胡錦濤閣下の大和づくしランチ

土曜日（5/10）、中国の胡錦濤国家主席が来県した。国家元首の来県はブッシュ（父）米大統領以来だそうだ。訪問先は、法隆寺、唐招提寺、平城宮跡。そして奈良公園内の新公会堂では、荒井県知事、冬柴国交相等との会見式、歓迎昼食会が行われた。

冒頭の写真は平城宮にあった東朝集殿（ひがしちょうしゅうでん）の模型（5/3平城宮跡資料館で撮影）。いわば役人の集会所で、現物は唐招提寺の講堂として残されている。奈良時代の貴重な遺構である。胡主席は鑑真和上像にお参りしたそうだが、この講堂も見られたのだろうか。

平城宮跡で朱雀門を見学した後は、新公会堂へ。次の写真は新公会堂の１階の庭側。草花がきれいに写り込んでいる（5/11撮影）。昼食の席で、胡主席は知事に鑑真和上の胸像（銅像）を贈るというサプライズもあった。


昼食を担当したのは「Le BENKEI （ル・ベンケイ）」（大和郡山市北郡山町）だ。
http://www.benkei.ne.jp/

メニューを奈良新聞から拾うと
・サラダ　海の幸と初夏野菜の温サラダ（地場産タケノコ、丸ナスにスモークした鮑（あわび）とホタテ貝をトッピング）
・スープ　大和地鶏卵のロワイヤル（卵豆腐）と伊勢エビ・完熟トマトのビスクスープ（エビをすりつぶして入れたスープ）
・メイン　大和牛（やまとうし）の低温ローストビーフと大仏しいたけ、３種のピューレとセサミソース、クレソン添え
・デザート　イチゴ（あすかルビー）のババロアとパッションフルーツのアイスクリーム、フルーツカクテルシャンパン風味ジュレ

うまく地場産品を料理に取り入れたものだ。とりわけ大和牛（県内で飼育した黒毛和種雌牛・肉質規格３等級以上）のローストビーフは、垂涎の逸品だ。朝日新聞には《オーナーシェフの尾川欣司さん(62)は「『ローストビーフがおいしかった』と話されたそうだ」と笑顔で話した》（5/11付 奈良版）とある。

故主席の来県で奈良が注目を浴び、県産品を使ったランチで「奈良にうまいものあり」がＰＲできた。鑑真和上に興味を持って『天平の甍』を買われた方もいただろう。今回の来日について様々な意見があるとしても、奈良の観光振興にとってプラスになったことは間違いない。

5/19には、その唐招提寺でうちわまきが行われる（14:00～）。5/14の「その時歴史が動いた」（NHK総合 22:00～）では、神仏分離で破壊される運命にあった仏像を救った岡倉天心とフェノロサが登場し、法華寺や不退寺などのお寺が紹介されるそうだ。「知れば知るほど奈良はおもしろい」。ぜここちらも視聴していただきたい。