tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

10-12月GDP下方修正の背景と今後

2020年03月11日 14時25分44秒 | 経済
10-12月GDP下方修正の背景と今後
 先日、2019年10-12月期GDPの第2次速報が出て、マイナス成長率が更なるマイナスに修正されました。
対前年同期比でマイナス1.6%からマイナス1.8%になり、年率換算では、マイナス6.3%からマイナス7.1%という大幅下落になりました。(いずれも実質値)

ついでに、いつも通り、(極端にでる瞬間風速7.1%ではなく)対前年同期比の実質値を見ますと、マイナス0.4%からマイナス0.7%に修正です。
傾向的にも明らかに経済は下降局面に入ったようで、原因は米中貿易摩擦などに端を発する世界経済の不安定ということでしょう。(新型コロナの影響以前です)

 報道にもありましたが、修正の主因は、直接的には設備投資の急な落ち込みで、対前年同期比の民間企業設備はマイナス3.3%からマイナス4.4%に修正されています。

 いつもの事ですが、第2次速報は、法人企業統計季報で設備投資の数字が固まるので、動く事が多いのですが、今回は7-9月期に、(消費増税に影響で?)設備投資の駆け込みがあり、10-12月期にはその反動減があったという面おありそうです。
 
 いずれにしても、世界経済の停滞、特に中国との取引の多い日本ですから、景気の減速傾向は明らかですが、そこに、2020年1-3月期からは新型コロナの影響が出てくるという展開になって来ているわけです。

 加えて日本の場合は、何かあれば円買いという国際投機資本の動きによって、円高の影響を受けることが恒例で、今回もトランプさんの株価防衛(選挙のために新型コロナ禍からの)のための利下げ政策で円レートは101円台まで付けました。

 今回は政府・日銀も、対抗策として思い切った緊急ばらまき政策を発表、その効果はあったようで、円レートは105円がらみに戻ってきています。
 ただアメリカには、さらに1%下げ、政策金利を0~0.25%にという声もあるようで、もしアメリカがそこまでの政策をとるとすれば、日本は更なる覚悟が必要でしょう。

 日本では東京五輪までに、アメリカでは大統領選挙までの間に、新型コロナウィルスが世界的に人類社会にどんな展開を見せるかが政治も経済にも大きな影響を持つでしょう。

こじれた国際政治関係で打撃を受けた世界経済が、さらに新型コロナウィルスでどこまで悪化するか、経済予測は経済学者の分野を飛び出して、国際政治、病原体ウィルスの感染力の強さに依存することになったようです。

 それにつけても、新型コロナウィルスに効く薬(富士フイルムのアビガンはどうなのでしょうか)、さらにはワクチンの早期の開発が切望されるところです。

 さらに言えば、人類がウィルスとの戦いから学んで、人間同士、国同士のいがみ合いの愚かさに気づき、平和で安定した国際関係、その基盤の上に成り立つ健全な経済活動を自分から破壊するような行動の愚かさに賢く気付いてほしい所です。