村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

春の心はのどけからまし 

2024-03-11 21:02:31 | 古筆

世の中にたえて櫻のなかりせば
春の心はのどけからまし 

散ればこそいとゞ櫻はめでたけれ
うき世になにか久しかるべき
(伊勢物語)

掛軸の箱を開け
軸を取り出し掛ける
鑑賞したら巻く
そして箱にしまうまで
それぞれ緊張する

箱の蓋を開けるとき
気を許してはならない
爪で箱を傷つけることがあってはならないから
慎重に
掛け紙があればゆっくり外して
箱の甲書きを読む
裏を返して極めを見る
軸の紐をほどき巻き紙を外して
軸を掛け少しずつそっと掛け下ろす
乱暴にしたら掛け緒が外れてしまうかも知れぬ
または掛けている竹釘や軸釘が
壊れているかも知れないから
様子を見ながら掛ける
軸を鑑賞したら巻き上げるのだが
掛け下ろすより巻きあげる方が難しい
軸を持って均等に巻き上げる
傾くとどんどん斜めになってしまう
固くもなく柔らかくもなく巻く
でないと巻き皺シワが寄ってしまうから
力を入れすぎず
さわってるだけの感じで
扱う
あとは巻き緒で巻いて箱をしまうのだが

掛軸に関わる一連のことが
最近、面倒になってきた
毎週、稽古毎に変えていた掛け物
考えるのも、変えるのも
面倒になってきた
これが年を取っていくことかも

掛け物は第一の道具
面倒と思わず
面倒と言わず
気持ちが小さくならないように
頑張ろう
甘いものでも食べて
少し頑張ろう

コメント
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