tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

今日は勤労感謝の日です、何をすれば?

2022年11月23日 11時45分17秒 | 文化社会
勤労に感謝する日、とてもよい日だと思います。
こんな趣旨の国民の祝日がある国が世界にどのくらいあるのか知りませんが、日本にあるのは素晴らしいと思います。

10月23日というのは昔の新嘗祭(天皇が初穂を召し上がる日)ですが、戦後、占領軍といろいろあって祝日としては残すが、名前を変えて「勤労感謝の日」としたようです。

名前はアメリカのLabor Day とThanksgiving Day(労働祭と感謝祭)を合わせたようですが労働が「勤労」になっているのは日本人の知恵でしょう。

毎年の豊かな実りに感謝する祭りは、世界中に、いろいろな形であるでしょう。これは自然から食料を採集する時期から栽培し農業を発展させる時代に至る中で当然、自然や神に豊穣を感謝する祭り(日本では秋祭り)が年中行事になったことはごく自然でしょう。

勤労感謝の日は、自然や神に感謝する気持ちに加えて、自分たち人間の「働き」にも感謝しようという、まさに現代社会に相応しい祝日ではないでしょうか。

「勤労」というのは大変いい言葉と思うのですが英語には見当たりません。勤勉(industrious, dilgence)はありますが、これは特に「労働に対して」という意味はないようです。

「労働」と言いますと、「労働の対価が賃金」などと言われますように、賃金を受け取って働くというイメージになります。
そうすると年金生活者は、現役の就業者、雇用者に感謝する日になってしまいそうです。

それではちょっとまずいという事で、「勤労ですよ、労働ではないのです」という事になったのではないでしょうか。

「勤労奉仕」という言葉は昔からあります。これは無償の労働です。そして、「大変ご苦労様です、有難うございます」という感謝の念が入った、いわば「尊い活動、働き」という意味を持ちます。

という事ですから、「勤労感謝」の中には、GDPの計算には入らないけれども、社会や家族のためになっているという活動も当然入ってくるのでしょう。

主婦労働、主夫労働、ボランティア、地域における高齢者の多様な活動、今問題になっているヤングケアラー、老老介護などなどです。

勿論、今の労働は肉体労働だけではありません、頭脳労働の方が次第に多くなってきているようです。
その意味では、必ずしも体を動かさなくても、体が不自由でも、社会に役立つことはたくさんあります。

こうしてみますと、人間が、何らかの形で、社会や家庭が「豊かで快適」になるような貢献をしている活動の全てに対して、自分も含めて全ての人に感謝する気持ちを持ちましょうというのが、本当の勤労感謝の日の意味ではないかと考えたらどうでしょうか。

折角ある国民の祝日です、気付いてみれば大変重要で大事な意義を持つ祝日なのだと、それぞれに意義づけして、大切にするのがいいのではないでしょうか。