キャビンアテンダントは 私 小山ジャネット愛子でした
JET STREAM2013~Thank you from JAL
JAL SEIKO がお送りしました
大沢たかお
伊武雅刀
伊武雅刀&大沢たかお
小山ジャネット愛子