一部テレビ新聞雑誌で、光市母子殺人事件の弁護団が批判されているが、このような報道は単に集団リンチを煽るだけの無責任なもので、到底社会的正義を実現しようとしているとは思えない。メディアがなすべきは、なぜ、このような事件が起きたのかについての認識を社会で共有し、その対策を社会で考えるような情報を提供することである。遺族が被害者と同じように殺したいと思う気持ちは理解するが、だからといって、国家が遺族の願いを全て叶えなければならないわけではない。
例えば、酔っぱらい運転で殺された子の親は、その運転手を殺したいと思うだろう。光市の母子殺人事件で死刑に処すべきだと考える方は、この運転手も死刑にするべきだと思いますか?
もし、私が上記の親の立場だったら、酔っぱらい運転防止機能のつかないまま製造した車メーカーの経営陣とそのような車を製造することを許した経済産業省の自動車課の役人を皆殺しにしてやりたいと思うだろうが、私の遺族感情を国家が叶えることに賛同してくれますか?
結局、死刑は、問題の解決にはならない。どうすれば、同じような目に遭う人がいなくなるようにできるかを考えること、これこそが、国家が行うべき義務だと思う。
レイプという手段による性的欲求の解消がいかに、被害者の人権を害するものかを徹底的に理解させること、そのような手段を講じなくても良いように1人ひとりが満たされた社会を実現すること、難しいことかも知れないが、国家として取り組むべきは、むしろ、そちらの道ではないだろうか。
飲酒運転をしようとしてもできないような車、制限速度を超えた運転ができないような車、そういう車をつくることを放置し許しておいて、すなわち、毎年1万人以上の人が亡くなることを知りつつ、防止策のとられていない車が走り回ることを許しておいて、他方で、光市の母子殺人事件の犯人を死刑にせよと、国家に求めるのは、あまりにバランスを失していないだろうか。
私が母子殺人事件の被害者の遺族だったら、許せないという気持ちになることは当然だと思う。しかし、復讐を国家を通じて実現することは、本来行うべき対策から国家を解き放つことでしかない。
私には、いまの社会の治安が悪いのは外国人のせいだ、とスケープゴートをつくって、市民の不満をそちらに向けることと、死刑を維持して犯人に対する憎しみを煽ることとは同じように思えてならない。
こういう時こそ、メディアにその社会的責任を果たすよう求めたい。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。なお、安倍辞任までの間、字数が許す限り、タイトルに安倍辞任要求を盛り込むようにしています(ここ←参照下さい)。
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もし、私が上記の親の立場だったら、酔っぱらい運転防止機能のつかないまま製造した車メーカーの経営陣とそのような車を製造することを許した経済産業省の自動車課の役人を皆殺しにしてやりたいと思うだろうが、私の遺族感情を国家が叶えることに賛同してくれますか?
結局、死刑は、問題の解決にはならない。どうすれば、同じような目に遭う人がいなくなるようにできるかを考えること、これこそが、国家が行うべき義務だと思う。
レイプという手段による性的欲求の解消がいかに、被害者の人権を害するものかを徹底的に理解させること、そのような手段を講じなくても良いように1人ひとりが満たされた社会を実現すること、難しいことかも知れないが、国家として取り組むべきは、むしろ、そちらの道ではないだろうか。
飲酒運転をしようとしてもできないような車、制限速度を超えた運転ができないような車、そういう車をつくることを放置し許しておいて、すなわち、毎年1万人以上の人が亡くなることを知りつつ、防止策のとられていない車が走り回ることを許しておいて、他方で、光市の母子殺人事件の犯人を死刑にせよと、国家に求めるのは、あまりにバランスを失していないだろうか。
私が母子殺人事件の被害者の遺族だったら、許せないという気持ちになることは当然だと思う。しかし、復讐を国家を通じて実現することは、本来行うべき対策から国家を解き放つことでしかない。
私には、いまの社会の治安が悪いのは外国人のせいだ、とスケープゴートをつくって、市民の不満をそちらに向けることと、死刑を維持して犯人に対する憎しみを煽ることとは同じように思えてならない。
こういう時こそ、メディアにその社会的責任を果たすよう求めたい。
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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# 大体,光の事件は新日鉄がでっちあげた,不良狩りに過ぎませんから,死刑にするなどとんでもない.
ただ、世の中の大多数の人が精神に何らかの歪みを持ち生きている現在、その大多数の人達を「治す」某かの状況が必要かとは思いますが。
それゆえ、日本人は、弁護人が被告人を弁護する意味さえ分かっておらず、「あんな悪い被告の味方をし被告に有利なことしか言わない弁護士は金目当の悪いやつだ」と批難します。
また、人権や人道や人類愛がこの世に存在することを知らない日本人は、人権派弁護士をイデオロギー弁護士と批難します。
私が最近一番驚いたことは、「被告の罪刑をもっと重くしてください」という嘆願書に何十万人もの人が署名することです。
(昔は、刑の軽減のために署名嘆願したような気がしますが・・。)
これはオウム真理教の松本被告が唄ってた,♪私はやってない~潔白だぁ~,という戯れ言と同じことですよ.
つまり,犯罪とは共同体つまり社会から生まれてくるもので,社会の構成員ひとりひとりが必ずその罪意識を背負うべきなのに;自分は犯罪とは関係ない・自分は社会の構成員じゃないと,逃げを打っているんですよ(笑)
昔読んだ,エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』じゃないけど,これは「社会からの逃走」かいな,と考え込んでしまいました.
>日本人は法律や裁判について、殆ど勉強していません。
その通り! 理科系技術屋の私でも,関連する法規くらいは全部頭に入ってますよ.ましてや「生きるための法」は中等教育できちんと教えないと.一つには歴史教育が古代から始まっていて,現代から始まる遡及的なものでないのが原因じゃないかな.つまり,公民教育=政治・法律教育が疎かになってる気がします.特に高校の「現代社会」なんか論外ですね.センター試験の問題を見て呆れました.
日本の中・高校で現代史の勉強がおろそかだったことは悔やまれますが、これから、反動政権下で新たに教科として強化されるのも、怖ろしいものがあります。
犯人に殺すつもりはなく、たまたま殺してしまった、あるいは死んでしまったといった事件のように思います。
国連も死刑廃止を求め、今では死刑廃止国が大多数。死刑廃止は世界の潮流のように思います。日本も早く死刑廃止の決断を!
なぜ予防策が無かったのか。それは結局、理性の欠片も弱者への同情の心もない国民たちが、そういう状態を野放しにしているからです。
結局、「元凶は何か?」という問題に行き着くと思います。もし単純に「被告人」の立場になった人が死刑になればよいというなら、国民全員にも責任の一端がある以上、同じように死刑になるべきだと思います。
しかもこの加害者は、たまたま不注意で殺してしまった被害者を、
呪術的な儀式で蘇らせようとまでしたのに!!!!
この事件はあくまでも事故にしかすぎず、
生き返らせようとまでした加害者は、むしろ情状酌量で無罪でも良いと思う!!!!!!
あなたの言う社会正義なんて幼稚な理想にしか過ぎません。
「レイプという手段による性的欲求の解消がいかに、被害者の人権を害するものかを徹底的に理解させる」なんて書いてありますが、それが理解できる人間なら最初からこんな非人間的な罪は犯しません。
世の中には、あなたの様な世間知らずで純粋真っ直ぐな人には想像もつかない悪党や犯罪者がいる事を覚えておいて下さい。
これからも素晴らしいブログ頑張って下さい。