Room☆P

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2020年3月31日(火) JET STREAM

2020年04月01日 00時55分30秒 | JET STREAM
南フランス プロヴァンス地方に ミストラル と呼ばれる 冷たい北風の季節が別れを告げると
目にも鮮やかな レモンイエローのミモザに始まる 春の花々が咲き乱れるようになる
とはいっても これは地中海に面した ニースやカンヌ といった コートダジュール辺りのこと
スペインとの国境に聳える ピレネー山脈を望む フランスの ミディー・ピレネー地方 は
まだまだひんやりとした空気に包まれている
しかしながら そんな山間にも 春の訪れを待ち切れずに 人々で賑わう村がある
人口200人ほど 小さな山間の村 サン・シル・ラポ(Saint-Cirq-Lapopie)
100メートルを超える切り立った崖の上に ひっそりと息を潜めるように築かれた村
時には霧をまとって 姿を隠し また 霧が晴れた束の間 13世紀から15世紀ころの家々が現れる
まさに魔法の村 と呼ぶに相応しいこのサン・シル・ラポ
20世紀のはじめ パリからこの村に移り住んだ芸術家たちは多く
長くこの村に暮らした シュールレアリスムの創始者 アンドレ・ブルトンは こう言っている
サン・シル・ラポには 私に たった一つの魔法をかけた 絶対に解けない 魔法
石畳のなだらかな坂道を上っていると 石造りの建物が 時折姿を見せ
やがて 要塞のような門を潜り抜けると 待ち兼ねたように小さなカフェが現れる
テーブルの横で シャンパン片手に 観光客が賑やかに語らっている
彼らもきっと この村の虜になっているんだろう
解けない魔法がかかる前に 村から出るのが 無難かもしれない


ヨーロッパを旅していると ポケットにたまってしまう硬貨
1ユーロなら使い道もありますが 1セントや 2セントの硬貨となると たまってしまうだけ
ホテルのベッドの脇にそのまま置いて行ってしまう方も多いことでしょう
今やキャッシュレス化が進んでいることもあって 次第に存在価値を失ってしまった こうした 小額の硬貨
先日 EU 欧州連合の ユーロ加盟国では 
1セント硬貨と 2セント硬貨の 段階的な廃止が検討されていることが 明らかになりました
廃止する理由は 硬貨の製造や管理などに 硬貨の価値以上にコストがかかること
少額硬貨を廃止することで 経費削減が期待されるから です
現在 ユーロを使っている19カ国の内 オランダやベルギー イタリアといった国々では
既に小額硬貨を使わずに買い物ができるよう 金額の端数が出ないよう義務付けている国もありますが 
ユーロを使うすべての国で 金額の端数を切り上げたり 切り下げたりする
EU共通のルール を 検討しているそうです
ところで このヨーロッパで流通している硬貨 
発行している国によって その図柄が違うのを ご存知ですか
例えば フィンランドは ライオン ドイツは 多くの小枝 オーストリアは エーデルワイスや ミント
フランスは 自由の女神 マリアンヌ といった図柄が使われています
まだEUでは 正式には小額硬貨の廃止は決まっていませんが
今の内に それぞれの国々の 1セントと2セント硬貨をコレックションしておくのも
素敵な旅の思い出になるかもしれません